> 生保営業のヒント > Aの力=「行動力」その4:優績者に学ぶ「生保営業4つの活動」-3
生保営業のヒント
生保営業(募集編)
Aの力=「行動力」その4:優績者に学ぶ「生保営業4つの活動」-3
2.育てる(ハートオープン)活動について PART2
  「これからは、夫婦共働きの家庭が増えていくよ。効率的に大勢の人にお会いできる方法は、中小事業所への訪問だね」。
  大きな事業所は、立ち入り禁止や門鑑(立ち入り許可証)制度等で制限される場合もあるが、そういった制限も少なく、比較的気軽に訪問できる中小事業所を、数多く開拓していくように…、と先輩からアドバイスを受けたのは、かなり前のことです。
  現在、さらにその重要性が増していますね。

  また、「“水は高きから、低きに流れる”。だから、トップである経営者へのアタックが中小事業所開拓の鍵だ」と先輩はアドバイスをしてくれました。



  数多くの方々から、中小事業所開拓の突破口として教えていただいた、経営者へのアタック事例を…
    ・経営者へアタックする「6つのメリット」
    ・創業経営者に共通の「4つの特徴」
    ・経営者へのアプローチ「5つの話材」
  そして、
    ・飛込みで、経営者にお会いするひとつの方法
を、2回にわたってご紹介いたします。
  「十人十色」「百人百様」…、さまざまな経営者がいらっしゃることは承知しておりますが、誤解を恐れずにわかりやすくまとめてみました。少しでも、活動のヒントにしていただければ幸いです。
経営者へアタックする「6つのメリット」
(1)経営者は「苦労人」が多い
  苦労人は、人の苦労がわかる。だから、わかってくれる人にアタックですね。営業は、わかり合える人の輪を拡げていく活動とも言えますからね。
(2)従業員と比べて責任が大きくて重い。なのに「公的保障は不十分」
  10人の従業員を抱えている経営者は、その家族を加えると20〜30人ほどの生活を背負っている ようなものではないしょうか。責任は大きくて重いですね…。
  そのうえ、従業員に比べて、公的保障は不十分。例えば、雇用保険、労災保険(特別加入は可)、 共済制度の中退共、特退共に加入できない。それに、財形制度にももちろん加入できません。だから、自助努力のニーズは大きいですね。
(3)サラリーマンよりリッチな資産家も多い、しかしお金の流れも速い
  大きなお金が入ってくるけれど、出ていくのも大きいし速いですね。また、少しでも余裕を見つけると、設備投資だ、運転資金だ、事業の拡大の資金だ、等々。
  それに、資産家も多いので、事業承継・相続対策等々、ニーズも多いしそれぞれが大きいですね。
(4)人脈が広い
  ご存じの通り、取引先をはじめ大きく広がる人脈(マーケット)が魅力ですね。
(5)社長室から出てくる人に、周囲は一目置く
  入社間もない一般の従業員の方からだんだんと、最後に経営者の社長を開拓するよりは、逆に、まずトップにアタック開拓し、それから全員へ…。まさに「水は高きから、低きに流れる」開拓が、的を射ていますよね。
  また、社長が加入してくれなかった(加入できない場合もありますね)としても、トップの部屋をたびたび訪れ、出てくる。そんな人に周囲は一目置き、ないがしろにしないのでは…。そして差別なく一人ひとりに漏れなくあいさつしながら、爽やかに帰っていく…。
  これが事業所開拓の鍵だ! と思いますね。
(6)人間的に成長できる
  「若いんだからトップの懐に飛び込んで行け、見栄や外聞を捨てて体当たりするんだ。さまざまな経験豊かなトップとの対話の打ち合いの中で、人間的に磨かれ大きく成長できることは間違いないよ」との先輩の言葉、まったくその通りですね。
  それぞれの項目に共感を覚え実践してきましたが、体験から特に、(5)と(6)が「そうだ! そうだ!」と、強く共感を覚える項目です。
創業経営者に共通の「4つの特徴」
  一般的に、創業者はワンマン型、二代目以降は調整型といわれます。そんな「紋切り型(ステレ オタイプ)」の分類に、安易に組するわけでもありませんが、創業経営者には「ワンマン」な方が多いのも事実ですね。そんな経営者の方々を思い浮かべながら、以下を参考にしてみてください。
(1)一般論を嫌う
  同業者だけでなく他業種の「体験談や実例」も好まれますね。ですから、地元の種々の業種からの情報収集は欠かせません。特に地元の金融機関は、この種の新鮮な情報を持っていますね。もちろん、守るべき秘密は厳守です。
  激動の現在、トップが常に求めているのは、不況の荒波を乗り越える企業のかじ取りに役立つ「生きた情報」や「経営のヒント」が、体験談や実例(成功・失敗共に)の中にあるからではないでしょうか。
(2)「忙しい」が生きがい
  とにかく、身体も頭脳の回転も目まぐるしいほど忙しい。それがエネルギーとなって企業をけん引していくのでしょうね。一見悠然としているように見えるときでも、頭脳はフル回転…。
  だから…、と先輩は教えてくれました。
<訪問時の挨拶事例>
  「社長、おはようございます。お忙しいようですね…」
と、必ず「お忙しいようですね…」の言葉を入れて、お訪ねすれば良いんだ。
  「そうだ…」とか「ごらんの通り忙しいよ…」
と返事が返ってきたら、
  「商売ご繁盛で結構ですね。それでは、また伺います。失礼致しました」
と、帰れば良いんだよ。後は、ニコニコ、チョコチョコ…の訪問の積み重ねだよ。
  そのうちに、
  「おまえさんは熱心だねー、だけどもう保険には入れないよ。まあ、お茶でも飲んで行きな…」とか「このごろは不景気でねー、忙しくもないんだけど、何回来てもらっても、もう保険には入れないよ」
と返事が返ってきたら、
  「社長、保険はお勧め致しませんが、ぜひ教えていただきたいことがあるんです…。すみません が、5分ほどお時間を頂けませんでしょうか?」
そして間髪を入れず、質問していくんだよ…と。
  「質問を用意しておくと良いよ」と、教えていただいた質問例を、私なりに加工して実践したのが、後述する“経営者へのアプローチ「5つの話材」”です。みなさんが実践の中で、ご自分の話法を磨き上げるヒントにしていただければと思います>
(3)成功談を聞かせたい
  一見寡黙な感じの方、気さくに声を掛けてくれる方等々、経営者の方々もさまざまですね。ですが、さまざまな困難を乗り越えて、現在の成功を勝ち取られた方々です。懇意になれば、必ず話してくれます。
  むしろ、心の奥底では、誰かに話して聞かせたいとの想いがある…、と体験から実感しています。 また、ここからが本当の対話の始まりだ、と思っています。
(4)好奇心が旺盛で、話好き
  懇意になり、話が弾むようになれば、ただし、問題が発生しているときや多忙なときなどは、ど んなに懇意であっても話に乗ってくれません。
  ニコニコ、チョコチョコ…、の多回数訪問、体験の積み重ねの中でチャンスをつかむコツを体得してください。
  これも(1)でも述べましたが、企業のかじ取りに役立つ「生きた情報」や「経営のヒント」を、 常に経営者は求めているから、好奇心が旺盛で話好きなんでしょうね。
  今回はスペースが尽きてしまいました。
  次回を「育てる(ハートオープン)活動について PART3」として、
  ・経営者へのアプローチ「5つの話材」
  そして、
  ・飛込みで、経営者にお会いするひとつの方法 等
をご紹介する予定です。
(つづく)
2010.02.01
ページトップへ
須長 光男 プロフィール
[経歴・バックグラウンド]
 宮城県出身
 明治生命(現 明治安田生命)入社、機関長、機関経営コンサルタント、
 支社長を経て本社営業教育部で販売技能開発、教育研修を担当。
 平成8年より(株)セールス手帖社保険FPS研究所の企画開発部長と
 なり、生保に関するテキスト、マニュアルの企画・執筆の一方、
 セミナーも数多く行っている。
[主なセミナーテーマ]
 「事業承継・相続対策プラン販売のすすめかた」「事業保険見直し販売のすすめかた」
 「公的年金知識をアプローチとした生命保険の販売」「FP知識を活かした実践的販売手法」
 「採用・育成のヒント」
 「セールスマネージャーの実践的マネジメント」
 「目標実現のためのホロニックマネジメント・トレーニング」
[講演・セミナー実績]
 全国各地のJA共済連LA向けセミナー
 簡保、全外協等の大会における各種講演
 生保各社の機関長、組織長、営業職員向けセミナー
 生保各社の機関長・組織長合同ホロニックマネジメント・トレーニング
 その他、大手企業管理責任者向けセミナ−や中小企業経営者を対象とした講演等、
 年間60〜70回実施。
須長 光男