> 生保営業 成功のヒント > 第六回 事務員は見ている!
生保営業のヒント
 T.日常のマネジメントのヒント
マネジメント1 タイトル
事務員は見ている!
「今度の機関長は“ヒラメ”だね」
 →目が上に付いている。上だけを見ているね。上司のご機嫌だけを気にして、部下のことは二の次、三の次…。
「指を丸めて“グー”」
 →新任の機関長を、お客さまへのあいさつ回りに連れて行き、機関に帰ってきた職員のサイン。「今度の機関長は、お客さまへお連れしてもベリーグッド、使えるよ」。反対に駄目な場合は、  指で×印…。
「あの機関長は“ちくわ耳”だよ」
 →いくら言っても聴いてくれない。「ちくわ」のように、右の耳から聞いて左の耳から出してしまうのでは…。
「弱い犬ほど、よく吠えるよ」
 →朝礼で、大声で威嚇するような督励を、しばしばする機関長を見て…、等々。
  私が機関事務員時代に見たり聞いたりした、
機関長不在時の職員さんたちの会話の一端です。
機関長さんがいないと、良くも悪くも本音が出やすいものですね。
  次は、何人かの機関長さんから教えてもらったことの一例です。
  次長(次期機関長候補)が、入社早々の新人職員さんの、同行支援に出かけ
ようとしたときのことです。
  ベテラン機関長が
「ちょっと待て…。契約を必ず決めてみせる、なんて意気込むな…。肩の力を抜いて行け。二人で行くと勇気は二倍になる。契約が決まれば喜びも二倍になる。しかし、断られたときの方がもっと大事かもしれないよ。断られたときのショックが半分になるのはもちろん、一緒に断られたもの同士…。そのとき絆が深まるんだ。機関経営では、こっちの方が大事なんだよ。まあ気楽に行ってこいよ」。
  そばで聞いていた、当時若い事務員であった私には、その意味がよくわかりませんでした。経験と年齢を重ねた現在は、わかるような気がします。
  格好いいこと、良かったこと、そしてほめられること等は部下の手柄に…。嫌なことやつらいこと、そして面倒なことに、上司が見ないフリや、気付かないフリで逃げたりせずに、自ら率先して一緒に取り組んでくれるとき、上司と部下との信頼の絆が、強く太くなっていくんだよ、と言いたかったのではないのかと思うのです。
 ・「働く仲間」は、同じ機関長や支社スタッフではない。その方々も大事だが、本当の働く仲間は、わが機関の営業職員さんであり事務員さんだ。
 ・「足下をほれ、そこに泉あり!」。他と比べて落胆したり、将来に漠然と悩むな。自分に与えられた現在の仕事の中に未来もある。腹を決めて頑張れ。
 ・メーテルリンクの「青い鳥」ではないけれど、結局は、今いるこの機関が最高! 等々。
これらの言葉も、機関長さんが自らに言い聞かせていたのかもしれませんが、今も心に残っています。
  いずれにせよ、機関事務員はいつも事務所にいます。良くも悪くも見ています。機関経営に参画させ、活かさない手はありませんよね。
機関事務員は、
 ・機関長と営業職員さんとの中間中立の立場。
 →「岡目八目」と言いますね…、特に新しい機関長は、ベテランの事務員の力を借りたらどうでしょうか?
 ・機関長の足りないところを、フォローしてくれる
 ・機関長の見えない・気付かないところをアドバイスしてくれる 等々
ただし、こんな事務員には要注意!
 ・不平不満、愚痴が多い
 ・口数が多い(口は災い・トラブルのもと)
 ・特定の営業職員との癒着
 ・立場をわきまえない発言
 ・金銭、異性、酒にだらしない 等
徹底した教育・訓練はもちろん必要ですが、時には最悪の場合、解雇まで覚悟を…。採用時はもちろん、その後も家庭訪問が大事ですね。
 「経営に事務員さんを参画させる」、先輩がやっていたことを見習って、私もやっていました。
 ・毎日、短時間でも打ち合わせ・呼吸合わせ
 ・月一度の「夕食会」
 ・人数が多い支社長時代には、支社事務員と用務スタッフの中で、その月に誕生日を迎える方々と「誕生祝い昼食会」
 さまざまなアドバイスや提言等、「経営のヒント」をいただきました。
「ラージG」でいこう!
  「“ギブ&テイク”が人間関係の根幹だ」と言う人がいる。また、「機関経営には“貸し方経営”が必要だ」と言う人もいる。
  だが俺は、ちょっと違うと思うんだよなあ…。どうも、利害関係で営業職員さんを手段に見ているような気がするんだよ。
  機関経営は、親が子どもを育てるのに似ていると思うんだ、「育児が育自」と言うだろう。また、「育自が育児」とも言うだろう。
  お互い切磋琢磨して共に成長して行くんだよ。そうすれば、数字の成果は自然についてくるよ。お前も転勤型の機関長だ。それは転勤できない地域密着の営業職員さんに、転勤型で赴任していった「それぞれの機関長の持っている良いところを、吸収して成長してもらうためのシステム」だと俺は思うよ。
  だから、まあ、言うなら「ギブ&ギブ」→「G&G」それも「ラージG」で、頑張れ! と…
  ・「職員さんを手段に使ってはならない。
一人ひとりの成長こそが目的だ」
  ・「豆腐屋さんは豆腐を作るのが目的、
豆腐を作れば「オカラ」は、同時に出てくる。
機関経営も同じだよ。目的を間違うな」
  ・「情けは人のためならず、回りまわって自分のため…。
自分のところへ自然に戻って来るんだよ」
 新米機関長のころ、ベテラン機関長さんからいただいた貴重なアドバイスです。
〇○〇ほど素敵な商売はない!
  「ショウほど素敵な商売はない」、確か古いハリウッド映画の題名だったと記憶しています。
  楽しそうに機関経営に成功されている機関長さんを見ていると、「機関長ほど素敵な商売はない」と、頭に浮かんできましたね。
そんな機関長の方々から聞いた、教えてもらった、機関経営のヒントの数々
 ・機関長の立場は、「創造する喜び」と「自己表現を実現」できる立場。
芸術家、建築家、実業家等にも通じる。しかも、「資金繰り」「商品の仕入れ」「在庫の抱え込み」「倒産」等の心配なしの仕事。
そして、「給料をいただきながら、人生勉強もできる恵まれた立場」だと、思いますよ。
 ・「○○機関長のお陰で今の自分がある…」。営業職員さんが成長していくのを見る喜び…。
人を育てること、育つのを見ることは、人生の最高の喜びでは…。
 ・戦略、戦術が当たり、数値目標を達成していく満足感…。
 ・計画通りに、機関・組織が出来上がっていく面白さ…。
 ・機関を中心に拡大していく後援者の輪に、感じる充実感…
 ・さまざまな人々と出会い、打ち合い、鍛え合いの中に、 自分自身の成長を感じる喜び…。
  「機関長の希望や勇気は、職員さんへ伝染していくんですよねー」。また、「あの巨大なジャンボジェット機も、小さな翼の操作で、上昇もすれば、下降もする。気の持ちようが、本当に大事だよね」と、ある機関長。
  楽しそうに話してくれた機関長の方々でも、決して赴任当初から恵まれた機関を任された方は、多くなかったと思いますよ。
(つづく)
2009.10.19
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