列車で旅をしていた旅人が、「地獄駅」という駅を見つけたので、興味を持って列車を降りた。駅から街へ出てみると、人々は 一様に生気がなく、やせこけていた。また、あちこちで取っ組み合いのけんかや怒鳴り声が聞こえ、街のみんながいら立っている。
食べ物はあるが、一人ひとりが2メートルあまりの箸を持って、その箸で食べ物を口に入れようとするのだが入らない。ボロボロ と落としてしまう。それでやせ衰え、いら立ちとけんか…。
いたたまれなくなった旅人は、急いで列車に戻り先を急いだ。今度は「天国駅」という駅に着いた。
街へ出てみると、人々は体格も良く健康そうで、街は穏やかな雰囲気に包まれていた。どこからか歌声や笑い声も聞こえ、あちこちの街角では談笑の輪ができ ていた。
地獄の街で見たのと同じように、一人ひとりが2メートルあまりの箸を持っていたが、自分の箸でつまんだ食べ物を、他の人の口 に入れてあげていた。お互いに食べさせ合っていたのだ。

いつどこで、誰から聞いたのか…、それとも何かに書いてあったのか…、思い出せませんが、強欲エゴの醜悪さがはびこる今だけに、助け合いと支え合いの大切さを教えてくれたこの寓話が思い出されるのかもしれません。
いずれにせよ、「相互扶助の商品」をお客さまに提供する生保業界だからこそ、機関に「助け合いと支え合いの文化」を、辛抱 強く根付かせるリーダーシップが、特に求められるのではないでしょうか。