「基盤」ありて「育成」あり…、ここでの基盤は育成に必要な基盤ということで、次の3点を「育成3基盤」と私は考えております。

(1) 家庭の環境
(2) 機関・支部の環境
(3) 募集基盤
(3)募集基盤について
前回と前々回は、3つの
募集基盤のうち、
@エリアと
A集団(「職域」という場合も)について、次の「2つの視点からのヒント」を紹介してきました。
・機関長として、職員の戦術を指導する際のヒント
・募集基盤を開拓深耕していく、戦略的視点からの機関長活動のヒント
今回も引き続き
A集団について、同じように「2つの視点からのヒント」を、ご紹いたします。
前回は機関長が、
既契約集団へ新規見込み客拡大とアフターサービスのため、営業職員を継続して訪問させる工夫のうち、
「止まり木(浮き輪)探し作戦」「パトロール作戦」についてご紹介しましたので、今回は次の二つの作戦についてお話いたします。
●クイズ作戦

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「高校野球」「プロ野球オールスターゲーム・クライマックスシリーズ・日本シリーズ」「サッカー」「ラグビー」「駅伝」等々、何かしら一年中、毎月実施できますね。
実施にあたって留意したら良いのでは…、と思う項目をいくつか挙げてみますと、
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「地元のチームや出身者がいる」「好きなスポーツ」等々、地域によって関心が異なると思いますので、「クイズ委員会」でも立ち上げて、機関を挙げて衆知を集めて行うこと。 |
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当選者へのプレゼント(高価でないものがベスト)も機関と組織の共催で経費も分担にするなど、息の長い継続的な取り組みができること。 |
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内容は、優勝校、優勝チーム、優勝者を当てる等、単純に。 |
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クイズの用紙を持って訪問する時期は、高校野球の地方大会ならベスト16が出揃ったころなど、盛り上がりを見極めることが大事。 |
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コンプライアンスにも気を付けて、事前に支社や本社に相談することも大事。 |
等々を参考に、工夫し十分に練り上げて実施してください。
いずれにせよ「クイズ作戦」も、職員が担当している集団へ訪問しやすく、また、その集団の従業員の方々と、コミュニケーションを深めるためのひとつの手段です。
特に入社後間もない職員さんは、何か「お土産(訪問時のツールと話法)」がないと訪問しにくいものではないでしょうか?
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●プレゼント作戦
この作戦も、職員が担当している集団へ訪問しやすく、また、その集団の従業員の方々と、コミュニケーションを深めるためのひとつの手段です。
会社で用意されているものも多いと思いますが、やはり、手作りが好評のようです。全国をまわり、教えていただいたプレゼントの数々の中から、その一端をご紹介します。
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ゆで卵やおにぎり、またはコーヒーをポットに入れて、といった手作りとお届けする時間、タイミングが大事。 |
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アンケートを実施して希望の多かった雑誌を、何誌かサービス期間を設けて休憩室にお届け。 |
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男性の方には「暇つぶし3点セット(きれいに包装されたつまようじ、メガネふきペーパー、ミニ耳かき)」等。女性の方には「身だしなみ3点セット(つめ磨きペーパー、油とり紙、ミニくしと鏡)」等を…。 |
手作り、そのうえ消耗品だと定期的にお届けできる、というわけです。それぞれの地域や集
団に合った喜ばれるものを、ぜひ衆知を集めて考えるヒントにしてください。
この作戦も機関と組織の共催で経費を分担にするなど、息の長い継続的な取り組みになるよう工夫したいものですね。
そして、上司をはじめ数多くの方から力を借りた開拓の工夫もプラス よく使われる「5縁(血縁、出身地の縁、出身学校の縁、趣味の縁、仕事の縁)」のつながりを活かし、数多くの方々から力を借りるのも機関長の腕ですね。
・支社長はじめ支社スタッフから
「5縁」を活用して力を借りることはもちろんですが、支社長などはロータリークラブに加入している、いわゆるロータリアンである場合も多いですね。ここでは、ロータリアンである支社長の力を借りる例をご紹介したいと思います。
まず、支社長に機関所在地のロータリークラブへメーキャップをしてもらうことです。
すでにご存じの方も多いと思いますが、この場合の「メーキャップ」とは、ロータリアン
が所属しているクラブへ出席できない場合、他のクラブへビジター(ゲスト)として出席することです。
「メーキャップ」することで、所属クラブへの例会出席とみなされます。多忙なロータリアンの出席率を高めること、また交流・研さんの場を拡げる目的もあると思います。
例会は、冒頭にビジター(ゲスト)の紹介があります。紹介されたゲストは「ヤー」と右手を挙げて起立し、会場全体にあいさつをしてから始めるのが一般的です。
次回の支社長機関訪問時に、「先日の例会では、大変お世話になりました」と、支社長のロータリアンへの御礼あいさつ訪問に同行し、自分(機関長)も紹介してもらう。
また、機関長が単独で訪問したときの方が、話が弾むこともありましたね。
「先日は私どもの支社長が例会に参加させていただき、大変ありがとうございました」とか「地域の名士であるロータリアンの皆さんから、よくご指導をいただききなさい、と支社長に叱られました」等と、冗談まじりの挨拶での気さくな訪問が、功を奏したのだと思います。
なお、支社スタッフの力も借りること、日常接触の少ないスタッフも多いのでは…。一人ひとりとジックリと話をするチャンスを見つけることが大事。特に法人担当スタッフとは連携を密に、力を合わせた開拓も工夫してみてください。

・機関事務員はもちろん、支社事務員から
意外と見落としがちの場合が多いのではないでしょうか?
支社の用務員さん、運転士さんも忘れずに…、地元出身の方が多いと思います。その強みと力をお借りしたいものですね。
・本社からの出張者からも
「5縁」を活用できれば、大きな力になることはもちろんです。
しかし、「5縁」がなくても同行訪問をお願いし、「今日、本社から出張で参りました。いつも大変お世話になっております」と、あいさつをしてもらうだけでも「わざわざ本社から…」と、喜んでいただく効果は、地方であればあるほど大きかったですね。
本社へ帰ってから、訪問企業への御礼状の発信もお願いしてください。また、同行訪問時の、気の利いた手土産(高価なものでなく…)も、工夫してみてください。
・銀行はその地域最高の情報源
銀行からダイレクトに紹介を…、というよりも、地域の経済・企業・経営者等の情報をいただき、地域開拓戦略の参考にすることが大事ではないでしょうか。
もちろん「秘密厳守」、また、そうでないと軽々とは情報を教えてくれませんね。
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