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第4章 法人課税
●  4−6 100%グループ内の法人に係る税制等について一定の見直し
100%グループ内の法人に係る税制等について、その円滑な執行に向けて、次のとおり一定の見直しを行います。
1. 100%グループ内の他の内国法人が清算中である場合、解散が見込まれる場合又はそのグループ内で適格合併により解散することが見込まれる場合には、その株式について評価損を計上しないこととします。
(注) 上記の改正は、平成23年4月1日以後に行う評価換え等について適用します。

2. 解散の場合の期限切れ欠損金の損金算入制度においてマイナスの資本金等の額を期限切れ欠損金と同様とするほか、連結納税制度における期限切れ欠損金の損金算入制度について一定の整備を行います。

3. 適格合併等の場合の欠損金の制限措置等について、適用対象から被現物分配法人の自己株式の適格現物分配を除外します。
(注) 上記の改正は、平成23年4月1日以後に行われる適格現物分配について適用します。

4. 外国法人が行う現物出資について、次の措置を講じます。
(1) 外国法人の日本支店等が内国法人に資産等の移転を行う現物出資に係る課税繰延べの要件について、事業継続要件及び株式管理要件を廃止します。
(2) 現物出資後に事業継続要件又は株式管理要件を満たさないこととなった場合に繰り延べた譲渡益に対して課税を行う取戻し課税を廃止します。
(3) 上記(1)及び(2)の改正に伴い、外国法人が内国法人に対して国外にある資産等の移転を行う現物出資を適格現物出資に該当しないこととする等の一定の整備を行います。
(注)上記の改正は、平成23年4月1日以後に行われる現物出資について適用します。なお、同日前に行われた現物出資について同日以後に事業継続要件又は株式管理要件を満たさないこととなった場合についても、取戻し課税を行わないこととします。

5. 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人に係る次の制度については、100%グループ内の複数の大法人に発行済株式の全部を保有されている法人には適用しないこととします。
(1) 軽減税率
(2) 特定同族会社の特別税率の不適用
(3) 貸倒引当金の法定繰入率
(4) 交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
(5) 欠損金の繰戻しによる還付制度
(6) 平成23年度改正における、繰越欠損金及び貸倒引当金制度の中小特例
(注) 大法人とは、資本金の額若しくは出資金の額が5億円以上の法人又は相互会社等をいいます。
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