>  今週のトピックス >  No.1379
大学生の内定獲得率はさらに好調
●  前年同期比内定率は2.2ポイント向上
  企業業績が拡大に向かう中、人材確保のために大学生などの就職内定率が高い水準となっている。2006年12月1日現在での就職内定率(2007年4月入社)の調査が行われ、結果が報告された。
  大学生の就職内定率は79.6%であり、2006年4月に就職した大学生の2005年12月時点での内定率と比較して2.2ポイント上回っている。実数でみると、大学卒業予定者53.2万人に対して、就職希望者数は39.1万人、うち内定者が31.1万人である(図表)。
  男女別では、男子が80.9%、女子が78.2%と、まだ男女差があるものの、いずれも前年を2ポイント以上上回っており、高い内定率の水準となっている。また国公立では83.1%、私立は78.6%であり、国公立優位の内定率となっている。
●  3大都市圏と地方との内定率格差が存在
  以前2006年4月に新卒就職した学生の状況を報告したことがある(本欄「今週のトピックス」1239参照)。それによると、就職希望者は38万人であり、最終の就職率は男子で95.5%、前年は93.3%、前々年は93.0%と年々改善している。女子は95.0%(前年は93.8%)で前年より1.2ポイント改善していた。今年の内定率は前年の就職率にはまだ及んでいないが、最終的には、それを上回るものとされている。
  気になるのは、地域によって内定率に差があることである。関東地区は83.1%と最も高い。近畿地区82.7%、中部地区78.4%となっているが、北海道・東北地区73.3%、中国・四国地区72.2%、九州地区73.8%と地域間の格差が目立っている。
●  短大卒も好調
  一方、大卒に比べて苦戦が伝えられている短大卒の内定率もやはり改善している。短大卒業予定者は9.3万人、うち就職希望者は7.3万人であり、内定者が4.0万人である。2月1日現在の内定率は54.2%であり、これも前年を4.2%上回っている。
  内定率は大卒に比べて低いが,最終的な就職率は2006年卒業者では90.8%あり、大卒に比べて見劣りするものの高い水準にはある。
  今年の採用については、企業各社とも引き続き採用予定者数を増やしており、今後も内定率・就職率とも高くなるとの見方もあるが、企業は90年代前半のバブル採用が社内の人員構成にゆがみをきたしていることの反省から、質より量の採用にはならないと思われる。
【卒業までの内定率推移(大学)】
出所:厚生労働省 「平成18年度大学等卒業者就職状況調査(平成18年12月1日現在)」
(可児 俊信 ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所所長、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2007.02.05
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