「基盤」ありて「育成」あり…、ここでの基盤は育成に必要な基盤ということで、次の3点を「育成3基盤」と私は考えております。

(1) 家庭の環境
(2) 機関・支部の環境
(3) 募集基盤
今回は前回に引き続き、
(3)募集基盤についてご紹介します。
(3)募集基盤について
前回は3つの募集基盤のうち
@エリアについて、次の「2つの視点からのヒント」をご紹介しました。
・機関長として、職員の戦術を指導する際のヒント
・募集基盤を開拓深耕していく、戦略的視点からの機関長活動のヒント
今回の
A集団(「職域」と言う場合も)についても、同じように「2つの視点からのヒント」を、ご紹介いたします。
☆新任時をはじめ節目をとらえた機関長率先のあいさつ訪問が大事

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既契約集団については、新任時に早急に担当の職員と一緒に訪問すること。保険担当者へのあい
さつはもちろんのこと、その方の上司、さらに、その集団(事業所)の最高責任者へ、新任のあいさつかたがた、担当職員を紹介することが大事ですね。
担当職員がすでに顔見知りの場合は、逆に紹介してもらうことになりますが、例えば市役所であれば「市長」、警察署であれば「署長」等の最高責任者まで、担当職員がお会いしていることは、大きな集団(事業所)であるほどまれではないでしょうか。
「この度、この土地で仕事をさせていただくことになりました〇〇と申します。こちらは初めての任地で、よく存じておりません。一日も早くこの土地でお役に立てるよう、勉強を重ね頑張りますので、ご指導のほど、よろしくお願いいたします」
「ところで担当者の□□は、御社を担当させていただいてから約3年になりますが、まだ社長さんにごあいさつをしていないと聞いたものですから、この機会に連れてまいりました。少々内気ですが、誠実にコツコツとサービスに勤めている、と皆さまからの評判です。私共々、ご指導のほど、よろしくお願いいたします」
新任あいさつ訪問時の話法一例ですが、
・この機会を、集団のトップにまで担当職員の視野や活動の幅を拡げるきっかけにすること
・担当職員の長所を交えた紹介で、トップに印象付けし、覚えてもらうこと
・担当職員にも自信を持たせること
などが狙いです。さまざま工夫をしてみてください。
未開拓集団についても、早急に担当職員を決め順次訪問すること。そして、新しい担当職員を売り込む絶好のチャンスにしたいですね。あいさつ訪問時の話法は、上述の新任時の話法を参考に工夫してみてください。
特に忘れないで訪問したいのは、警察署、消防署、市役所・区役所・町役場、消防団、交番等です。
防犯、防災、防火等についての心得や要望を伺うことはもちろんですが、どなたかに機関朝礼に来ていただき、防災・防火の訓練やお話をしてもらうことをお願いすることも大事です。また、市役所等では「育児・介護等の出前セミナー」をしてくれるところも増えましたし、他の集団でもお願いできるところがあれば、ぜひ朝礼の充実に力をお借りして、友好を深めたいものですね。

また、名刺を交換し時間を割いていただいた方には、できればその日のうちに、遅くとも翌日には、直筆のお礼状を差し上げたいですね。こんな時代ですから、なお「ローテクな直筆…」が大切ではないでしょうか?
それから、新任時はもちろんですが年末年始にも、既契約集団ばかりではなく、社屋の「向こう三軒両隣」や、お世話になる消防署や交番等へのあいさつ訪問は欠かせません。また、年始には機関全員による社屋の町内へのあいさつ宣伝訪問も、地域への友好を深めるために、ぜひ実行したいものですね。
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☆既契約集団へ新規見込み客拡大とアフターサービスのため、営業職員を継続して訪問させる工夫

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●止まり木(浮き輪)探し作戦
本社一括集団の場合、支店や出先工場等の地元の事業所、また公立学校等へ営業職員が出入りしていないことがありますね。こんな事業所の既契約者を探し、営業職員がその既契約者を止まり木のようにして、集団開拓の第一歩を踏み出しやすいようにする作戦です。
「御社には、私どもの会社と以前から集団約定を結んでいただいております。大変ありがとうございます。ところが、困ったことがひとつありまして、今日はお願いに伺いました。
それは、毎月一括して御社の本社から私どもの本社へ、保険料をいただいておりますので、こちらの支店ではどなたが、私どものご契約者なのか分かりません。アフターサービスをさせていただきたいと思いますので、教えていただくわけにはいきませんでしょうか?」
「そうですか…」と、気軽に教えてくれたらラッキーです。しかし、次のように断られる場合の方が多いですね。
「年末調整の際に分かるのですが、プライバシーにかかわることなので…」と。そんなときには、
「そうですね、ごもっともです。それでは、お昼休みにでも、お一人おひとりに、お尋ねさせていただけませんでしょうか? 決して、ご迷惑をお掛けするようなことはいたしませんので…」
「そうねー、食堂の入口でならね。中までは…、勘弁してくださいよ」
「ありがとうございます。決してご迷惑はお掛けしません。早速、明日からこの担当者の□□が伺います。不都合のないようにさせますが、もし何かありましたら注意してください。お伺いしました際には必ず、ご担当の〇〇さんと課長さんにごあいさつをさせますので、よろしくお願い致します。お忙しいところ、大変ありがとうございました」
止まり木探し作戦話法の一例です。
一人でも二人でも既契約者が見つかれば幸いです。その既契約者から、あせらずに密着拡大させたいものですね。もし既契約者が見つからない場合でも、少人数の事業所や学校、警察署等は、営業職員も行きやすいですし、そんなところから、集団訪問に慣れさせることも大切ですね。ぜひ、工夫してみてください。
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●パトロール作戦
職員が担当している集団へ、機関長が1〜2カ月に一度、ひとりで訪問することです。
「いつも□□がお世話になり、ありがとうございます。何かお気付きのことは、ございませんか?」
「特にないね。□□さん、頑張っているよ。なかなか契約がとれなくて苦労しているようだけど、来ると必ず私のところにも寄ってくれるしね…。先日の大雨のときも、びしょ濡れになって来ていたよ」
「そうでしたか、ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします」等と、よいことばかりではありません。
「いやーここしばらく見えないね…、契約もできないので、あきらめたのかなー」等の返事もありますね。
どちらの返事も大事です。帰所時に必ずフォローしてください。
「□□さん、課長さんが褒めていたよ。先日の大雨のときも、びしょ濡れになって来てくれたって…。設計書をお届けできた人は7人になったんだね。もうすぐ芽が出ると思うよ。頑張れ!」などと、具体的に褒め、続けてアドバイスをしてください。
一方、最近訪問できていない職員には、
「△△さん、担当の〇〇さんが、このごろ見えないって、寂しがっていたよ。私が手伝うこと、ありますか?」などと話しかけてみてください。

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具体的に出た話題等も含めて話し、継続して訪問していることを褒めることで、職員の活動意欲を高めること |
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「サボって行かなかった、マズイ! 機関長は見ている…」、これが大事 |
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また現場に行くことで、見えること分かることがあり、具体的かつ効果的なアドバイスができること |
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どちらの場合でも、活動量を増やすこと |
などが狙いです。ぜひ工夫をしてみてください。
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