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前回まで、優績者に学ぶ「生保営業4つの活動(行動)」のうち、
@見つける(ドアオープン)活動
A育てる(ハートオープン)活動
B契約締結(売る)活動
について紹介してきました。今回はC既契約のアフターサービス活動について、ご紹介したいと思います。
私がまだ駆け出しの頃、ある先輩が「契約をいただいてから、本当の仕事が始まるんだよ」と、「既契約のアフターサービス活動」の大切さを教えてくれました。
先輩が折々に教えてくれたことをまとめてみますと……
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まず、契約成立後のお客さまの心理をしっかり理解してほしい……
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契約成立後の営業職員の心理・活動
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毎月、新規契約獲得に奔走しているので、契約成立でほっと一息…そして次の新規契約獲得に心も活動も向っている |
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時々その既契約者のことも思い出すのだが、アフターサービス活動は後まわしにして疎かになる。時間の経過とともに、なおさら訪問しにくくなりがち… |
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契約成立後のお客さまの心理
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契約成立後そして保険証券が届いてから、もう少し詳しく聞いておきたいことや疑問に思うこと等が出てくる |
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ケガや病気をした時、また保険料の払い込みが困難になった時、契約者貸付を受けたい時…等々の手続きも聞きたいと思うかもしれない(約款に書いてあるし、その時に連絡をいただければ…と、担当の営業職員は思いがちでは…) |
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いずれにせよ一般的に、職員は新規契約獲得の活動を優先し、アフターサービスの活動には迅速に対応をせず後回しにしてしまいがちではないだろうか。お客さまはアフターサービスの訪問を待っているのに…。
それでも月掛契約の集金で、1ヵ月に1回はお客さまと顔を合わせていた時代は良かったが(その時代でも新契約締め切り後の月末に、集金活動が片寄ってしまいがち…集金に忙しく、お客さまのお宅での滞在時間が短く「神風集金」と呼ばれることもあったけれど…)、現在は、ほとんどの場合が「口座振替」か「給料差し引き」のため、契約後お客さまとお会いする場面が、格段に少なくなってしまったのではないだろうか。
そのため、契約してから4年程経ち、転換対象になる頃に訪ねると「まるでオリンピックセールスだね」などと揶揄されてしまうこともある。
契約をいただくまでは、お客さまのご都合に合わせて「夜でも休日でも伺います」、いただいてからのお客さまからの連絡には、こちらの都合に合わせて「来週伺います」、といったような言葉になって出てしまっているのかもしれないね。
これからの営業を考えると「アフターサービス活動(訪問)」の大切さがわかる…
「狩猟型」から「農耕型」の営業へ
まだ生保に加入している家庭が少なかった、いわゆる「未開拓の時代」は、アフターサービス訪問を疎かにしても新規契約獲得が進んだかもしれないが、加入者が増えるにしたがってなかなかそうもいかなくなるよ。
だから優績者の方々は、新規契約獲得活動と同じくらい、いやそれ以上にアフターサービス活動に力を入れているんだ。たとえば漁業でも、乱獲の時代から一定の大きさに育っていない魚や貝は採らない、また養殖にも力を入れる時代…つまり「捕る」から「育てる」にも力を入れる時代へと変わっていくよ。同じように生保業界も「狩猟型の営業」から「農耕型の営業」へと時代は変わっていくということだ。
そして…
200軒のお得意先を持つ営業へ
「農耕型の営業」の目安を、「200軒のお得意先を持つこと」にしてみてはどうだろう。
この場合のお得意先とは、お客さまの立場で言えば「親身になって相談に乗ってくれる担当の営業職員(=own agent)」、我われの立場で言えば「信頼し親しんでくれ契約もしてくれるお客さま」のことだ。これはアフターサービスの訪問に徹した結果できることだね。
この仕事を始めるとき、知人や友人…いわゆる「イニシャルマーケット」をたくさん持っていた人や、先輩から既契約をたくさん引き継いだ人などは、200軒を達成することはたやすいかもしれない。また、少ない人は大変だと思うが、それだけで将来の大きな差になるわけではないよ。
少ない既契約を「アフターサービス」で大切にしながら、コツコツと開拓の努力も続ける。ちょうど農家の方が開墾を続けながら、畑や水田の作物にも水をやり雑草を取り育てるように…。
「アフターサービス」に徹している姿を、お客さまは良く観ておられる。
そうしているうちに紹介をいただき、紹介から次の紹介へ展開するなどを繰り返して、意外と早く200軒に到達するのは間違いない。
例えば、一軒の家族構成を平均3人とすると、
○200軒×3人=600人
の見込み客を持っていることになる。どの家でも就職、結婚、出産、相続、病気、ケガ等々…様々に生活の変化があり、その変化は生保加入や見直しのチャンスにつながる。
そして、一軒の家で平均5年に1回そのチャンスを活かしたとすると、
○200軒÷5年=40件
年間40件の契約をいただけるというわけだ。
その間、亡くなる方や転居される方、他社に加入される方等々減少の変化があるので、お得意先からの紹介や飛び込み訪問で、常に新規開拓し補充することを怠るな!
もちろん、もっと時間と力があり、きめ細かなアフターサービスをできることが可能ならば、200軒にとらわれることなく300軒でも400軒でもいいんだよ(そのうちの10%以上は企業や事業所にしたいものだね)。
一人の営業職員が200軒を持つと仮定すると、現在全国の一般世帯数は約4,000万世帯なので、4,000万÷200=20万で、日本全国の営業職員の定員は20万人ということになる。いずれにせよ、
「新規契約の大部分が、既契約のアフターサービスから生まれる時代がくる」
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…と、先輩が教えてくれました。
「契約をいただいてから、本当の仕事が始まるんだよ」と、教えてくれた言葉とその内容や意味は、今でも「生保営業の王道」だと私の心に刻まれています。
ただし、先輩の教えてくれた頃と現在の世帯数などは違います。
2005年の国勢調査によると、約4,906万世帯、平均一世帯の構成人員は約2.6人だとのことでした。でも考え方の基本は同じですね。
※2010年にも国勢調査が実施されましたが、確定数値の発表予定は今年(2011年)の10月頃になるようです。
皆さんそれぞれに「既契約のアフターサービス活動」の得意技があると思いますが、優績を長年続ける先輩の方々やそのお客さまから教えていただいた話をいくつかご紹介します。
既契約のアフターサービス活動の例
お客さま→
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初めて契約をして知り合ってから26年…家族が忘れても一度も忘れずに誕生祝を届けてくれています。他の人に契約しようとは思いません。
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ある先輩→
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手書きのバイオリズムを月に約600枚…できるだけ手渡しでお届けしています。できないところは郵送で…なかなか大変ですよ。だけどそのおかげで全国にお客さまが拡がりました。
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ある先輩→
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年3回はハガキを出しています。年賀状は皆さんが差し上げるので、私はクリスマスカードにしています。仕事が終わってからなので遅い時間になりますが、家に帰る途中夜の間に…お会いせず失礼する旨の言葉をそえて投函します。直接訪問できない遠方の方には郵送です。暑中見舞いは皆さんか差し上げるまえ早めに…それと仕事を始めた入社記念日に感謝と新たな決意を込めて書いています。
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ある先輩→
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私はストレートに1ヵ月に200枚の設計書を、お客さまの方々へ届け続けています。「他の会社に入っちゃった…」というお客さまには、「次回は私にお願いします」と、軽いタッチでコツコツ…ですよ。
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等々
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また、「マネジメント編 第13回」の中で、職場開拓用にご紹介した「クイズ作戦」や「プレゼント作戦」なども参考にして、「アフターサービス活動」に活かしてみて下さい。
以上で、11回にわたって紹介してきました優績者に学ぶ「生保営業4つの活動(行動)」を終了します。
この項の冒頭にも述べましたが、いずれにせよ「行動なき理念は、絵に描いた餅!」です。私がお会いしたどの優績者の方も例外なく、「行動・実践家」でした。
まさに、「実績は行動量に比例する…!」ですね。
「商い」は「あきない」
元プロ野球楽天イーグルスの野村監督が言っていました。「失敗と書いて成長と読む、積極的な行動の失敗から学ぶことは多い、必ず後の成長の因になる」…と。
先輩方も数多くの苦難や失敗の中で「心と技」を鍛え、自分の得意な営業スタイルを確立してきたのだと思います。
「優績者」といわれる「商いの成功者」は、まさに「あきない」で成功するまで挑戦し学び続けてきた人。「優績者」とはどこまでも謙虚に、その挑戦を続けている人の称号なのだと思います。
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次回から、
Bの力=「情報力」について、ご紹介したいと思います。
一つでも皆様のお役に立つヒントが有れば…幸いです。
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