相続税がかかる割合は亡くなられた方の約10%

今村 京子
2025.07.31

相続税について
 相続税は、亡くなられた親などから、お金や土地などの財産を相続した場合に、その受け取った財産にかかる。

 相続した財産の一部を国に納めて、広く社会のために使うことになるので、相続税には、資産を再分配する機能がある。また、相続した財産が高額なほど相続税額の負担は重くなるので、富裕家庭と貧困家庭の貧富の差を縮小させ、経済格差の固定化を防止する機能もある。

 相続税は、財産を相続した場合に必ずかかるわけではなく、具体的には、相続した財産の額から、借金や葬式費用を差し引くなどした後の額が、基礎控除額を上回るときに、原則として相続税がかかることになる。

 なお、基礎控除額は、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」の算式で計算するので、例えば法定相続人が3人の場合なら、「3,000万円+(600万円×3人)=4,800万円」となる。

 また、一般に財産額の多くを占める自宅などの不動産の評価について、土地は「路線価図」や「評価倍率表」により評価し、家屋は、固定資産税評価額により評価する。これらは、国税庁ホームページ「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で確認することができる。今年も7月1日に国税庁が公表しており、令和7年1月1日から12月31日までの間に相続や贈与等により取得した財産に係る相続税及び贈与税の財産を評価する場合にこれを適用する。
基礎控除額の引き下げによる影響
 基礎控除額は、バブル期の土地の価格の上昇に伴い引き上げられてきたが、その後の土地の価格の下落に伴う見直しは行われてこなかった。また、税率も少しずつ引き下げられてきた。そのため、相続税がかかるのは、亡くなられた方の4%程度(平成15年~26年)に過ぎず、資産の再分配を図る力が弱くなっているとの指摘があった。

 このため、「社会保障と税の一体改革」の一環として、相続税が持つ再分配の機能を回復するため、平成25年度税制改正では、相続税がかかる範囲を広げるとともに税率の見直しが行われた。

 こうしたことなどにより、実際に相続税がかかる割合は、亡くなられた方の9.9%(令和5年)にまで増えてきている。

 先述の路線価が大都市圏を中心に上昇傾向にあり、相続税がかかる方の割合は今後さらに増加すると思われる。
参照:
今村 京子(いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士

三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。
平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。
年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で娘2人。趣味は英語学習とガーデニング。

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