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![]() ![]() 第32回 ねんきん特別便で基金のチェックを
![]() 基金の貰い忘れも同時にチェック
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ねんきん特別便で疑わしい記録がある人もない人も、今後社会保険庁から来る書類を注意してみてほしいところあります。特に疑わしいとされてない方(この方に対しては正確には来年度(2008年4月以降)の発送になりますが、多分形式はそう大きく変わることは無いと思います)も注意が必要となります。厚生年金を間違いなく貰っていても、さらなる貰い忘れの可能性があるからです。
それは厚生年金基金の部分です。 第25回で厚生年金基金の貰い忘れが多いという話をしました。 現在、企業年金連合会も必死で、支給漏れの対策をしています。 http://www.pfa.or.jp/top/pdf/oshirase_190905.pdf 厚生年金基金をもう一度簡単に復習すれば、本来厚生年金として支給する部分を各企業(短期間の場合は企業年金連合会)が代わって支払うものです。厚生年金基金は企業年金と位置づけがされていますけれど、本来は国が支払う年金の部分を内包しているのですから、純粋な企業年金とはいいがたいのです。 そんな厚生年金基金の貰い忘れが企業年金連合会だけで124万人、独自の基金に入っていらっしゃる方を含めるともっと多くの方に手続の漏れがあると報道されています。 ねんきん特別便では、厚生年金基金のことにはあまり触れていません。しかし、せっかく括弧書きで、厚生年金基金のあった期間(表示上は括弧書きとなっている)の記録を送ってきてくれているのですから、これを利用しない手はありません。 ![]() 確認のポイント
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括弧書きの期間の記載があった場合は、厚生年金基金からの年金が支給されているかどうかを確認してみる必要があります。
具体的にいえば、60歳を超えて、厚生年金を貰っている方は、直近1年以内に基金からの年金の振込み(厚生年金基金は、受給額によって年1回のみから年6回まで振込みの回数がまちまちですから額が少ないと年1回の振込みということもある)があるか否かを通帳で確認してみるのです。 国側の対応としては、厚生労働大臣が厚生年金基金の漏れ(貰い忘れ)について対策を指示し、住基ネットを使って名寄せを考える等の報道がなされています。 しかし、我々はそういう対策をじっと待つのではなく、せっかくのねんきん特別便を活用し、厚生年金基金の記録の整備も同時に行ってしまうと考えれば、とても効率的ですし、早く問題が解決できるのです。 せっかく多大なコストをかけて送付するねんきん特別便ですから、基金をちゃんと貰っているかの注意喚起も同時に特別便の中で丁寧にしたほうが良いのにと思うのですが、1つのことに多くの質問をすると国民が混乱するという風に考えたのでしょうか? ![]() 何とか国も協力して欲しいのですが
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今回の年金混乱の最大の原因は「公的年金のわかりにくさ」です。公的年金がわかりにくいから、どんな立派な施策を施しても、社会保険庁、社会保険事務所へはいつもクレームが起きます。
厚生年金基金のように、公的年金の一部を企業年金に回して、独自の企業年金を増やすという年金制度は仕組みとしてはよいものであったのでしょうが、これも現実には公的年金をわかりにくくした原因の一つです。 厚生年金基金に加入している期間については、厚生年金と厚生年金基金の両方を貰っていないと、完全に公的年金を貰っていることにはなりませんから、そういう「貰い忘れの無い年金制度とする」という点でも、国が解決への責任を負うべきだと思います。基金の年金のことは基金で解決するというのではなく、国が積極的に関与していくべきなのではないでしょうか。 ![]() 2008.01.15
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