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平成24(2012)年度税制改正速報!
マネーコンシェルジュ税理士法人
代表税理士 今村 仁

はじめに
  民主党政権になって3回目の税制改正大綱となりますが、発表が予定日の翌日未明となるなど、昨年同様最後までもつれにもつれた作成過程となりました。
  しかしその割には、消費税増税を含む「社会保障と税の一体改革」に配慮したためか、どちらかというと小粒な改正にとどまりました。
  とはいえ、昨年の税制改正の積み残しでもある「給与所得控除の上限設定」や「退職所得課税の見直し」など重要な改正項目もあります。
  さらには、所有期間10年超の事業用資産から事業用資産への買換えについて、約8割の課税繰延べが受けられるいわゆる「9号買換え(個人、法人)」について、買換え資産「300u以上」かつ「事務所等の一定の建築物等の敷地の用に供されているもの」という条件が付け加わりました。
  詳細が不明な部分がありますが、個人資産家や中小企業の資産税対策としては、改正後はほとんど活用できなくなるかもしれませんので留意が必要です。そういう点から見ると、隠れた大改正といえるでしょう。
  大綱には他にも、今までになかった新しい制度として、「山林に係る相続税の納税猶予制度」や「国外財産調書制度」、「過大支払利子税制」なども掲載されています。
今回の内容は、国会を通過するまでは正式な確定事項ではありません。今後の国会審議動向などにより、内容が変更することがありますのでご了承ください。
[編集部注]  原稿中に出てくる「平成24年度税師改正大綱」資料は、内閣府が平成23年12月26日に発表した一部改正版に基づいています。
原稿執筆:平成23年12月23日
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