順調に伸びるキャッシュレス決済比率

高橋 浩史
2022.08.25

 海外にくらべ、決済比率が低いと言われる日本のキャッシュレス決済事情。しかし、日本でもスマートフォンを利用したコード決済の普及が進んできました。コロナ禍による非接触への意識の高まりもあり、キャッシュレス決済は身近なものになりつつあります。
キャッシュレス決済比率は3割を超える
 一般社団法人キャッシュレス推進協議会の「キャッシュレス・ロードマップ2022」によると、2021年の日本のキャッシュレス決済比率は32.5%で、2020年の29.7%に比べると、1年で2.8ポイント上昇しました。10年前の2012年は15.1%でしたから、この間にキャッシュレス決済比率は大きく伸びていることが分かります。

 決済手段別に「キャッシュレス全体額に占める割合」を見てみると、クレジットカードが85.3%と突出しており、次いで電子マネー6.3%、コード決済5.6%と続きます。

 ただし、この割合は支払金額から算出されているため、比較的利用単価が高い傾向にあるクレジットカードの割合が高くなると、先の調査では分析しています。
低い単価ではクレジットカード決済比率が減少に
 一方で、「キャッシュレス全体件数に占める割合」で見てみると、クレジットカード55.2%、電子マネー22.8%、コード決済19.4%となり、クレジットカードの比率が減少します。

 調査では、電子マネーとコード決済については、比較的低単価でもキャッシュレス決済が利用され、生活の幅広いシーンでのキャッシュレスの利用が進んでいるとしています。

 2022年6月からは、マイナンバーカードを健康保険証として利用したり、公金受取口座の登録を行うことでキャッシュレス決済サービスのポイント付与される、マイナポイントの第2弾も始まっています。

 国では2025年までに、キャッシュレス決済比率を40%程度の引き上げる目標を掲げていますが、2021年の比率を見ると、目標に大きく近づいたと言えるでしょう。
参考:
高橋 浩史(たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社などでグラフィックデザイナーとして20年活動。 その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。 住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。 その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/

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