損をするより得をする方が良い、ローリターンよりハイリターンの方が良い、とソロバン勘定に走るのも人情。しかし…、
「保険は損だよなー」と契約時にちゅうちょされるお客さまにお会いしたら…。「○○さんには満期のときに、『損をした…』と言っていただききたいなあと思って、今日は伺いました」
「よく言うよ! 保険料を支払うのは、私なんだよ…」と言われたら…。「○○さん、生命保険で金銭的に得をした方は、契約後すぐに亡くなった方、契約後すぐに長く入院された方等ですよね。損
害保険でも、車の保険を契約後すぐに車を大破してしまった方、家の保険を契約後すぐに火災で全焼してしまった方等々…。いずれにしろ、契約後満期までに不幸や大きな災難に遭った方ですよね。
○○さんには満期のときに、『損をした…、と言っていただきたい』と申し上げたのは、その間、○○さんは不幸や大きな災難に遭わず、健康で幸せな満期を迎えられた証拠ですよね。
ぜひ、そう言ってください。私も幸せですし、大きな喜びです」
「『ただひとつ例外の商品があります。それは終身個人年金です。長生きすればするほど年金を長くお受け取りになれます。お元気でたくさんの年金を受け取っていただきたいですね』。
そして、こう付け加えるんだ。
『そのうえ、○○さんをはじめ多くの皆さんからいただいた保険料の一部が、そんな不幸や大きな災難に遭った方や、そのご家族の経済的な支援に役立つんですね。この助け合いの輪にぜひ○○さんも参加してください』と」。
「ソロバン『勘定』も大事だけれど、特に生保は、『愛情』や
『思やり』、そして『感謝の気持ち』をベースに出来た情念の商
品だよ。もうひとつの『カンジョウ(感情)』を大事にしようよ。
『悲しみ』と『貧しさ』が同時に来る『不幸や災難』。みんなで
助け合った『保険金や給付金』が、そこから立ち上がる勇気と力
になれば…。それが『相互扶助の制度』だよ…」と。
だいぶ以前の話ですが、「収支相当の原則」も踏まえ、話法の訓練をしながら先輩は教えてくれました。
これも、時代が変わろうと、人々の価値観が多様化しようと、優績者の方々も、私の先輩と同じように大事にしてこられた「基本的な原点」ですね。
「原点」を持っている人は負けない。「原点」を持っている人は苦難を乗り越える。
「原点」が「使命」にまで昇華されているんですね。
これも「人柄力のコア(核)」のひとつでは…。