2024年からの住宅ローン減税、子育て世帯は優遇措置

高橋 浩史
2024.01.15

 住宅ローンの年末の借入残高の一定割合を控除する、「住宅ローン減税(正式名称「住宅借入金等特別控除」)が2024年から変わります。その変更点を見て行きましょう。
省エネ性能を満たさないと住宅ローン減税の対象外に
 住宅ローン減税は、2022年の税制改正で控除率が1%から0.7%に引き下げられ、控除のもとになる借入限度額は、2024年から引き下げられることになりました。

 2024年からの住宅ローン減税は、新築住宅などで最大5,000万円だった借入限度額が、住宅の環境性能などに応じて引き下げられます。例えば、長期優良住宅では5,000万円から4,500万円に、ZEH水準長期優良住宅は4,500万円から3,500万円に引き下げられます。

 また、省エネ基準を満たさない「その他の住宅」に関しては、住宅ローン減税が適用されません(※)。
2023年末までに新築の建築確認を受けた住宅に2024・2025年に入居する場合は、借入限度額2,000万円・控除期間10年間
子育てを支援するための税優遇が盛り込まれる
 先述の借入限度額については、2024年度税制改正で一部変更があり、子育て世帯については5,000万円の最大控除額が維持されることになりました。さらに、子育て世帯の最大控除額については、2025年についても同様の方向性で検討するとしています。

 この優遇措置は、国を挙げて推し進める「異次元の少子化対策」の一環と言える施策です。子育て世帯とは、「19歳未満の子のいる世帯」または「夫婦のどちらかが40歳未満の世帯」となっているため、比較的広い年代で対象になるかもしれません。

 住宅資材や人件費の高騰などにより、住宅価格は上昇傾向にあります。そのため、住宅ローンの借入額も多くならざるを得ないこともあるでしょう。

 しかし、住宅ローンはあくまで借金であることを踏まえれば、ローン借入額は極力抑えて、自己資金を少しでも多く準備することが大切です。ライフプランに基づいた「身の丈」にあった購入予算を伝えていくことが基本となるでしょう。
参考:
高橋 浩史(たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社などでグラフィックデザイナーとして20年活動。 その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。 住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。 その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/

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