>  平成24(2012)年度税制改正速報! >  第3章 法人課税
第3章 法人課税
4 復興支援措置
1.原子力災害からの復興支援
  東日本大震災による原子力災害からの復興を推進するため、福島復興再生特別措置法(仮称)の制定を前提に、次の措置を講じます(所得税についても同様とします)。
(1)福島県全域に係る措置
  福島復興再生特別措置法(仮称)の規定により福島県の全ての地方公共団体が東日本大震災復興特別区域法の課税の特例を含む復興推進計画を作成することができる特定地方公共団体の対象となることに伴い、特定地方公共団体が作成した認定復興推進計画に基づき適用することができる次の東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律における措置について、福島県の地方公共団体が作成した認定復興推進計画も同様に、これに基づき適用することができることとします。この場合における次の@の措置については、平成28年3月31日まで即時償却ができることとします。
   復興産業集積区域において機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度
   復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の税額控除制度
   復興産業集積区域において開発研究用資産を取得した場合の特別償却制度等
   再投資等準備金制度
   再投資設備等を取得した場合の特別償却制度
(2)避難解除区域に係る措置
  @避難解除区域において機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度の創設
  福島復興再生特別措置法(仮称)の規定により被災事業者である旨の福島県の確認を受けた事業者が、避難対象区域の設定の解除の日から同日以後5年を経過する日までの間に、機械装置、建物等及び構築物の取得等をして、これをその避難対象区域の設定を解除された区域内において事業の用に供した場合には、その減価償却資産の取得価額から普通償却限度額を控除した金額(建物等及び構築物については、それぞれその取得価額の25%)の特別償却とその取得価額の15%(建物等及び構築物については、8%)の税額控除との選択適用ができることとします。ただし、この制度における控除税額の上限は当期の法人税額の20%とし、控除限度超過額は4年間の繰越しができることとします。
   (注1)  被災事業者とは、平成23年3月11日において避難対象区域内に事業所を有していた事業者をいいます。
   (注2)  避難対象区域とは、緊急時避難準備区域、警戒区域及び計画的避難区域として設定された区域をいいます。
   (注3)  福島復興再生特別措置法(仮称)の施行の日前に避難対象区域の設定を解除された地域については、福島復興再生特別措置法(仮称)の施行の日から同日以後5年を経過する日までの間の措置とします。
   (注4)  建物等には、社宅等の用に供するものを含みます。
  A避難解除区域において被災雇用者等を雇用した場合の税額控除制度の創設
  事業者が、避難対象区域の設定の解除の日から同日以後3年を経過する日までの間に福島復興再生特別措置法(仮称)の規定により被災事業者である旨の福島県の確認を受けた場合において、その確認を受けた日と避難対象区域の設定の解除の日とのいずれか遅い日から同日以後5年を経過する日までの期間(以下「適用期間」)内の日を含む各事業年度の適用期間内において、その避難対象区域の設定を解除された区域内に所在する事業所に勤務する被災雇用者等に対して給与等を支給する場合には、その支給する給与等の額のうちその各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入されるものの20%の税額控除ができることとします。ただし、この制度における控除税額の上限は、当期の法人税額の20%とします。
  なお、上記@の制度、雇用者の数が増加した場合の税額控除制度又は復興産業集積区域において被災雇用者等を雇用した場合の税額控除制度の適用を受ける事業年度においては、この制度は適用できません。
(注1)  被災雇用者等とは、次の者をいいます。
平成23年3月11日時点において避難対象区域内の事業所に勤務していた者
平成23年3月11日時点において避難対象区域内に居住していた者
  これらの取り扱いは、原則、法人住民税及び法人事業税においても同様とします。
2.二重ローン対策
   貸倒引当金制度について、その適用を受けることができる法人に、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構を追加します。
   東日本大震災により被害を受けた法人が、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構又は産業復興機構からその法人に対する債権につき債務の免除を受けた場合には、期限切れ欠損金の損金算入をできることとします。
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