ひとり親家庭などへの受験料や模擬試験代の支援について

森田 和子
2025.06.12

 受験生のいるご家庭では、何かと出費が増えていきます。参考書や筆記用具など、高額とまではいかなくても、積み重なれば負担になる費用が多くあります。模擬試験代もその一つで、受験校選びの参考にするため、多くの受験生が利用しています。塾などによる無料の模擬試験もあるようですが、1回5,000~10,000円程度かかるものもあり、家計の負担になります。この費用や受験料について、ひとり親家庭などが利用できる支援制度があります。
窓口は住んでいる自治体
 ひとり親家庭は、子育てと生計の維持を一人で担っていることから、さまざまな困難を伴う場合があるため、各種の支援制度が設けられています。こども家庭庁では、ひとり親家庭や所得の低い家庭に対し、こどもの進学に向けたチャレンジを後押しするため、「こどもの生活・学習支援事業(ひとり親家庭等生活向上事業)」として、大学等の受験料と、中学生・高校生等の模擬試験受験料の支援を主導しています。実施は各自治体となりますが、現在は実施する自治体が増えています。この支援の実施の有無や申請方法については、必ずお住まいの自治体で確認してください。各自治体のホームページに掲載されている場合もありますが、不明な場合などには市町村役場に尋ねてみましょう。
利用できる人と支援の金額
 この制度を利用できるのは、以下のいずれかに該当する人です。
児童扶養手当受給世帯または同等の所得水準世帯
住民税非課税世帯など低所得子育て世帯
 支援の金額は以下になります。
大学・短大・専門学校等を受験する際の「大学等受験料」
高校3年生等:1人あたり53,000円上限
「模擬試験の受験料」
高校3年生等
:1人あたり8,000円上限
中学3年生
:1人あたり6,000円上限
 支援を利用するには、自治体が実施するこどもの生活・学習支援事業に登録等をする必要があります。また、申請には支払いを証明する書類などが必要になります。あらかじめ各自治体の申請方法を確認して、受験料や模擬試験の領収証などは必ず保管しておくようにしましょう。
参考:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

ライフプランシミュレーションとマイホーム・老後の資金計算
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