>  今週のトピックス >  No.1407
大学生の就職内定率
●  大卒の内定率は前年より1.9ポイント上昇
  景気回復に伴い、大学生などの就職内定率も高い水準となっている。2007年2月1日現在での内定率の調査が厚生労働省、文部科学省の共同で行われ、結果が報告された。
  今年の大学生の内定率は87.7%である。昨年は85.8%、一昨年は82.6%と、年々内定率は改善している。実数でみると大学卒業予定者53.2万人に対して、就職希望者数は40.2万人、うち内定者が35.2万人である。昨年は、大学卒業予定者55.5万人に対して、就職希望者数は39.8万人、うち内定者が34.1万人であった。
  男女別では、男子が88.5%(昨年は87.3%)、女子が86.8%(同84.0%)と、まだ男女差はあるものの、女子の内定率の改善が著しい。また国公立では90.3%(同84.3%)、私立は86.9%(同86.2%)であり、国公立学生の内定率が跳ね上がっている。
  以前、「今週のトピックス(1379)」にて、2006年12月1日時点での内定率を報告した。それによると、その時点での内定率は79.6%(男子が80.9%、女子が78.2%)であった。その後の2カ月間で内定率は8.1ポイント高くなった。
  今年の内定率は前年の就職率にはまだ及んでいないが、最終的にそれを上回るものとされている。
  気になるのは、地域によって内定率に差があることである。関東地区は91.9%と最も高い。中部地区88.7%、近畿地区87.6%となっているが、北海道・東北地区83.6%、中国・四国地区80.8%、九州地区82.2%と地域間の格差が目立っている。
●  短大卒も内定率は以前より向上
  一方、大卒に比べて苦戦が伝えられている短大卒の就職状況もやはり改善している。短大卒業予定者は9.3万人、うち就職希望者は7.2万人であり、内定者が5.0万人である。2月1日現在の内定率は、70.6%(昨年は69.0%)であり、これも前年を1.6ポイント上回っている。
  内定率は大卒に比べて低いが、2006年卒業者の最終的な就職率は90.8%であり、大卒に比べて見劣りするものの高い水準にはある。
出所:厚生労働省 「平成18年度大学等卒業者就職状況調査(平成19年2月1日現在)」
(可児 俊信 ベネフィット・ワン ヒューマン・キャピタル研究所所長、千葉商科大学会計大学院教授、
CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2007.03.26
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