がん治療と仕事の両立支援を行うメリット
2025.07.31
今ではがんも、早期発見することができれば克服できる病気になっています。
一方でがん治療をしながら仕事をすることを考えた場合、いまだ多くの課題があることも事実です。結果として、がん治療と仕事の両立に悩み退職してしまう人が後を絶ちません。
こうした状況の中、がん治療と仕事の両立支援を行うことは非常に重要であり、企業と従業員さん双方に大きなメリットをもたらします。
まずは企業にとってのメリットからお話をします。
一番大きなメリットは、がんに罹患した従業員さんの退職を防ぐことができるということです。
従業員さんががんに罹患し退職してしまうと、長年の勤務経験によって培われてきた貴重な経験則やノウハウが失われてしまうことになります。少子高齢化が進み限られた人材を有効活用し生産性の向上を目指している企業において、退職による人材の喪失は何よりも大きな経営課題となっています。
「がん治療と仕事の両立支援」を行い、従業員さんが安心して治療を行うことができる環境を準備することができれば、従業員さんのがん罹患による退職を防ぐことができるようになります。
また、「がん治療と仕事の両立支援」を行うことにより従業員さんは安心して仕事ができ、結果として優秀な人材の定着を図ることができるようになります。
さらに、がんに対する従業員さんの意識を高められることから、家族を含めたがん検診や精密検査の受診率向上やがん以外の病気やけがによる両立支援にも柔軟に対応できる企業風土が醸成できます。
「がん治療と仕事の両立支援」を行うことは、健康経営への意識の高まりという観点からも非常に重要であり、人材採用時に他社との差別化を明確にすることができます。
このようにがん治療と仕事の両立支援を行うことは、企業側に大きなメリットをもたらすことになります。
ここからは、従業員さんのメリットについてお話をします。
がんに罹患した従業員さんは、4つの不安を抱えています。
1つ目の不安は、収入の減少や治療費に関する「お金の不安」です。2つ目の不安は、治療方法や治療中の体調に応じた「働き方の不安」です。3つ目の不安は、がんという病気や治療方法や副作用等に対する「職場の理解不足の不安」です。4つ目の不安は、相談相手が見つからず孤立してしまう「相談先の不安」です。
こうした従業員さんが抱えている不安を解消してあげることが、従業員さんにとってのメリットになります。
東京都保険医療局のサイト(*)によると、がん患者さんは「お金の不安」について、以下のように感じています。
●治療費が高い、治療費がいつ頃、いくらかかるか見通しが立たない。
●働き方を変えたり休職することで収入が減少する。
「働き方の不安」については、以下のように感じています。
●体調や治療の状況に応じた柔軟な勤務(勤務時間や勤務日数)ができない。
●治療をしながら仕事をすることで人事評価が下がる。
●治療の後遺症や副作用等の影響で通勤することが困難
●有給休暇等が不足して仕事を継続することが困難
「職場の理解不足の不安」については、以下のように感じています。
●治療・経過観察・通院目的の休暇・休業が取りづらい。
●病気や治療のことを職場に言いづらい雰囲気がある。
●治療をしながら仕事をすることについて職場の理解がない・乏しい。
「相談先の不安」については、以下のように感じています。
●職場内にがん治療と仕事の両立の仕方や公的医療保険制度について詳しい相談相手がいない。
●治療と仕事の両立について誰(どこ)に相談すればよいか分からない。
*東京都保険医療局「がんになった従業員の治療と仕事の両立支援サポートブック」
また患者さんにとって、働くことは生きがいでもあります。
生活のため、治療費のためだけに働くのではなく、仕事にやりがいを感じ安心して働き続けることができる環境があれば、従業員さんの会社に対する満足度は向上します。
さらにがんだけではなく、他の疾患や障害等においても両立支援を行うことが奨励される企業風土が醸成されることとなり、結果として優秀な人材の定着を図ることや、生産性の向上を図ることができるようになります。
健康経営やダイバーシティ・マネジメントの観点からも、「がん治療と仕事の両立支援」を行うことは非常に重要です。
今回は「がん治療と仕事の両立支援」を行うメリットについてお話をさせていただきました。
一方でがん治療をしながら仕事をすることを考えた場合、いまだ多くの課題があることも事実です。結果として、がん治療と仕事の両立に悩み退職してしまう人が後を絶ちません。
こうした状況の中、がん治療と仕事の両立支援を行うことは非常に重要であり、企業と従業員さん双方に大きなメリットをもたらします。
まずは企業にとってのメリットからお話をします。
一番大きなメリットは、がんに罹患した従業員さんの退職を防ぐことができるということです。
従業員さんががんに罹患し退職してしまうと、長年の勤務経験によって培われてきた貴重な経験則やノウハウが失われてしまうことになります。少子高齢化が進み限られた人材を有効活用し生産性の向上を目指している企業において、退職による人材の喪失は何よりも大きな経営課題となっています。
「がん治療と仕事の両立支援」を行い、従業員さんが安心して治療を行うことができる環境を準備することができれば、従業員さんのがん罹患による退職を防ぐことができるようになります。
また、「がん治療と仕事の両立支援」を行うことにより従業員さんは安心して仕事ができ、結果として優秀な人材の定着を図ることができるようになります。
さらに、がんに対する従業員さんの意識を高められることから、家族を含めたがん検診や精密検査の受診率向上やがん以外の病気やけがによる両立支援にも柔軟に対応できる企業風土が醸成できます。
「がん治療と仕事の両立支援」を行うことは、健康経営への意識の高まりという観点からも非常に重要であり、人材採用時に他社との差別化を明確にすることができます。
このようにがん治療と仕事の両立支援を行うことは、企業側に大きなメリットをもたらすことになります。
ここからは、従業員さんのメリットについてお話をします。
がんに罹患した従業員さんは、4つの不安を抱えています。
1つ目の不安は、収入の減少や治療費に関する「お金の不安」です。2つ目の不安は、治療方法や治療中の体調に応じた「働き方の不安」です。3つ目の不安は、がんという病気や治療方法や副作用等に対する「職場の理解不足の不安」です。4つ目の不安は、相談相手が見つからず孤立してしまう「相談先の不安」です。
こうした従業員さんが抱えている不安を解消してあげることが、従業員さんにとってのメリットになります。
東京都保険医療局のサイト(*)によると、がん患者さんは「お金の不安」について、以下のように感じています。
●治療費が高い、治療費がいつ頃、いくらかかるか見通しが立たない。
●働き方を変えたり休職することで収入が減少する。
「働き方の不安」については、以下のように感じています。
●体調や治療の状況に応じた柔軟な勤務(勤務時間や勤務日数)ができない。
●治療をしながら仕事をすることで人事評価が下がる。
●治療の後遺症や副作用等の影響で通勤することが困難
●有給休暇等が不足して仕事を継続することが困難
「職場の理解不足の不安」については、以下のように感じています。
●治療・経過観察・通院目的の休暇・休業が取りづらい。
●病気や治療のことを職場に言いづらい雰囲気がある。
●治療をしながら仕事をすることについて職場の理解がない・乏しい。
「相談先の不安」については、以下のように感じています。
●職場内にがん治療と仕事の両立の仕方や公的医療保険制度について詳しい相談相手がいない。
●治療と仕事の両立について誰(どこ)に相談すればよいか分からない。
*東京都保険医療局「がんになった従業員の治療と仕事の両立支援サポートブック」
また患者さんにとって、働くことは生きがいでもあります。
生活のため、治療費のためだけに働くのではなく、仕事にやりがいを感じ安心して働き続けることができる環境があれば、従業員さんの会社に対する満足度は向上します。
さらにがんだけではなく、他の疾患や障害等においても両立支援を行うことが奨励される企業風土が醸成されることとなり、結果として優秀な人材の定着を図ることや、生産性の向上を図ることができるようになります。
健康経営やダイバーシティ・マネジメントの観点からも、「がん治療と仕事の両立支援」を行うことは非常に重要です。
今回は「がん治療と仕事の両立支援」を行うメリットについてお話をさせていただきました。

高橋 義人(たかはし・よしひと)
株式会社M&Fパートナーズ 代表取締役
一般社団法人 健康事業支援機構 医療コーディネーター
ユニバーサルライフ株式会社 執行役員 東京第2支社長
1988年明治大学卒業後、外資系大手生命保険会社に23年間勤務。静岡・埼玉・大阪にて支社長を務め、2011年に独立。
その後、「がん治療とお金」のコンサルティング会社を設立し、現在に至る。
医療コーディネーターとしてがん患者と向き合い、患者目線に立った治療に関する情報提供・病院紹介・治療紹介・病院へのアテンド等の患者支援活動の傍ら、セミナー講師としてがん患者の目線に立ったがんに関する様々な講演を、日本全国で毎年150回以上行っている。
ホームページ https://mfpartners.co.jp
一般社団法人 健康事業支援機構 医療コーディネーター
ユニバーサルライフ株式会社 執行役員 東京第2支社長
1988年明治大学卒業後、外資系大手生命保険会社に23年間勤務。静岡・埼玉・大阪にて支社長を務め、2011年に独立。
その後、「がん治療とお金」のコンサルティング会社を設立し、現在に至る。
医療コーディネーターとしてがん患者と向き合い、患者目線に立った治療に関する情報提供・病院紹介・治療紹介・病院へのアテンド等の患者支援活動の傍ら、セミナー講師としてがん患者の目線に立ったがんに関する様々な講演を、日本全国で毎年150回以上行っている。
ホームページ https://mfpartners.co.jp