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生保営業のヒント
 T.日常のマネジメントのヒント
マネジメント1 タイトル
「出る杭」は、伸ばそう!
  一般的に力のある人に限って、個性(「わがまま」と混同しがち…)も強く、また、自信(「過信や慢心」と混同しがち…)も有るので、派閥を作ったり、なかなか統率に従いにくい一面を持っていますよね。そういうあなたも…、だったかも…。
  だからといって、イエスマンや従順で事なかれ主義の人だけを集めていたのでは厳しい環境や、激しい競争に勝ち抜く、強く逞しい機関はできませんよね。
  機関長として機関を強く大きく発展させようとしたら、困難な抵抗も多い。十人十色、欠点もあるでしょうが、その人だけにしかない得がたい長所が必ず有るはず。一人ひとりの成長を願い、勇気と誠意を持って、粘り強い対話の体当たりを続けたいですね。
  「育自が育児、育児が育自」とか、「機関長の成長が機関・所属員の成長」ですね。
  「解っちゃいるけど…」と、言いたくなるひるむ心、現実から目を背けたくなる自分と戦いながら! でも、リーダーのその自分と戦う心に皆がついてくるのでは…。営業の現場で、毎日毎日心を読み取る真剣勝負をしているプロの方々ですから。
  また、視点を変えて「社会勉強をさせてもらいながら、自分の成長に挑戦させてもらい
  ながら、給料までもらえる良い仕事だ!」とポジティブシンキングー●●生き●●ませんか?
「レトロの汽車」から「新幹線」へ!
  昔のS.L(蒸気機関車)は、先頭の機関車だけに動力がついていましたね。後の車両は、機関車に引っ張られるだけ…。今の新幹線は、全車両にそれぞれ動力がついているんですよね。
  陣容が20名以下でとどまっている機関を見ると、「昔のS.L(レトロの汽車)」を連想してしまうんですね。「機関長ひとりが孤軍奮闘で頑張っているのでは…」と。
  組織長(プレイングマネージャー)を軸に、機関長は組織長を育て、所属員に組織長を信頼させる作業を続ける…。陣容が30名以上に大きく成長し続けている機関を見ると、「新幹線」を連想するんですね。
  「全部機関長ひとりで抱え込んでは、疲れてつぶれてしまう、一人の力には限界がある。組織長を中心にみんなの力を借りよう!」新幹線のように、自立自転する組織を作り続けていく、これが成長を続ける機関を作るポイントですよね。
ビジョンのない経営は「漂流」…?
  「こんな機関にしたい!」。機関長の強いこの想いが機関作りの第一歩ですよね。
  たとえば、組織や陣容、そして挙績高や平均収入等々。何時までに、どのように…そのために、誰が、どんな役割を担うのか? 明確なビジョン・目標を機関全員が共有すること。もちろん事務員も含めて(事務員は機関の大事なキーマン)、そして、役割の明確な分担こそまずは大切ですね。機関ぐるみでトコトン意見を出し合い決定してほしい。
  ただ、ここで留意したいことは、全員の心情理解が、また機関のみんなが長い期間かけて、作り上げてきた文化の理解が先ですよね。
  よく見る光景ですが、転勤して来た機関長挨拶の第一声にこれをやってしまう…機関長の一人よがり。
  (『それは結構! おひとりで頑張って下さい。お手並み拝見!』と、大向うからの声なき声が、聞こえそうですね…)
  一生懸命走って後ろを振り向いてみたら、だーれもついてこなかった…、なんてね。成りかねませんよね。
  これは極端なたとえでしょうが、こんなことのないように、転勤の挨拶時にアンケートをとる。なんてのは、ひとつの手段ですね。
  アンケートの内容は、
 (1) 歴代の機関長がやったことで良かったこと、嬉しかったこと(機関長の名前は書かない)は?
 (2) 歴代の機関長のやったことで嫌だったこと、止めて欲しかったこと(もちろん、記名無しで)は?
 (3) 新任の私が、やるべきこと(優先順位をつけて3つぐらいまで)は? 等々
  アンケートをもとに、機関長の行動予定を発表し行動開始。そのなかで、機関の置かれた市場環境と職員の育った背景を観察し、一人ひとりと対話をしながら心情・文化を理解していく。あわてる必要はない。じっくりと…。
  留意したいことのもうひとつは、
  みんなの意見は良く聞くが、最後の決断と責任は機関長。「ひとつの船に船長は一人」ですからね。
  いずれにせよ、成功は率直な本音の話し合いによる全員共有のビジョン・目標を作ることから始まるんですよね。
  どんな組織・企業であれ、数値目標のみ有って、目指すビジョンのない経営は、あたかも大海原を海図・レーダーなしで航海する船…極端に言えば、「漂流」のようなものではないでしょうか?
(つづく)
2009.03.30
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須長 光男 プロフィール
[経歴・バックグラウンド]
 宮城県出身
 明治生命(現 明治安田生命)入社、機関長、機関経営コンサルタント、
 支社長を経て本社営業教育部で販売技能開発、教育研修を担当。
 平成8年より(株)セールス手帖社保険FPS研究所の企画開発部長と
 なり、生保に関するテキスト、マニュアルの企画・執筆の一方、
 セミナーも数多く行っている。
[主なセミナーテーマ]
 「事業承継・相続対策プラン販売のすすめかた」「事業保険見直し販売のすすめかた」
 「公的年金知識をアプローチとした生命保険の販売」「FP知識を活かした実践的販売手法」
 「採用・育成のヒント」
 「セールスマネージャーの実践的マネジメント」
 「目標実現のためのホロニックマネジメント・トレーニング」
[講演・セミナー実績]
 全国各地のJA共済連LA向けセミナー
 簡保、全外協等の大会における各種講演
 生保各社の機関長、組織長、営業職員向けセミナー
 生保各社の機関長・組織長合同ホロニックマネジメント・トレーニング
 その他、大手企業管理責任者向けセミナ−や中小企業経営者を対象とした講演等、
 年間60〜70回実施。
須長 光男