> 生保営業 成功のヒント > 第十回 「基盤」ありて「育成」あり、「育成」ありて「採用」あり…その1
生保営業のヒント
 U.採用と育成のマネジメントのヒント
マネジメント1 タイトル
27.義経と弁慶
  私は現在東京に住んでおりますが、生まれは仙台です。31歳になるまで生活しておりましたので「生粋の仙台人」とい うところでしょうか。
  宮城県との県境から程近い岩手県の「平泉」は、仙台からも近いところです。そのことが関係していたと思いますが、 幼いころからいくつかの「義経と弁慶のなぞなぞ」を聞いて育ちました。
  多分、次にご紹介する「なぞなぞ」も、私が幼いころ亡くなった父から聞いたものだと思います。

  あるとき、怪力無双(大変な力持ちで比較する人もいないさま…)の弁慶が、戸を開けようとしたが開かない。汗を噴 き出しながら一生懸命、力を込めて開けようとしたが開かない。そのうち弁慶はくたびれ果てて、その場にへたり込んでしまったんだとさ。
  そこへ、色白で背も低く非力な義経が出できて、小指一本でその戸を開けてしまったんだとさ…、なーぜだ?

  と、いう「なぞなぞ」です。
  答えは、「弁慶は左に開ける戸を、右に開けようとしていた」というものです。引き戸ではなくドアでいえば、「引い てあけるドアを、押していた」というところでしょうか。

  「押しても駄目なら引いてみろ」というじゃないか…。マンネリになって「固定観念」に縛られるな、逆からの視点も 大切だぞ。常に謙虚に、いろいろな人の見方や考え方を参考にして生きて行け!」と父は言いたかったのでは…、と勝手に想像しております。

28.「基盤」ありて「育成」あり、「育成」ありて「採用」あり…その1
  駆け出し機関長のころ、何人かの先輩から「陣容を拡大しながら業績を上げ続ける機関経営のポイント」として教えていただいた言葉です。
  最初にこの言葉を聞いたとき、「まず採用が最初では…?」と、素人同然の私は思いました。
  しかしその後、さまざまな会社のさまざまな地域で優績を続けている機関を見学し、その機関長さんと懇談してきました。また、私自身も経験を重ねてきました。その中で、先輩たちの教えてくれたこの言葉は、「全くその通りだ!」という思いが強くなっていきました。
  採用が先ではない…、「基盤」ありて「育成」あり、「育成」ありて「採用」ありだ…。この言葉を、前の「27.義経と弁慶」で述べた「逆の視点」をもとに、図にしてみました
  上からではなく下から…、ということですね。
  上からですと強制や督励、それに表彰を絡ませて…、などになりがちですね。そこには、「陣容拡大による機関や組織の業績躍進」が目的で、所属員一人ひとりはその手段、との考えがベースにあると思うのです。
  その結果、やらされる「いやいやながらの採用活動」になってしまい、「すぐ辞めてもよい人を…」と、数合わせの採用になりかねませんね。
  ですから、自分の親友など大切な人を、とても連れて来てはくれないのではないでしょうか。
  あくまで「採用」は、育ててくれた機関長や組織長への「恩返しの行為」なのですね。
  「全くその通りだ!」との私の想いがこの図です。
  さまざまな想像をし、工夫を凝らして営業の現場で活用していただければ…、と思いますが、参考までに私の考え方を述べてみます。
基 盤
 生保業界で「基盤」という場合は、「募集基盤」として次の3つが一般的ですね。
  (1) エリア(住宅地を中心とした地域)
(2) 集団(職域という場合も…)
(3) 後援者
 しかし、育成を考える場合の「基盤」とは、「物事を成立させるための基礎となるもの。土台」と辞書にありますが、それを踏まえ「育成3基盤」として以下のように私は考えています。
  (1) 家庭の環境
(2) 機関・組織の環境
(3) 募集基盤
  (1) 家庭の環境 については、
  家庭で重病人や介護を必要とする方がでたり、家族ぐるみで転勤になったり、といった場合、順調に成長していても、特に入社後日の浅い女性職員の方などは、退社につながりやすいですね。
  このような場合は、「不可抗力でどうしようもない」かも知れませんが、マネジメント編 第五回「14.お子さんの名前、覚えていますか!」でも述べましたが、職員さんの家族こそ育成はもちろん、機関経営上「最高・最大の後援者」といえるのではないでしょうか。
  家族の理解や励ましがあるからこそ、職員さんも頑張れるのでは…。この基盤(家庭の環境)への機関長の気配り、心配りがまずは大切ですね。
  (2) 機関・組織の環境 については、
  育成機関(養成室とか育成センターなど、会社により名称はさまざま)に、入社後しばらく預ける場合には、育成機関は「職業訓練学校」のようなものと思ったほうが間違いないでしょう。
  育成機関には、マナーを含め厳しく基礎訓練をお願いするのはもちろんですが、育成機関と密に連携をとりながら、機関長や組織長による心のケアも含めた同行支援による応用実践訓練も大切ですね。
  また、このなかで機関長も成長していくのだと思います。もし、同行支援による応用実践訓練の仕方がよく分からない場合には、先輩の育成機関の責任者に遠慮なく体当たりで教えてもらうことですね。育成機関に預けっぱなし…、では機関長自身も成長できませんし、職員さんとの絆を強めることなどできません。「育児が育自!」「育自が育児!」
  いずれにせよ、「育成の全責任は機関長にある」、これを忘れないことですね。
  「機関・組織の環境」については、第七回「20.みんな「タモリ」だから「3タ」で!」を、ぜひもう一度参考にしてみてください。
  「みんなが人財」「みんなが主役」だ。「陰湿ないじめなどは断固排除!」入社を勧め、仲間になってくれた一人ひとりを、必ず育てる…、活かしきってみせる…、「機関長こそ最高の育成環境!」、機関長の暖かい心と気迫あふれる体当たりのリーダーシップが、なにより大切ですよね。
  長くなりそうですので、今回はひとまずこの辺にて…。
  次回は「29.「基盤」ありて「育成」あり、「育成」ありて「採用」あり…その2」として、基 盤 「(3)募集基盤について」からご紹介いたします。
(つづく)
2010.07.05
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