>  今週のトピックス >  No.675
国民年金の納付率20代が50%を切る
●  「経済的に困難」が未納理由のトップ
  国民年金保険料の納付率が、平成14年度に62.8%と過去最低を更新したことは「今週のトピックス」665で報じた通りである。(社会保険庁「平成14年度の国民年金の加入・納付状況」)
  納付率は全年齢階級で大幅に落ち込んでいるが、40〜44歳が前年より−10.9%、以下35〜39歳が−10.5%、45〜49歳が−9.5%と、年金の空洞化が進んでいることを物語っている。
  納付率が最も低い20代では、20〜24歳が47.4%、25〜29歳が49.4%で、未納率が初めて5割を突破した。これは、20〜29歳の未加入者のうち、国民は公的年金に加入しなければならないということを知っている割合が57.5%に過ぎないという調査結果とも連動しているようだ。
  未納者の未納理由では、「保険料が高く経済的にも支払うのが困難」が64.5%と最も多い。次いで、「国民年金をあてにしない、あてにできない」が15.0%。「支払う保険料に比べ受け取る年金が少ない」が4.5%と公的年金への不信感が占めている。
納付率(%)=納付月数÷納付対象月数×100
【年齢階級別納付率】
【年齢階級別納付率】
社会保険庁「平成14年の国民年金の加入・納付状況」
●  未加入者でも高い生命保険の加入率
  また、生命保険・個人年金の加入状況をみると、少なくともいずれかに加入している割合は、第1号未加入者でも6割程度と高く、必ずしも「経済的に困難」とはいえないようだ。
  就職難や価値観の相違などから、最近の若者は大学を卒業してもフリーターの道を選ぶ人が増えている。当然、こうしたフリーターや20歳以上の学生は国民年金の対象者となるが、納付率が5割以下という実態は将来に大きな禍根を残すことになりそうだ。
  無年金者の増加による年金の支え手の減少は、収入が少なくてもきちんと払っている若者の不満や不公平感を増幅していくことになる。若い世代の未納者に対してどう納付を呼び掛けるか、国を挙げての課題として取り組んでいく必要がある。
【生命保険・個人年金加入状況】
【生命保険・個人年金加入状況】
【生命保険・個人年金加入状況】
社会保険庁「平成13年公的年金加入状況調査結果の概要」
2003.08.25
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