> 生保営業 成功のヒント > 第14回 「基盤」ありて「育成」あり、「育成」…その5
生保営業のヒント
 U.採用と育成のマネジメントのヒント
マネジメント1 タイトル
32.「基盤」ありて「育成」あり、「育成」ありて「採用」あり…その5
  基 盤
(3)募集基盤
  前回まで、3つの募集基盤のうち@エリアA集団(職域と言う場合も)について、次の「2つの視点からのヒント」を、ご紹介してきました。
  ・機関長として、職員の戦術を指導する際のヒント
  ・募集基盤を開拓深耕していく、戦略的視点からの機関長活動のヒント
  B後援者についても、同じように「2つの視点からのヒント」を、ご紹介したいと思いますが、このうち
  ・機関長として、職員の戦術を指導する際のヒント
  については、
  14.お子さんの名前…憶えてますか!の項で、職員の配偶者をはじめ家族が、機関経営上「最高・最大の後援者」では…と述べました。これが後援者活用といっても、まずベースになることだと思います。
  また、@エリアA集団の項では、機関長の同行挨拶訪問をきっかけに、営業職員(特に新入社職員)の有力な知人や友人、また、職員がそれぞれ担当している企業・事業所のトップ(キーマン)を後援者化することについてご紹介しましたので、参考にして下さい。

  機関長は一人ひとりの職員の募集力を高める戦術を指導する「セールスマネジャー」であると共に、管轄地域(マーケット)全体を戦略的に見つめ、機関総合の開拓深耕力を高める「マーケティングマネジャー」でもあります。この二つの側面を持ったマネジャーが、機関を充実発展させていくポイントであると思います。
  したがって今回は「マーケティングマネジャー」として、
  ・募集基盤を開拓深耕していく、戦略的視点からの機関長活動のヒント
  の一例として、「管轄地域(マーケット)全体を見つめた地域有力者組織化への後援者会開催」
  についてご紹介します。
  さまざまな先輩から教えていただいた地域有力者組織化への後援者会開催方法のヒントを、自分なりにアレンジして実行したことです。
  この後援者会開催の目的は、もちろん「地域有力者の組織化による地域開拓深耕」ですが、とくに新任時の開催は「職員の意識変革とマナー訓練」に重点を置いて実施しました。
  その機関新任時の開催を例に、開催案内から終了時までのステップは…、
ステップ 訪問時期 訪 問 目 的
1 4月前半   機関長・担当職員同行挨拶
2 4月後半   機関長・担当職員御礼と後援者会予告
3 5月前半   担当者単独で後援者会招待状をお届け
4 5月後半   担当者単独で後援者会参加予定名簿をお届け
5 6月前半   担当者単独で後援者会出欠を確認
6 6月後半   担当者単独で参加予定者へ開催日時を再度確認
7 7月前半   「後援者会開催」
8 開催直後   参加者へ御礼、欠席者へ記念品をお届け
ステップ 1
  機関長が、担当職員を同行しての挨拶訪問です。
30.「基盤」ありて「育成」あり、「育成」ありて「採用」あり…その3
・新任時をはじめ節目をとらえた機関長率先の挨拶訪問が大事
の項で、新任挨拶訪問時の話法や担当職員紹介の仕方についてご紹介しましたので参考にして下さい。
ステップ 2
  機関長が担当職員を同行して、前回の御礼と後援者会開催の予告を伝える訪問です。
  「先日はお忙しい中お時間を割いていただき、大変ありがとうございました。また今日もお願いに上がりました。日頃何かとお世話になっております皆様への感謝と、私の着任のご挨拶を兼ねて一席を設けたい…時期は7月の初め頃に…と考えております。その節はぜひご参加下さるよう、よろしくお願い致します」
  「イヤー…私の親戚で、〇〇生命に勤めているのがおりましてねー。私も家族もそちらに入っているんですよ。せっかくですが…そんな訳で、申し訳ないねー」
  このような場合は、
  「社長さん、御社の社員さんの中で、弊社にご加入頂いている方が〇〇人もおいでになるんです。おかげさまで保険料も、お給料から差し引いて頂戴しております。会場も狭く、ご加入頂いている皆さん全員をお呼びするわけには参りません。ぜひ、代表して社長さんにご参加をお願いしたいと思います…よろしくお願い致します」
  というように、ケースバイケースで対応して下さい。
ステップ 3
  後援者会招待状のお届け訪問。ここからは、担当職員の単独訪問です。
  招待状に記載することは、
・社業の現況報告と、日頃のご支援に対する御礼。
・地域の皆さんへの訪問出発準備である、毎朝の朝礼風景をご紹介したい。
・この会を、参加者相互の交流の場にも活用していただきたい。
・機関長の新任ご挨拶をさせていただきたい。
・地域によっては、「御祝儀等の心遣いを遠慮(辞退)させて頂く」等の文面も加える必要があるかもしれません。
  等々…、地域の習慣や風習を、くれぐれも見極めて作成して下さい。
「先日私どもの所長とお願い致しました『御後援者感謝の集い』のご招待状をお持ち致しました。ぜひご参加下さるよう、よろしくお願い致します」
  というような、できるだけ短い話法を訓練して送り出してください。
  またその場で、できるだけイエスノーの結論を聞かず、結論を急がせず短時間で辞去させることも大事です。「ノー」と言われてしまうと、気の弱い職員はステップ4 に進みにくくなってしまいます。そんなときには、留守どきを狙って訪問させる等の工夫も必要かもしれません。
  しかし、「話法」と「持参するもの(いわゆるお土産)」があれば、ベテランではない職員でも訪問しやすくなります。自信を持って訪問させてください。
  留守の場合の「よろしくお手渡し下さい」等の挨拶話法訓練もお忘れなく…。
ステップ 4
  このステップが、この後援者会成功の鍵です。
  『御後援者感謝の集い 御参加予定御芳名簿』といったような一覧名簿をつくります。
  名簿を作る際の留意点は、
出欠にかかわらず、招待状を差し上げた方全員の名前を載せて下さい。
会社(事業所)名、役職名、また専業主婦の方は主婦、そして氏名を誤り無く記載して下さい。
名簿は原稿段階で、機関全員に見せて下さい。
  「この方は○○生命びいきだ。お呼びしても効果は無いよ…」「それよりも主婦だけど、いつも紹介してくれる△△さんを、お呼びしてほしい」等々の意見も出るかと思います。
その時は、お呼びしたいという申し出のあった方全員を名簿に追加して下さい。
名簿お届けの効果
「いつもの後援者会と雰囲気が違うようだ…これは私の出る幕ではない…」等という方も出てきます。
私の経験からいいますと、自然と地域有力者に参加者が絞られました。「そこへ自分が参加するのに相応しいのか?」と…「参加予定者」「会場」を見て、参加または不参加を決めるようです。
会場の選定方法
したがって、会場の選定が重要になります。地域のAランクのホテルなどが最適ですが、しかし予算が足らず会場は公民館、料理はケータリングで実施したこともありました。それでも来場者の方々にとても喜ばれたこともあります。民間の会場と比べ公の会場の方が良かったと思います。
いずれにせよ、「清潔で品格のあること」が大事ですね。
  「いつもありがとうございます。今日は先日ご招待状をお届けしました方々の一覧名簿をお持ち致しました。お忙しいとは思いますがご覧いただき、ぜひご参加をご検討下さい。よろしくお願い致します」
  といったような、短い話法を訓練して送り出してください。
長くなりますので、今回はひとまずこの辺で…。
  次回は引き続き
  33.「基盤」ありて「育成」あり、「育成」ありて「採用」あり…その6
  として、B後援者について、地域有力者組織化への後援者会開催方法のヒントを、ステップ 5 からご紹介したいと思います。
(つづく)
2011.06.20
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