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2004年度新入社員意識調査
●  地に足がついた仕事観
  本トピックスNo.816で、(財)社会経済生産性本部発表の、新入社員の仕事に対する意識調査「若者意識アンケート・04」の結果報告があったが、ページの都合上、紹介できなかった調査結果を追加報告する。
  まず、仕事とプライベートの優先順位に関する「学校時代の友人と先約がある夜に、職場の人との飲み会が入ったらどうするか」という質問に対し、職場の飲み会を優先する回答が64.2%、友人の飲み会を優先するが35.8%である。職場の飲み会を優先し、有益な情報を得ようとする回答が増える傾向にある。
  転職意識に関しては、「なじめない仕事をがまんするのは無意味だ」が1997年の43.4%から2004年には32.6%と、低下傾向にあり、"若者の転職"志向は落ち着いてきているのかもしれない。
  新入社員の気質は、バブル期入社組と就職氷河期組では大きく異なり、仕事に対するスタンスは、より地に足がついたものとなっている。おそらく大学や高校での就職対策が進んだこと、また大学において社会人出身者の講師による講義も増えたことが理由ではないだろうか。
【図表1 職場の飲み会と友人との飲み会の優先度】
【図表1 職場の飲み会と友人との飲み会の優先度】
出典「(財)社会経済生産性本部 若者意識アンケート・04」
●  合理的な発想が垣間見える若者
  次に、社内のミーティングで先輩と意見が対立した場合の対応については、「先輩の顔を立てて黙っている」が34.1%、「自分の意見を言う」が65.9%であり、1997年の調査開始以来同様な回答割合である。残業に関しての問いには、「残業が多いが自分の力がつく仕事」が35.8%、「残業が少なく趣味などに時間を使える仕事」が64.2%となっている。このように個人中心と思われる回答がある一方、担当したい仕事については、「チームを組んで成果を分かち合える仕事」が77.3%、「自分の努力で成果が出る仕事」が22.7%と、チームワークの大切さや良さも分かっているようだ。
  仕事の中で、マニュアルに書かれていないことが起きた場合の対応については、「できるだけ自分で工夫する」が1997年から比べて約5%下がり、30.1%である。逆に「すぐに先輩や上司に聞く」とするのが、65.1%から69.9%へと増加している。これは指示待ち人間の増加という解釈もできるが、自分で工夫して良くない結果を招くより、経験者に尋ねてより良い結果を得ようという合理的な考え方の表れともいえ、こうした考えをする若者の割合が増えていることを知っておきたい。
【図表2 マニュアルにないことが発生した場合の対応】
【図表2 マニュアルにないことが発生した場合の対応】
出典「(財)社会経済生産性本部 若者意識アンケート・04」
(可児 俊信、(株)ベネフィット・ワン主席コンサルタント、CFP®、米国税理士、DCアドバイザー)
2004.05.31
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