老齢年金の受給額を増やすには
2025.06.19
老齢年金は、国民年金部分の老齢基礎年金と、厚生年金保険部分の老齢厚生年金に分かれています。老齢基礎年金は、20歳から60歳になるまでの40年間(480か月)にわたり国民年金保険料を納付することで、満額を受け取ることができます。
老齢基礎年金が満額支給されないケースとは
2025年度の老齢基礎年金の満額は831,700円で、昨年度から1.9%増えました。ただし、老齢基礎年金に未納や猶予等の期間があると減額されます。満額を受け取れるかどうかは、ねんきん定期便などにより加入記録や見込額を確認することで把握できます。
基礎年金制度ができたのは、1985(昭和60)年の法改正です。日本に住所を有する20歳以上60歳未満の人は、第1号被保険者~第3号被保険者のいずれかとして国民年金に加入することになっています。
20歳になると国民年金保険料の納付義務が生じますが、20歳以上であっても学生は収入がない、もしくは少ないため、かつては任意加入でした。そのため、学生期間中に国民年金に未加入で空白期間が生じている人も多いかもしれません。
しかし、未加入期間に障害を負った場合は無年金になるなどの問題があったため、1989(平成元)年の法改正により、学生の国民年金への加入が義務化されました。
とはいえ、学生にとって保険料の負担は大きく、世帯主である親などが負担することも少なくありませんでした。その結果、家庭の経済的負担が大きくなることが課題となりました。そこで、2000(平成12)年に学生納付特例制度が導入され、申請すれば国民年金保険料の納付を猶予できるようになりました。
ただし、あくまでも猶予措置であり、後から納付(追納)しなければ年金額は減額となります。
基礎年金制度ができたのは、1985(昭和60)年の法改正です。日本に住所を有する20歳以上60歳未満の人は、第1号被保険者~第3号被保険者のいずれかとして国民年金に加入することになっています。
20歳になると国民年金保険料の納付義務が生じますが、20歳以上であっても学生は収入がない、もしくは少ないため、かつては任意加入でした。そのため、学生期間中に国民年金に未加入で空白期間が生じている人も多いかもしれません。
しかし、未加入期間に障害を負った場合は無年金になるなどの問題があったため、1989(平成元)年の法改正により、学生の国民年金への加入が義務化されました。
とはいえ、学生にとって保険料の負担は大きく、世帯主である親などが負担することも少なくありませんでした。その結果、家庭の経済的負担が大きくなることが課題となりました。そこで、2000(平成12)年に学生納付特例制度が導入され、申請すれば国民年金保険料の納付を猶予できるようになりました。
ただし、あくまでも猶予措置であり、後から納付(追納)しなければ年金額は減額となります。
空白期間をカバーするには・・・
20歳から60歳になるまでの間に、未納や猶予、未加入期間などがあると、65歳時に満額の老齢基礎年金を受け取ることができません。ただし、次の方法で年金額を増やすことができます。
(1)60歳以降も社会保険に加入する働き方をする
60歳以降に社会保険に加入して働く場合、国民年金の加入期間は増えませんが、厚生年金保険の「経過的加算(差額加算ともいわれる)」により、老齢基礎年金相当額を増やすことができます。
(2)60歳以降、国民年金に任意加入する
60歳以降に退職し、社会保険に加入しない場合は、国民年金に任意加入できます。老齢年金の受給権がある人は、65歳になるまでの間に任意加入することで、老齢基礎年金額を増やすことができます。
まとめ
働き方の多様化や定年の延長等により、60歳以降も働く人は増えています。学生時代の未加入期間や転職時の空白期間、払い忘れ期間などがある場合は、これらの方法を検討してみてはいかがでしょうか。

三角 桂子(みすみ・けいこ)
社会保険労務士法人エニシアFP 代表社員
FP・社会保険労務士
大学卒業後、公務員、専業主婦、自営業、会社員、シングルとあらゆる立場を経験し、FPと社会保険労務士として開業し、5年目に法人化(共同代表)。
FPと社会保険労務士の二刀流を強みに、法人・個人の労務、年金の相談業務やセミナー、執筆など、幅広く行っている。
常に自身の経験を活かし、丁寧な対応を心がけ、生涯現役に向かって邁進中。
法人名はご縁(えにし)に感謝(ありがとう)が由来。
公式サイト https://sr-enishiafp.com/
FP・社会保険労務士
大学卒業後、公務員、専業主婦、自営業、会社員、シングルとあらゆる立場を経験し、FPと社会保険労務士として開業し、5年目に法人化(共同代表)。
FPと社会保険労務士の二刀流を強みに、法人・個人の労務、年金の相談業務やセミナー、執筆など、幅広く行っている。
常に自身の経験を活かし、丁寧な対応を心がけ、生涯現役に向かって邁進中。
法人名はご縁(えにし)に感謝(ありがとう)が由来。
公式サイト https://sr-enishiafp.com/