> 生保営業のヒント > 第一回 @の力=「人柄力」 ほか
生保営業のヒント
生保営業(募集編)
保険の売れ続ける「3つの力」
  私は機関事務員、支社事務員、営業見習い(募集活動の実務)、機関長、本社スタッフ(機関経営コンサルタント)、支社長、本社スタッフ(販売技能開発担当、営業情報担当、営業・管理職研修担当等)、そして、生損保相互参入時の各社・各種のマニュアル、パンフレット等の作成、現在は主に募集活動の研修と…、またその間、全47都道府県へも出張しました。
  まさに、『門前の小僧習わぬ経を読む』の諺よろしく、さまざまな立場とさまざまな地域で数多くの方々から、本当にたくさんのことを学ばせて頂きました。そして、長期間優績を続けておられる方々には、男性、女性、活躍する地域・場所等が変っても、共通する思考と行動があると思いました。それが「保険の売れ続ける『3つの力』」です。
  とはいえ、私一人が見たり聞いたり、そして教えてもらったりしてきたことは、『葦の髄から天井覗く』…で、生保業界のほんの一部であることも十分承知しております。
  しかし、こんな時代だからこそ、お伝えしたい…そしてその中で、ひとつでも皆様のお役に立つことが有れば…との思いです。
生保営業(募集編)
保険の売れ続ける「3つの力」
  図式にすると、『3つの力』の掛け合わせが、優績の方々の大きな成果を生み出している。と言う事です。
  ひとつ目の力は、『人柄力』です。ふたつ目の力は、『行動力』です。この二つの力が『基本にる』こと。それは時代がどんなに変わろうとも変わらず、基本に忠実であると言うことです。
  三つ目の力は、『情報力』です。これが『視点をえる』こと。優績者の方々は、絶えず幅広く情報を収集し、時代の変化に対応した募集技法や話法を常に創意工夫しておられると言うことです。
  生保営業に限らず、『良い人』から『良いもの』を購入したい…これがお客さまの心理だと思います。まして形のないものに契約して頂く生保営業は『良いもの(情報力)』と比べ『良い人(人柄力・行動力)』のウエイトは大きいのではないでしょうか。
  特に、『情理を尽くせ』という言葉が有るように、一般的に日本人は合理性、論理性よりも先ず『情(良い人)』を重視する傾向が強いようです。若い時分の私も理屈だけを言っていると、『のみ有ってけ無し』だ。『情理を尽くして納得して頂け!』『自分を買って頂くのが先だ!』と叱られました。
  ただし、『人柄力』と『行動力』があっても、『情報力』が足りないと大きな成果は望めません。また極論ですが、掛け算ですからひとつでもゼロがあると成果はゼロになってしまいますね。
@の力=「人柄力」
  「人柄の良い人が全員成功しているか?」というと、そうなっていないのが、この仕事の難しさ…ですね。
  ただ、優績者の方々に共通しているのは、人柄の良いことは勿論ですが、それを相手に伝える能力…「コミニュケーションスキル(対人対応力)」が高くて豊かですね。
  その中の「挨拶上手」と「聞き上手」について…
1 2 3
 明るい笑顔で  相手の目を見て  暖かい関心を示して
 何時でも  いの一番に  勢い良く
 先に  爽やかに  差別なく
 続けて  繋がるように  通じるように
  「何時、何処で、誰から教えて頂いたのか…」思い出せません。数人の方から教えて頂いたのかもしれません。メモもとってありません。
  しかし、今も心に刻まれており、研修などでもお話をしてきました。新聞や雑誌等を読んで、いつの間にか私がひとつにまとめたのかもしれません。
  いずれにしろ長い仕事の中で「そうだ。その通りだ。そうだよね!」と私の心に刻まれたことです。これは全編を通じて言えることなので…「優績者の知恵」としてご容赦下さい。
  さて、「挨拶の3段階活用」ですが、それぞれをおひとりお一人が想像し、工夫を凝らし営業の現場で活用して頂ければ…と思いますが、ご参考までに。
   について
    ・  「明るい笑顔」のために、保険の神様と言われた「原一平」さんは、毎朝鏡の前で笑顔の練習をしたそうです。
    ・  契約がまとまり喜んで事務所に帰り、「ただ今」と挨拶をした時、上司が書類から目を離さず顔を上げずに「お帰り」と言ったら?
「夫婦間でも、親子間でも、前日の激論は前日で終わり!朝の出掛けの挨拶は『の3段階活用』で…」一日の気分が違いますね。
    ・  「暖かい関心を示す」簡単なことは、「名前を呼んで挨拶すること」と教えてもらいました。
   について
    ・  「何時でも、何処でも、誰にでも」…もし家庭訪問時にお留守だったら「犬でも猫でも庭木にでも、挨拶してから次の訪問へ…」「人間も動物だ。動いて、声を出せ。元気と知恵が出てくる」「『小人閑居して不善を為す』だ。動かない。声を出さない。と、ドンドン気が滅入って、ネガティブな考えになるぞ!先ず動け!先ず声を出せ!」と。
    ・  「『いの一番に』朝起きたら家族に即挨拶だ」と。
    ・  「勢い良く」…「場違いな大声を出せば良いと言うものではないが、張りと勢いが必要。声を聞くと心が分かる」と。
   について
    ・  「子どもでも、年少者でも、自分から『先に』挨拶しなさい」と。
    ・  「爽やかに」…「人の考え方や心は服装や態度に表れる」逆もある「爽やかな人の服装や態度を真似よ…そのうちお前も成れる。元気がないならカラ元気を出せ…そのうち本当の元気が出てくる。『学ぶ』は『真似ぶ』から始まる」と。
    ・  事務室等を訪問したとき、部屋の大きさにもよりますが、『差別なく』在室している全員の方々に「名前を呼んで暖かい挨拶」を差し上げたい。そして、部屋を出るとき振り返り、部屋中央の天井に向かって、静かな声で「失礼します!」と退室したいものですね。
   について
    ・  「続けて」…「生保営業は『鳴かぬなら鳴かせて見せようホトトギス(秀吉)』だ。『鳴かぬなら殺してしまえホトトギス(信長)』や『鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス(家康)』ではない」と。
 私も、時どき家の近所を散歩します。ほとんどの人が無言ですれ違います。ところが、勇気を出して『こんにちは!』と挨拶すると、7〜8割の方が『こんにちは!』と挨拶を返してくれます。みんなシャイなんですね。
 挨拶を返してくれるまで、明るく爽やかな挨拶を続けたい。『挨拶と挨拶が心の通信開始』ですね。
    ・  「繋がるように」…優績者の方が契約を断られ、帰り際の挨拶をする時。<時間を頂いたことへの御礼。自分が未熟なためご理解を頂けなかったことに、無念さを込めたお詫び。等をする。そして『しっかり勉強をして又伺わせて頂きたい』と、明るい笑顔を添えてお願いをし、爽やかな余韻を残して辞する様>を何度か見てきました。「これが、次回訪問を喜んで迎えてもらえる秘訣なんだ…」と。
    ・  「通じるように」…ある方の体験談を聞きました。「『大変勉強に成りました。ありがとうございました。(「あなたのお話は、私に全部通じました。本当にありがとうございます」と言うことですね。)』と、一日に15回以上は、言うように挑戦している。真剣にお客さまのお話を聞かないとこの言葉は出でこない。又、新規訪問がないと…何時も伺っているところでも、なかなか出てこない。」と。 新規訪問の大切さ、工夫、は勿論。「人は話をしてくれた人よりも、話を聞いてくれた人を信頼する」と思いました。
  ・「対人対応力の80%以上は挨拶」
  ・「挨拶とは、拓いて迫ること」
  どちらも、元NHKアナウサーの鈴木健二さんの言われたことだと記憶しています。
  「心のない猿真似」はどうかと思いますが、「学ぶ」は「真似ぶ」から…咀嚼して、使いこなして、自分の個性にまでして行きたいものですね。
  いずれにせよ、「挨拶は人と人との信頼関係を醸成し、深めて行く大事なツール」ですから。
2009.02.16
ページトップへ
須長 光男 プロフィール
[経歴・バックグラウンド]
 宮城県出身
 明治生命(現 明治安田生命)入社、機関長、機関経営コンサルタント、
 支社長を経て本社営業教育部で販売技能開発、教育研修を担当。
 平成8年より(株)セールス手帖社保険FPS研究所の企画開発部長と
 なり、生保に関するテキスト、マニュアルの企画・執筆の一方、
 セミナーも数多く行っている。
[主なセミナーテーマ]
 「事業承継・相続対策プラン販売のすすめかた」「事業保険見直し販売のすすめかた」
 「公的年金知識をアプローチとした生命保険の販売」「FP知識を活かした実践的販売手法」
 「採用・育成のヒント」
 「セールスマネージャーの実践的マネジメント」
 「目標実現のためのホロニックマネジメント・トレーニング」
[講演・セミナー実績]
 全国各地のJA共済連LA向けセミナー
 簡保、全外協等の大会における各種講演
 生保各社の機関長、組織長、営業職員向けセミナー
 生保各社の機関長・組織長合同ホロニックマネジメント・トレーニング
 その他、大手企業管理責任者向けセミナ−や中小企業経営者を対象とした講演等、
 年間60〜70回実施。
須長 光男