12月開始、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則
2020.12.14
自然災害の影響により、たとえ命が助かっても住む家や働く場所を失ったうえ、それらの住宅ローンや事業性ローンなどの借金が残ってしまう被災者も少なくありません。もし既存のローンが返済できなくなった場合、債務を整理するためには破産手続および再生手続の2つの法的手続がありますが、法的手続により債務整理を行った場合には、その事実が個人信用情報として登録され、新たな借入が受けられないといった問題が生じることがあります。
そこで、法的手続によらずに、債権者(主として金融機関等)と債務者の合意にもとづき債務整理を行う際の準則として「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」が2015年12月に取りまとめられ、2016年4月から適用が開始されました。
「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を利用できるのは、2015年9月2日以降に災害救助法の適用を受けた自然災害の影響によって、住宅ローンや事業性ローン等の既往債務を弁済できなくなり破産手続等の法的倒産手続の要件に該当することになった個人の債務者(個人事業主を含む)ですが、2020年10月30日に新型コロナウイルス感染症がガイドラインの適用対象として追加され、『「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則』および同特則Q&Aが制定され、2020年12月1日から適用が開始されました。
そこで、法的手続によらずに、債権者(主として金融機関等)と債務者の合意にもとづき債務整理を行う際の準則として「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」が2015年12月に取りまとめられ、2016年4月から適用が開始されました。
「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を利用できるのは、2015年9月2日以降に災害救助法の適用を受けた自然災害の影響によって、住宅ローンや事業性ローン等の既往債務を弁済できなくなり破産手続等の法的倒産手続の要件に該当することになった個人の債務者(個人事業主を含む)ですが、2020年10月30日に新型コロナウイルス感染症がガイドラインの適用対象として追加され、『「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を新型コロナウイルス感染症に適用する場合の特則』および同特則Q&Aが制定され、2020年12月1日から適用が開始されました。
適用要件等
■対象となり得る債務者
・
新型コロナウイルス感染症の影響により収入や売上げ等が減少したことによって、住宅ローン、住宅のリフォームローンや事業性ローンその他の対象債務を弁済することができない、または近い将来において弁済することができないことが確実と見込まれること
・
債務者が事業の再建・継続を図ろうとする事業者の場合は、その事業に事業価値があり、対象債権者の支援により再建の可能性があること など
■対象となり得る債権者
・
金融機関等(銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、農業協同組合、漁業協同組合、政府系金融機関、貸金業者、リース会社、クレジット会社および債権回収会社ならびに信用保証協会、農業信用基金協会等およびその他の保証会社)
■対象債務
・
2020年2月1日以前に負担していた既往債務
・
2020年2月2日以降、特則制定日(2020年10月30日)までに新型コロナウイルス感染症の影響による収入や売上げ等の減少に対応することを主な目的として以下のような貸付け等を受けたことに起因する債務
①
政府系金融機関の新型コロナウイルス感染症特別貸付
②
民間金融機関における実質無利子・無担保融資
③
民間金融機関における個人向け貸付け
債務の免除等には、一定の要件(債務者の財産や新型コロナウイルス感染症影響前後の収入状況、信用、債務総額、返済期間、利率といった支払条件、家計の状況等を総合的に考慮して判断)を満たすことやローンの借入先の同意が必要となります。また、簡易裁判所の特定調停手続を利用することが必要となります。
なお、債務整理したことは、個人信用情報として登録されないため、新たな借入れに影響が及びません。
なお、債務整理したことは、個人信用情報として登録されないため、新たな借入れに影響が及びません。