これは使える!新NISAの非課税投資枠の復活

高橋 浩史
2023.06.08

 2024年1月から、NISAの刷新が予定されています。その中で、新しく設けられるのが、非課税投資枠の復活です。どのような仕組みなのかを見ていきましょう。
非課税枠の再利用が可能に
 イギリスのISA(個人貯蓄口座)を見本に、2014年に始まったNISA(少額投資非課税制度)ですが、来年から大きく変わろうとしています。新NISAのポイントは次の5点です。
1.
非課税保有期間の無期限化
2.
口座開設期間の恒久化
3.
つみたて投資枠と、成長投資枠の併用が可能
4.
年間投資枠の拡大(つみたて投資枠:年間120万円、成長投資枠:年間240万円、合計最大年間360万円まで投資が可能。)
5.
非課税保有限度額は、全体で1,800万円。(成長投資枠は、1,200万円。また、枠の再利用が可能。)
金融庁ホームページより引用
 この中で今回注目したのが、5番目に掲げられている「枠の再利用」という部分です。
売却で投資元本分の非課税投資枠が復活
 現在のNISA制度では、NISA口座で購入した商品を売却しても、売却した分の非課税投資枠は復活しません。

 例えば、一般NISAは年間120万円まで非課税投資ができますが、このうち100万円分の株式などを購入し、その年に売却しても100万円の非課税投資枠は復活せず、その年に新たに買い付けできるのは20万円(120万円−100万円)です。

 新しいNISAでは、買い付けた商品の一部を売却すると、売却した分の非課税投資枠が、翌年以降に復活する仕組みが設けられました。ただし、復活するのはあくまでも投資元本ベースです。

 仮に投資元本200万円が300万円に増えて、300万円を売却したとしても、翌年復活する非課税投資枠は、投資元本の200万円分です(年間の投資枠360万円が限度)。

 生涯の非課税保有限度額は全体で1,800万円ではありますが、非課税投資枠の復活は現在のNISAにはない大きなメリットといえるでしょう。すでにNISAを始めている人も、これから始めようという人にとっても、有効に活用したい制度です。
高橋 浩史(たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社などでグラフィックデザイナーとして20年活動。 その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。 住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。 その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/

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