> 生保営業 成功のヒント > 第八回 旅人が見た「天国」と「地獄」
生保営業のヒント
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マネジメント1 タイトル
23.旅人が見た「地獄」と「天国」
  列車で旅をしていた旅人が、「地獄駅」という駅を見つけたので、興味を持って列車を降りた。駅から街へ出てみると、人々は 一様に生気がなく、やせこけていた。また、あちこちで取っ組み合いのけんかや怒鳴り声が聞こえ、街のみんながいら立っている。
  食べ物はあるが、一人ひとりが2メートルあまりの箸を持って、その箸で食べ物を口に入れようとするのだが入らない。ボロボロ と落としてしまう。それでやせ衰え、いら立ちとけんか…。

  いたたまれなくなった旅人は、急いで列車に戻り先を急いだ。今度は「天国駅」という駅に着いた。 街へ出てみると、人々は体格も良く健康そうで、街は穏やかな雰囲気に包まれていた。どこからか歌声や笑い声も聞こえ、あちこちの街角では談笑の輪ができ ていた。
  地獄の街で見たのと同じように、一人ひとりが2メートルあまりの箸を持っていたが、自分の箸でつまんだ食べ物を、他の人の口 に入れてあげていた。お互いに食べさせ合っていたのだ。

  いつどこで、誰から聞いたのか…、それとも何かに書いてあったのか…、思い出せませんが、強欲エゴの醜悪さがはびこる今だけに、助け合いと支え合いの大切さを教えてくれたこの寓話が思い出されるのかもしれません。
  いずれにせよ、「相互扶助の商品」をお客さまに提供する生保業界だからこそ、機関に「助け合いと支え合いの文化」を、辛抱 強く根付かせるリーダーシップが、特に求められるのではないでしょうか。
24.「おいあくま」でいこう!
  私がまだ新米機関長だったころです。研修会で、ある先輩機関長が体験を話し、最後に「おいあくま」と毎日自分に言い聞かせている…、と話を結ばれました。
お い あ く ま」とは…、
 怒るな
 威張るな
 焦るな
 腐るな
 負けるな
」 怒るな
部下に誤りがあった場合は、できるだけその場で指摘し、「叱ること」「教育指導すること」は必要だ。
しかし、激高した感情に我を忘れて、誤りの事実とは関係のない人格否定の言葉を浴びせるような「怒ること」をしてはいけない。あくまでも冷静であれ。
「怒りの心」が頭をもたげたら、我慢して翌日まで待て。その上で、叱るべきことであれば冷静に「叱れ」、対話による合意と納得が大事だ。
「刀の傷は癒えるが、言葉の傷は癒えない」「部下は怒るな、巨悪に怒れ」と…。
」 威張るな
「“俺がおれが”の『が』を捨てて、お陰おかげの『げ』でいこう…」
自慢・高慢は馬鹿のうちだ、好調でも天狗になって威張るな…。
威張る奴ほど実がない、「実るほど頭をたれる稲穂かな…」、どこまでも謙虚であれ、謙虚でないと、人の長所や物事の本質が見えなくなるぞ…、と。
」 焦るな
「あれになろう、これになろうと焦るより、富士のように黙って、自分を動かないものに作りあげろ。世間へ媚びずに…」。吉川英治の宮本武蔵に出てくるくだりだよ。
「急いてはことをし損じる」。着実に、そして堅実に…、と。
」 腐るな
他人と比べるから、慢心を起こしたり、自己嫌悪で腐ったりするんだ…。
比べるんだったら、昨日の自分と今日の自分を比べなよ。そして、明日の自分へ向かって、自分らしく誠実な努力を怠るな…、と。
」 負けるな
これが一番難しい。負けるな!
「世界を制覇するよりも、自分の弱さに打ち勝つ方が難しい」と、言った人がいる。自分の弱さに勝たないまでも負けないように…、との格闘の連続が「人生」かもしれないね。
そして、そこに「充実した人生」があると思うよ…、と。
  その先輩のように毎日ではありませんが、折に触れ思い出し「おいあくま」と自重自戒をしておりますが、なかなか難しいですね。これまで何度も挫折を繰り返しました。
  しかし、昨日より今日、今日よりは明日へ1ミリでも成長したい…、と「七転び八起き」「忍耐の忍は、刃の下に心を置く…」と、これからも忍耐強く懲りずに挑戦していきたい、と思っています。
(つづく)
2010.03.08
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