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生保営業のヒント
生保営業(募集編)
@の力=「人柄力」 その2
  「人柄の良い人が全員成功しているか?」というと、そうなっていないのが、この仕事の難しさ…ですね。
  ただ、優績者の方々に共通しているのは、人柄の良いことは勿論ですが、それを相手に伝える能力…「コミニュケーションスキル(対人対応力)」が高くて豊かですね。
  第1回の「挨拶上手」に続き、今回は「聞き上手」について…
  共通していること
  賛成・同意する
  軽く驚く
  質問・先を促す
  ご本人たちは、意識しているのかいないのか…、定かではありませんが、長い間数多くの方々を観察した結果を、誤解を恐れず私なりにまとめてみると、「聞き方上手3ポイント」に成ったものです。
  第一回の「挨拶の3段階活用」と同じように、みなさんお一人おひとりが想像し、工夫を凝らし営業の現場で活用していたければ…と思いますが、それぞれのポイントに、もう少し付け加えますので、ご参考までに。
  1(賛成・同意する) について
    ・  微笑や笑顔を浮かべて「うなずく」
「3分で分かるよ! 受講生の皆さんが、優績者の方々かそうでないのか…。
それは、『笑顔』と『うなずき』の差だ」と、講師の先輩から教えてもらいました。「全くその通りだ!」、現在に至るまで、変わらない私の感想です。
「笑顔」と「うなずき」は、話し手に自信を与え、その場になごやかな一体感を醸成しますね。優績者の方々は、いつも現場でやっていて、身に付いていることが、自然と出てくるんでしょうね。
    ・  全く賛成の場合の例
「そうですね」「私もそう思います」等
    ・  意見が違った場合の例
「なるほど、そんな見方もあるんですね」
「なるほど、そんな考え方も出来るんですね」等
    「話し手の意見と、聞き手の自分の意見とが違うのに、お世辞で同意してはダメ。工夫しろ!」と。そして、赤ちゃんを抱いて玄関口に出て来られた奥さんに、「可愛いですね…」と。可愛いと思えなかったら、「賢そう(利発そう)ですね…」と。そうとも思えないときには、「お元気そうですね…」と。これが「赤ちゃんの褒め方3段階活用」と言うんだと、冗談交じりに教えてくれました。
    ・  いずれにせよ、「しっかり傾聴」して「共感のサインを送る」ことですね。
  2(軽く驚く) について
    ・  「へぇー、すごいですね…」「ほおー、そうなんですか…」
「えー、本当ですか…」等々と、感嘆詞を添えて軽く驚く表情。
    ・  いずれにせよ、「それは、会話をなごやかに、そして豊かにするスパイス!」ですね。
  3(質問・先を促す) について
    ・  「早口で立て板に水のような…、流暢に話をされる方」に、あまりお目にかかったことはありませんね。むしろ、「朴訥とまでは言いませんが、ゆっくりと間を取りながら、そして簡潔に、分かりやすく話をされる方」のほうが多いですね。
    ・  「自信がないと早口で多弁になる。『話術』は『間術』だ」と。そして、ご自分が話されるより、質問や先を促しながら、相手のお話をよく聞かれますね。
    ・  「質問を用意しておくと良いよ」と、教えていただいた例
(中小企業の創業社長さんへの質問)
         (1)創業のころは、ご苦労されたんでしょうね…?
   (2)ここまで会社を大きくされた秘訣(成功のポイント)は…?
   (3)今、一番力を入れていらっしゃることは…?
   (4)お役に立てるかどうか分かりませんが、私にお手伝いできることが、ありますでしょうか…?
   (5)人生の先輩として、私にアドバイスを頂けませんでしょうか…?
   等々…、用意しておいて、ずいぶん助かりましたね。
    ・  「もっと、そこのところを詳しく教えて頂けませんか?」「それから、どうなりました?」 等と、先を促されますね。
    ・  いずれにせよ、「人は話をしてくれた人よりも、話を聞いてくれた人を信頼し、好感を寄せる」ところから「あつい信頼は醸成されて行く」のですね。
  あるとき先輩が、並々と水の入った満杯のコップに、「水を注いでごらん」。「注げません、溢れます」と私。 先輩はコップの水を一口、二口飲んで、「今度は、注げるだろう」と…。
  窓口応対していた私に、お客さまの苦情や申し出を、まずは、じっくりお聞きすること。そして、お客さまの心に余裕ができてから説明や解説をし、納得していただく大切さを、対話のコツを、教えてくれました。
  話したいことを、明確に持って窓口に来られるようなお客さまと違って、営業の現場では、積極的に話し掛けていただけないお客さまも多いですよね。皆さん既にご存じだと思いますが、そんなお客さまと会話を弾ませていくキッカケになるキーワードに、「木戸に立てかけせし衣食住」がありますね。
  「話 題」の例   「話 題」の例
  気候   健康・経済等
  道楽・趣味等   生活スタイル
  ニュース   仕事・趣味等
  旅   ファッション(流行の服装・髪型)
  天気・テレビ等   食事・グルメ等
  家庭・家族等   住所・住宅・出身地・住環境等
  皆さんの工夫を加えて、営業の現場で活用していただけければ…、と思いますが、くれぐれも「聴くこと が大事!」とばかりに、警察官の方の「職務質問」のようにならないようご注意を。
    ・  私は、北国生まれのせいか、桜の季節が一番好きですが…、社長さんのお好きな季節は…?
    ・  私は多摩に住んでおりますが、社長さんは、どちらにお住まいですか…? 等々
  その場の雰囲気にもよりますが、「まず自分のことを話してから、お客さまのことをお聞きする」。この順番の方が、話がスムーズに運ぶのでは…。あまりに初歩的なことで失礼ですが…、老婆心ながら。
  「人は、上の空や早とちり…。いわゆる『耳』で言葉だけを聞かれると、『口』で答える。相手の言葉の奥 …、心に在る想いに耳を傾け、良く聴きなさい。『心』で聴けば、『心』で応えてくれる。だから口はひとつ で、耳はふたつあるんだ。こちらが話すことの最低2倍は聴きなさい」と。「傾聴」の大切さを教えてくれま した。
仕事に対する信念や自信と誇りを持てないで、成功した人はいない
  豪華絢爛に咲き誇る桜の花も、見えない土中に太く堅固な根があってこそ…。
  優績者の方々も、確かに「挨拶上手」や「聞き上手」等、「コミニュケーションスキル」が高くて豊かですが、それは現在表面に現れていること。「持続する誠意」やその心(根っこ)に「仕事に対する信念や自信と誇り」があったればこそ…、ですよね。
人は自分を大切に思ってくれる人を最後は信頼する。たとえ、「言い方」や「やり方」が稚拙であったとしても…
千回の繰り返しを「鍛」といい、万回の繰り返しを「錬」と言う(宮本武蔵)
  生まれながらに持っていた方もいたのでしょうが、大部分の方は、それが生保現場で鍛えられ、そして錬り上げられ、見事な「コミニュケーションスキル」に成ったのだと思いますね。
  次回は、優績者の方々から学んだ「人柄力」の『核(コア)』の部分、「持続する誠意」やその心(根っこ)にある「仕事に対する信念や自信と誇り」を紹介しましょう。
2009.03.30
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須長 光男 プロフィール
[経歴・バックグラウンド]
 宮城県出身
 明治生命(現 明治安田生命)入社、機関長、機関経営コンサルタント、
 支社長を経て本社営業教育部で販売技能開発、教育研修を担当。
 平成8年より(株)セールス手帖社保険FPS研究所の企画開発部長と
 なり、生保に関するテキスト、マニュアルの企画・執筆の一方、
 セミナーも数多く行っている。
[主なセミナーテーマ]
 「事業承継・相続対策プラン販売のすすめかた」「事業保険見直し販売のすすめかた」
 「公的年金知識をアプローチとした生命保険の販売」「FP知識を活かした実践的販売手法」
 「採用・育成のヒント」
 「セールスマネージャーの実践的マネジメント」
 「目標実現のためのホロニックマネジメント・トレーニング」
[講演・セミナー実績]
 全国各地のJA共済連LA向けセミナー
 簡保、全外協等の大会における各種講演
 生保各社の機関長、組織長、営業職員向けセミナー
 生保各社の機関長・組織長合同ホロニックマネジメント・トレーニング
 その他、大手企業管理責任者向けセミナ−や中小企業経営者を対象とした講演等、
 年間60〜70回実施。
須長 光男