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一.個人所得課税
1.金融・証券税制
■ ジュニアNISAの創設
  ジュニアNISAを創設し、0歳から19歳の未成年者専用のNISA口座の開設を可能とする(年間投資上限額:80万円)。
  未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置を次のように創設する。
@ 非課税措置の概要
イ   居住者等が、未成年者口座に設けた次に掲げる勘定の区分に応じそれぞれ次に定める期間内に支払を受けるべきその勘定において管理されている上場株式等の配当等(その未成年者口座において支払を受けるものに限る)及びその期間内に譲渡したその上場株式等の譲渡所得等については、所得税を課さない。
(イ) 非課税管理勘定
その非課税管理勘定を設けた日から同日の属する年の1月1日以後5年を経過する日までの期間
(ロ) 継続管理勘定
その継続管理勘定を設けた日からその未成年者口座を開設した者がその年1月1日において20歳である年の前年12月31日までの期間
ロ   非課税管理勘定は、平成28年から平成35年までの各年(その未成年者口座を開設している者が、その年1月1日において20歳未満である年及び出生した日の属する年に限る)に設けることができることとし、毎年80万円を上限に、新たに取得した上場株式等及び同一の未成年者口座の他の非課税管理勘定から移管される上場株式等を受け入れることができる。
ハ   継続管理勘定は、平成36年から平成40年までの各年(その未成年者口座を開設している者がその年1月1日において20歳未満である年に限る)に設けることができることとし、毎年80万円を上限に、同一の未成年者口座の非課税管理勘定から移管される上場株式等を受け入れることができる。
(注) 上記ロ及びハの80万円の上限は、新たに取得した上場株式等についてはその取得対価の額により、他の非課税管理勘定から移管がされる上場株式等についてはその移管の時の価額(時価)により判定する。
A 未成年者口座
イ   未成年者口座とは、居住者等(その年1月1日において20歳未満である者及びその年に出生した者に限る)が、本特例の適用を受けるため、金融商品取引業者等の営業所の長に対し、その者の氏名、住所及び個人番号等を記載した未成年者口座開設届出書に未成年者非課税適用確認書を添付して提出することにより平成28年から平成35年までの間に開設した口座(1人につき1口座に限る)をいう。
ロ   未成年者口座で管理されている上場株式等につき支払を受ける配当等及びその上場株式等を譲渡した場合におけるその譲渡代金等については、課税未成年者口座において管理されなければならない。
ハ   未成年者口座を開設した居住者等は、その未成年者口座を開設した日から居住者等がその年3月31日において18歳である年(以下「基準年」という)の前年12月31日までの間は、その未成年者口座内の上場株式等を課税未成年者口座以外の口座に払い出すことはできない。ただし、その居住者等が、その居住する家屋が災害により全壊したことその他これに類する事由(その事由が生じたことにつき税務署長の確認を受けた場合に限る、以下「災害等の事由」という)に基因してその未成年者口座及び課税未成年者口座内の上場株式等及び金銭の全てを払い出す場合は、この限りでない。
B 課税未成年者口座
イ   課税未成年者口座とは、居住者等が未成年者口座を開設している金融商品取引業者等の営業所(その金融商品取引業者等の関連会社の営業所を含む)に開設した特定口座、預貯金口座又は預り金の管理口座をいう。
ロ   課税未成年者口座内の上場株式等及び預貯金等は、その課税未成年者口座を開設した居住者等の基準年の前年12月31日までは、その資金を未成年者口座における投資に用いる場合を除き、その課税未成年者口座から払い出すことはできない。ただし、その居住者等の災害等の事由に基因してその課税未成年者口座及び未成年者口座内の上場株式等及び金銭の全てを払い出す場合は、この限りでない。
C 払出制限について要件違反があった場合の取扱い
イ   未成年者口座及び課税未成年者口座を開設した居住者等が、基準年の前年12月31日までに、これらの口座内の上場株式等及び預貯金等をこれらの口座から払出しをした場合には、その払出しがあった日において上場株式等の譲渡又は配当等の支払があったものとして、次の金額に対して15%(他に地方税5%)の税率により源泉徴収を行う。
(イ) 次に掲げる金額の合計額から、その未成年者口座を開設した日からその払出しがあった日までの間にその未成年者口座において取得した上場株式等の取得対価の額等の合計額を控除した金額
a  その未成年者口座を開設した日からその払出しがあった日までの間に、その未成年者口座において行われた上場株式等の譲渡に係る譲渡対価の額及びその未成年者口座から課税未成年者口座に移管がされたその移管の時における上場株式等の価額(時価)の合計額
b  その払出しがあった日においてその未成年者口座において有する上場株式等の価額(時価)の合計額
(ロ) その未成年者口座を開設した日からその払出しがあった日までの間にその未成年者口座において支払を受けた上場株式等の配当等の額の合計額
(注) 上記(イ)の譲渡所得の金額の計算上損失が生じた場合には、その生じた損失の金額はなかったものとみなす。また、上記(ロ)の配当所得の金額から控除することもできない。
ロ   上記イにより源泉徴収された上場株式等に係る譲渡所得等の金額は、確定申告不要制度を適用できる。
D 年間取引報告書の税務署長への提出
  金融商品取引業者等は、未成年者口座においてその年中に生じた上場株式等の配当所得の金額及び譲渡所得等の金額その他の事項について報告書を作成し、これを翌年1月31日までに、税務署長に提出しなければならない。
E 非課税口座(NISA口座)への移管等
イ   その年1月1日において20歳である居住者等が同日に未成年者口座を開設している場合には、同日以後は、その未成年者口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所にその居住者等の非課税口座が開設されたものとみなすこととする。
ロ   金融商品取引業者等の営業所に開設されている未成年者口座の非課税管理勘定又は継続管理勘定において管理されていた上場株式等は、同一の金融商品取引業者等の営業所に開設されている非課税口座に移管できることとする。
(注) 上記の制度は、平成28年1月1日以後に未成年者口座の開設の申込みがされ、同年4月1日からその未成年者口座に受け入れる上場株式等について適用する。ただし、これらの日が、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律附則第1条第4号に定める日前となる場合には、同日からとする。
金融庁HP「平成27年度税制改正について−税制改正大綱における金融庁関係の主要項目−」より
http://www.fsa.go.jp/news/26/sonota/20150114-1/01.pdf
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