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U.年末の大綱編
第2部 資産課税
第1章 租税特別措置等
■ 医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の創設
@相続税の納税猶予
  相続人が持分の定めのある医療法人の持分を相続または遺贈により取得した場合、その法人が新たに法定される移行計画(仮称)の認定を受けた医療法人(仮称:認定医療法人※1)であるときは、移行計画の期間満了まで相続税の納税を猶予し、持分を放棄した場合には、猶予税額を免除する。
※1  認定医療法人とは、良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律に規定される移行計画について、認定制度の施行の日から3年以内に厚生労働大臣の認定を受けた医療法人をいう。
  税額の計算は次のとおりとする。
 @  まず、通常の相続税額の計算を行い、持分を取得した相続人の相続税額を算出する。
 A  持分を取得した相続人以外の者の取得財産は不変とした上で、その相続人が持分のみを相続したものとして相続税額の計算を行い、その相続人の相続税額を算出し、その金額を猶予税額とする。
 B  上記@の相続税額からAの猶予税額を控除した金額を持分を取得した相続人の納付税額とする。
  <猶予税額と利子税の納付について>
  移行期間内に持分の定めのない医療法人に移行しなかった場合または認定の取消し、持分の払戻し等の事由が生じた場合には、猶予税額を納付する。また、基金拠出型医療法人(仮称)に移行した場合には、持分のうち基金として拠出した部分に対応する猶予税額についても同様とする。
  なお、このことにより猶予税額の全部または一部を納付する場合には、相続税の申告期限からの期間に係る利子税を併せて納付する。
  相続の開始から相続税の申告期限までの間に持分の全てを放棄した場合には、納税猶予は適用せず、上記Aの計算により算出される猶予税額に相当する金額(基金として拠出した部分に対応する金額を除く)を相続人の納付すべき相続税額から控除する。
A贈与税の納税猶予
  持分の定めのある医療法人の出資者が、持分を放棄したことにより他の出資者の持分が増加することで増加相当額(経済的利益)の贈与を受けたものとみなして他の出資者に贈与税が課される場合、その医療法人が認定医療法人(仮称)であるときは、担保の提供を条件にその他の出資者が納付すべき贈与税額を移行計画(仮称)の期間満了までに納税を猶予し、移行期間内にその他の出資者が持分の全てを放棄した場合には、猶予税額を免除する。
  税額の計算は次のとおりとする。
  @上記の経済的利益及びそれ以外の受贈財産について通常の贈与税額を算出する。
  A上記の経済的利益のみ贈与税額を算出し、その金額を猶予税額とする。
  B上記@の贈与税額からAの猶予税額を控除した金額を納付税額とする。
  猶予税額の納付、利子税の納付及び税額控除については、相続税と同様とする。
  上記の改正は、移行計画(仮称)の認定制度の施行の日以後の相続もしくは遺贈またはみなし贈与に係る相続税または贈与税について適用する。
「平成26年度税制改正の概要(厚生労働省関係の主な事項)」(平成25年12月/厚生労働省」より
■ 中古住宅流通のための特例措置(登録免許税)
  平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に、買取再販事業者(宅地建物取引業者)により一定の質の向上を図るための改修工事が行われた中古住宅を、個人が取得する場合、買主に課される住宅用家屋に係る所有権の移転登記に対する登録免許税の税率を一般住宅特例より引き下げ1,000分の1(一般住宅特例1,000分の3、本則1,000分の20)に軽減する。
■ 中古住宅流通のための特例措置(贈与税)
  「住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税措置」※1および「相続時精算課税選択の特例」※2について、適用対象に地震に対する安全性に係る規定またはこれに準ずる基準に適合しない既存住宅を取得した場合を加える。
  その既存住宅の取得日までに耐震改修工事の申請等をし、かつ、居住日までに耐震改修工事を完了していること等の一定の要件を満たすことが必要。
※1  父母や祖父母などの直系尊属から、自己の居住の用に供する住宅の新築もしくは取得または増改築等のための住宅取得等資金を贈与により取得した場合、そのうちの一定金額まで贈与税が非課税となる制度。平成26年内の贈与について、省エネ性または耐震性を満たす住宅は1,000万円、一般住宅は500万円が非課税枠。
※2  平成26年12月31日までの間に、親から住宅取得等資金の贈与を受けた20歳以上の子が、所定の要件を満たすときは、贈与者である親の年齢が65歳未満であっても相続時精算課税を選択することができるという特例。
■ 中古住宅流通のための特例措置(不動産取得税)
  新耐震基準(昭和56年6月施行)に適合しない中古住宅を取得し、入居前に新耐震基準に適合するための改修工事を実施した場合、その住宅取得にかかる不動産取得税の課税標準の特例措置を行う。
■ 認定こども園に対する非課税措置
  認定こども園のための固定資産にかかる固定資産税および都市計画税、不動産にかかる不動産取得税および施設にかかる事業所税について、非課税とする。
「平成26年度税制改正の概要(厚生労働省関係の主な事項)」(平成25年12月/厚生労働省」より
■ 小規模保育事業に対する非課税措置
  小規模保育事業のための固定資産に係る固定資産税および都市計画税、不動産に係る不動産取得税および施設に係る事業所税について、非課税とする。
「平成26年度税制改正の概要(厚生労働省関係の主な事項)」(平成25年12月/厚生労働省」より
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