教育ローンの保証料について

森田 和子
2023.02.09

 受験・進学で何かとお金が必要になるこの時期は、教育ローンの利用を考える方もいることでしょう。貯蓄から支払うことができても、この先を考えると生活費が不足するのではないかと心配、という場合もあります。入学金や授業料などを支払った後からでも、数か月以内であれば、教育ローンを申し込める金融機関が多いので、利用を検討してみるとよいでしょう。
国の教育ローンでは、連帯保証人と保証基金を選択できる
 教育ローンを利用する時には、保証料が必要になる場合があります。お金を借りる時にはその返済を第三者に保証してもらう必要があり、連帯保証人に保証してもらう方法の他に、保証機関に保証してもらう方法があります。保証機関に支払う料金が保証料です。

 保証料が必要になる教育ローンには、国の教育ローンがあり、政府が100%出資する日本政策金融公庫が実施しています。保証については、連帯保証人と保証基金(保証機関)による保証のいずれかを選ぶことができます。

 国の教育ローンで100万円を借り入れ、保証基金を選ぶと、以下の10年返済の例では保証料が30,795円になります。保証料が融資金額の100万円から差し引かれるので、969,205円を受け取ります。
<国の教育ローン 返済期間10年、固定金利1.95%の例>
毎月返済額9,300円
総返済額1,100,600
保証料30,795円
日本政策金融公庫「教育ローン用 返済シミュレーション」にて試算)
 保証料は返済期間が長いほど増え、この例で返済期間を15年にすると46,167 円になります。また、国の教育ローンの保証基金では、母子家庭や父子家庭、所得が一定以下の場合などには、保証料が1/2に減額されます。

 連帯保証人を選ぶと、保証料を支払う必要はなく、100万円を受け取ります。ただし、連帯保証人には、契約者と連帯して返済する義務があります。よく検討した上で選ぶべきでしょう。
民間の金融機関の教育ローンでは保証が金利に含まれる
 一方、ほとんどの民間の金融機関では、基本的に保証料を別途支払う必要はありません。ローン金利に含まれているためです。ローン金利は1%未満~5%超までと、金融機関により違いがあるので、比較検討することをおすすめします。なお、民間の金融機関の教育ローンの多くは変動金利です。固定金利のローンは、同じ金利が続くので、返済額も同じまま変わりません。しかし、変動金利のローンは、金利が上下するので、上昇すれば返済額が増える可能性があることには留意しておきましょう。
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/

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