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受療率が上昇した傷病に注目 平成14年「患者調査」
  医療施設における人口10万人あたりの推計患者数を表す「受療率」が全体的に低下している中、傷病によっては前回より受療率が上がったものがある。今後の医療ニーズを探る上で注目しておきたい。
●  人口の1%が入院、5%が外来受診
  受療率を明らかにすることで、人口に占める外来受診者の割合、入院患者の割合を知ることができる*1。平成14年の受療率は、入院1,139、外来5,083だった。これは、この調査が行われた日*2に、人口の約1.1%が入院し、約5.1%が外来を受診していることを意味している。
●  受療率は全体として低下
  受療率は全体として低下傾向にあることは、本稿No.756*3ですでに触れた。健康保険や老人保健の改定が影響しているとする見方があるが、そのような状況においても反対に、受療率が上昇している傷病がある。
  これらの傷病については今後、関心が高まる可能性がある。医療保障設計においては注目しておきたい。
○  入院
  • その他の悪性新生物
    (胃、腸、気管、肺を除く部位の悪性新生物)
  • その他の精神および行動の障害
    (精神分裂、気分障害、神経症性障害・ストレス関連障害などを除くもの)
  • 神経系の疾患
  • 脳梗塞など脳血管疾患
  • 肺炎
  • 糸球体疾患(腎疾患の一種)・腎尿細管間質性疾患及び腎不全
など
○  外来
  • 感染症および寄生虫症
  • その他の悪性新生物
    (胃、腸、気管、肺を除く部位の悪性新生物)
  • 内分泌・栄養および代謝疾患
  • 精神および行動の障害
  • 神経系の疾患
  • 急性気管支炎および急性細気管支炎
  • 歯肉炎および歯周疾患
  • 尿路性器系の疾患
など
*1受療率の算出法:受療率(人口10万対)=推計患者数/推計人口×100,000
*2調査日:平成14年10月8日〜10日(火〜木)の3日間のうち医療施設ごとに指定した1日。
2004.01.26
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