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生保営業のヒント
> 第五回 Aの力=「行動力」その2:優績者に学ぶ「生保営業4つの活動」
仕事を始めるときに、これまでの人生キャリアの中で築かれたベースマーケット(イニシャルマーケット)が豊富な人であっても、契約締結(いわゆる「刈り取り」)に専念してしまい、並行して見込み客を増やしていく「見つける活動」を、おろそかにしていては、遅かれ早かれ行き詰まってしまいますね。
そして、例外の方がいないとは言いませんが、ベースマーケット(イニシャルマーケット)の豊富な人ほど、「見つける活動」を開始するのが遅れがちになるのも事実ですね。
住宅地(エリア)開拓活動
について
確かに、見つける活動が「4つの活動」の中で、一番大変ではないだろうか…、と私は思いますよ。
見つける活動の基本である「飛び込み訪問」も、見ず知らずのお宅や事業所を訪問するわけですからね。億劫なときもありますよ…。特に休み明け、「ブルーマンデー」の月曜日などは…。だからこそ皆で、短時間でも良いから「飛び込み訪問」をやるのですよ。元気が出るし、一週間のスタート! エンジンもかかりますしね。
プロ野球やサッカーの選手も、試合前に必ずウオーミングアップをして本番に臨むじゃないですか。あれと同じですよ、私たちもプロですからね。一週間のスタートである月曜日は皆で、そのほかの日はグループごとや、個人で…、と。
「一日サボると自分が分かる。二日サボると仲間が分かる。三日サボるとお客さまが分かる」。バレーや芝居などの世界でも、練習をサボると分かる…と、言いますよね。
私たちの飛び込み訪問も、「一日サボるとさらに億劫になり、もっとやる気がなくなる。二日サボるとお客さまが分かる。三日以上サボると飛込み訪問が恐くなる…」。そのうち、営業の腕がだんだんさびてくる。
だから、はじめのうちは、毎日自分に気合を入れて始めるんです。そのうち、習慣になりますよ…。習慣になるまで、頑張るんです。
近ごろは共働きのご家庭も多く、留守が多くて「飛び込み訪問」は効率的ではないのでは…? との質問に…。
皆さんがそう思われているとしたら、チャンスですね…。それだけ競争相手が少なくなりますから(笑)…。それは冗談として、「地域(住宅地、商店街、工場地帯等)の選び方」「地域によって違う訪問最適の時間帯」「世話好きの方、高齢の方からの展開」等を考え、工夫されてみたら…。
見込み客を見つけることが目的ですが、より大事なことは、「飛び込み訪問の場」は、マンツーマンで「新人が先輩から学ぶ場」だということですね。
一戸建ての住宅やマンション、それに事業所への訪問の仕方、断られ方、インターホン越しの対話の仕方、お会いできたときの話法や展開の仕方、次回訪問につなげる話法等々を、新人がマンツーマンの実践指導の中で、先輩から「生保営業のイロハ」を、習得して行く場でもあるんですよね。
例えば、
(1) 対話はゆっくり → 自信がないと「早口」で「多弁」になる
(2)「話術」は「間術」 → 間が大切、ただし、5秒以上開けたら断りが入る
(3) 胸を張って門口に立て → 自信がないと「へっぴり腰」になる
(4) 初めから大声を出すな → 初めは小声から
(5) ドアを開けていただいたら、顔を突き出すな
→顔を引くぐらいの気持ちでごあいさつを…、お客さまの目を見て、
穏やかな笑顔を忘れるな
等々、私が先輩から教えていただいた例の一部です。
事業所(職域)開拓活動
について
大きな事業所は、立ち入り禁止や門鑑(立ち入り許可証)制度等で制限されるが、そういった制限もなく、比較的気軽に訪問できる事業所を、数多く開拓していくよう先輩から指導されました。
また、事業所開拓は、都会でやるものと思っておりましたが、「どんな田舎でも、学校、警察、そして役場はあるよ。既契約者へのアフターサービス訪問のお願いから始めてみたら…」と。
「
3T
作戦」で、事業所開拓をやってきました。
「
と
らないつもりで」「
定
時に」「
定
位置に」行く…、ということです。頭文字から「
3つのT
」になりますよね…。
最初は訪問する事業所の、それぞれの部屋のデスクマップを作り、「3T作戦」で、一人ひとりの方に名前を呼んでごあいさつしながら、訪問を繰り返しました。
それは、豆腐屋さんも「売らないつもりで」「定時に」「定位置」に、雨の日も風の日でも街へ商いに行く…、そして豆腐屋さんのラッパが、「街の時計」になったら成功する、と先輩から教えられましたから…。
入社時に、機関長さんから教わった「行って
みよう
」「会って
みよう
」「勧めて
みよう
」の「
3みよう
活動」を実践し続け、今日まで頑張ってくることができました…。
「手品作戦」で、私は見込み客を見つけてきました。
日中、住宅地を回っても、留守のお宅が多いので、何とか効率的に大勢の人にお会いできる方法はないものか、それには事業所訪問しかないと思いました。
そこで勇気を奮い起こして、昼休みの事業所へ訪問してみましたが案の定、皆さんにソッポを向かれ、昼食もそこそこに、潮が引くように居なくなってしまいました。
そこでまた考えました。まず親しくなろう、顔と名前を知っていただこう…。それには、趣味で少しは経験もあるし、口べたの私を補える「手品にしよう!」と思い立ちました。
初めは数少ないネタでしたが、契約を勧めないことも功を奏したのか、徐々に見てくれる人が増えていきました。それとともに、親しさも増し、名前も覚えてもらえるようになってきました。
そんなある日、ある課長さんから「明日、息子の誕生日なんだ。息子をビックリさせたいんだ。手品のネタを二つ教えてよ。お礼に息子の契約をするから…」と、うれしい初契約をいただきました。
ネタも増え、契約も増えてきたある日、ある部長さんから「君の手品、なかなか面白いねー。今度、同窓会があるんだ。ぜひ来てくれないか…」と声を掛けていただきました。そこから大きく拡がりはじめました。出掛けて行った、その「同窓会」に参加していたメンバーの方から、「同業者の忘年会」に呼んでいただいたのです。
今では、「同窓会」「老人会」「町内会」「各種懇親会」「幼稚園」「保育園」「子ども会」「趣味の仲間の打ち上げの会」等々。みなさんに飽きられないように、新しいネタの仕入れも忙しく、予定表もいっぱいです…。
・まかぬ種は生えぬ
ベースマーケット(イニシャルマーケット)が豊富な人は、契約締結していただいたご契約者から紹介をしていただき見込み客を増やしていくのも、大事な「見つける活動」ですね。
いずれにせよ、「まかぬ種は生えぬ」です。
契約締結と並行して、見込み客を増やしていく「見つける活動」の努力をおろそかにしていては、遅かれ早かれ、行き詰まりますよね。
・喜びは倍増、ショックは半減
「飛び込み訪問」は、ペアが良いよ…、と先輩に教えて もらいました。
まず、飛び込む勇気が倍になる。見込み客が見つかったり、 即決が有ったりしたら、喜びは倍になる。断られたり 無視されたり、素っ気なくされても、ショックは半減で 済む…、と。全くその通りですね。
・「言う気」が「勇気」
心が行動(活動)になって現れる。「言う気」が「勇気」なんですね。
見たり聞いたりの実体験や、先輩から教えていただいたことから生まれる生保事業(私たちの仕事)に対する「自信と誇り」の「心の想い」が、「言う気」になり、「勇気の行動(活動)」を生むのではないでしょうか。
(つづく)
2009.08.31