マンションの修繕に対する減税措置

木下 洋子
2023.04.27

マンション長寿命化促進税制
 令和5年度税制改正において、「長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに対する特例措置」(マンション長寿命化促進税制)が創設された。

 多くの高経年マンションにおいては、住民の高齢化や工事費の急激な上昇により、長寿命化工事に必要な積立金が不足している。長寿命化工事が適切に行われない場合には、周囲への大きな悪影響や行政への負担が生じることになる。そこで、この減税措置をマンションの所有者に活用してもらい、必要な修繕積立金の確保や適切な長寿命化工事の実施に向けた管理組合の合意形成につながるよう、この措置が設けられた。
【特例措置の内容】
 管理計画の認定を受けたマンション等において、長寿命化工事(屋根防水工事、床防水工事、外壁塗装等工事)が実施された場合に、その翌年度に課される建物部分の固定資産税額が減額される。減額割合は、1/6~1/2の範囲内(参酌基準:1/3)で、市町村の条例で定めることとなる。
【対象マンション】
築後20年以上が経過している10戸以上のマンションであること
長寿命化工事を過去に1回以上適切に実施していること
長寿命化工事の実施に必要な積立金を確保していること
積立金を一定以上に引き上げ、「管理計画の認定」を受けていること
又は、地方公共団体の助言・指導を受けて適切に長期修繕計画の見直し等をしていること
【対象工事】
令和5年4月1日から令和7年3月31日までの間に完了した長寿命化工事
出典:
国土交通省「マンション管理・再生ポータルサイト」
1棟を1人で所有して賃貸している場合は対象外
 マンション長寿命化促進税制の適用対象は、区分所有者が2人以上存在するマンションが対象となる。そのため、例えば1人で1棟のマンションを所有し、各住戸を貸し出しているようなマンションは、本特例の対象外となる。

 また、居住用部分のみがマンション長寿命化促進税制の対象となるので、居住用部分以外のオフィスや店舗は本税制の対象外となる。なお、住宅とオフィス等の併用住宅の場合、専有部分の2分の1以上が居住用部分である場合は、マンション長寿命化促進税制が適用対象になる。

 減税の適用を受けるための要件の1つに、『自治体から「管理計画の認定」を受けること』がある。認定されると、減税の他にも、工事費の融資の金利引き下げや、認定を受けたことによるマンションの資産価値の向上等のメリットがある。そして何よりも、安心して居住し続けられるためにも、築年数の経過したマンションをお持ちの場合は、管理計画について一考されたい。
参照:国土交通省
木下 洋子(きのした・ひろこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人

群馬県出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。趣味はピアノを弾くこと。

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