青少年のインターネット平均利用時間は1日約5時間

栗原 賢二
2025.07.24

 今や、生活の隅々にまで浸透したインターネットは便利な一方、成長段階の子供に使わせるには不安な面もあります。とはいえ、完全にオフラインで暮らすことは難しいため、親子で話し合ったりルールを決めたりする必要があります。今回は、小学校高学年~高校生までの子供を持つ家庭を対象とした、インターネット利用に関するデータを紹介します。
青少年の98.2%がインターネットを利用
 こども家庭庁が公表した「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、青少年(満10歳~満17歳と定義)の98.2%が、インターネットを利用していると回答しています。

 利用している機器はスマホ、GIGA端末(学校から配布・指定されたパソコンやタブレット等)、インターネット対応のゲーム機、テレビ、自宅用パソコンやタブレット等、多岐にわたります。スマホは親や兄弟姉妹と共用しているケースもありますが、専用率は小学生(10歳以上)が72.0%、中学生が95.3%、高校生が99.1%と、成長とともに割合が高くなります。

 青少年のインターネット利用内容と割合は、「動画を見る(93.1%)」、「ゲームをする(84.9%)」、「検索をする(83.9%)」、「勉強をする(75.9%)」、「音楽を聴く(75.6%)」、「投稿やメッセージ交換をする(73.6%)」、「ニュースをみる(51.9%)」、「地図を使う(49.9%)」、「撮影や制作、記録をする(38.4%)」、「マンガを読む(28.5%)」、「買い物をする(19.6%)」、「読書をする(15.0%)」、「その他(12.2%)」となっています。

 勉強を仕事と置き換えれば、利用内容は大人とほぼ変わらない印象ですが、ゲームや買い物で多額のお金を使ってしまう可能性があるため注意が必要です。
家庭のルールに対する意識は保護者と子供で乖離
 青少年のインターネット平均利用時間は平日1日あたり約5時間2分で、年々長くなっています。目的別の利用時間は「趣味・娯楽」が最も長く、約3時間1分でした。

 生活のあらゆる場面にインターネットが浸透した現在、趣味・娯楽目的に費やす3時間が「長すぎる」とも言い切れません。ただし、「深夜までスマホを手放せず健康を害する」「SNSでトラブルに巻き込まれる」などの事態は、親として防ぎたいところです。

 調査でも、スマホを利用する青少年の保護者のうち、84.6%が、「フィルタリング」「対象年齢に合ったサービスやアプリを使わせている」「利用してもよい時間や場所を決めている」などの方法で、子供の利用を管理していることが示されています。

 インターネット利用に関する家庭のルールを決めていると回答した保護者は77.8%でしたが、同じ回答をした青少年は67.5%と、およそ10%の乖離があるのは気になるデータです。この乖離は子供が中学生、高校生と成長するにつれ広がる傾向にあります。

 犯罪や金銭トラブルの間口は、インターネットの普及で広がったと考えられています。自立過程にある子供は親への反発もあり、コミュニケーションそのものが難しいという家庭も少なくありません。それでも、異変のサインに気づくことが被害を防ぐポイントとなります。忙しい日々でも、できるだけ子供の様子を見守りたいものです。
出典:
(セールス手帖社 栗原賢二)

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