>  今週のトピックス >  No.793
1年を経過した「資本金1円会社」設立の現況
●  「資本金1円会社」は設立件数全体の4%強
  平成15年2月1日より「最低資本金規制の特例」が施行され、「1円の資本金で会社が設立できる…」と話題になったが、このほど経済産業省の関東経済産業局のホームページに「最低資本金特例申請と成立届の件数」が公表された。
  施行から1年を超えた3月5日現在、全国で412件の成立届があった。これは全体の成立届9,676件の約4%で、1年間で100社のうち4社が資本金1円会社で設立されたことになる。
( )内は1円会社の件数
 
確認申請書
成立届書
株式会社
有限会社
合計
株式会社
有限会社
合計
北海道
172(2)
425(20)
597(22)
148(2)
348(16)
496(18)
東北
143(4)
327(10)
470(14)
112(3)
254(12)
366(15)
関東
3,132(93)
3,944(219)
7,076(312)
2,355(66)
2,982(165)
5,337(231)
中部
341(13)
552(22)
893(35)
274(8)
441(14)
715(22)
近畿
914(33)
1,172(71)
2,086(104)
703(22)
883(57)
1,586(79)
中国
136(4)
309(11)
445(15)
94(2)
231(8)
325(10)
四国
40(3)
114(8)
154(11)
35(3)
94(7)
129(10)
九州
270(6)
596(29)
866(35)
207(6)
465(21)
672(27)
沖縄
12(0)
50(0)
62(0)
11(0)
39(0)
50(0)
全国計
5,160(158)
7,489(390)
12,649(548)
3,939(112)
5,737(300)
9,676(412)
参考:「経済産業省 関東経済産業局ホームページ(3月5日現在)」
  「最低資本金規制の特例」は、強い意欲やアイディアはあるが当初の開業資金に乏しく、開業・起業が困難な人(事業を営んでいない個人の具体例としては、給与所得者、専業主婦、学生、失業者、年金生活者など)を後押しするものである。
  つまり、個人事業主、法人の代表権のある役員は、特例から除外されるので、あくまでも事業を営んでいない個人が新しく創業者となる場合を対象とした特例である。
  なお、「資本金1円会社」といっても、設立手続きには、株式会社(「確認株式会社」)の場合、定款に貼付する印紙、公証人の定款認証料、登録免許税など、約30万円、有限会社(「確認有限会社」)の場合は約20万円の費用が必要である。
  また、「資本金1円会社」は、設立日から5年経つまでに、最低資本金(株式会社1,000万円、有限会社300万円)に達するまで増資を行えなかった場合、合名会社などへの組織変更か、解散しなければならないことになっている。
●  高年齢者等共同就業機会創出助成金
  「最低資本金規制の特例」と関連するものに、「高年齢者等共同就業機会創出助成金」がある。この助成金は、45歳以上の高年齢者などが3人以上共同で事業を開始し、社員を雇い入れたときにもらえる給付金で、法人の設立登記日以降6カ月以内に支払った費用(経営コンサルタントなどの相談費用・教育訓練費および、設備・運営費など)の合計の3分の2(最高500万円)まで受給できる。
  ただし、支給申請日において、45歳以上の高年齢者などを雇用保険被保険者(パート・アルバイトを除く)として1人以上雇い入れていることや、法人の設立登記日の日以降6カ月以上事業を営んでいることなどの受給要件がある。
  従って、3人以上の45歳以上の高年齢者が、失業により雇用保険を受給している最中に「資本金1円会社」を設立し、設立にかかった費用の3分の2(最高500万円限度)を設立から6カ月以降に申請することにより、助成金を受給することも可能といえる。
(問合せ先:各都道府県の「高年齢者雇用開発協会」)
参考:従来の会社と資本金1円会社の比較「今週のトピックス584
2004.03.22
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