「人材開発支援助成金」の活用(人材育成支援コース)について

佐々木 篤史
2024.07.25

制度の見直しについて
 「人材開発支援助成金」を利用しやすくするため、令和6年4月1日から制度の見直しが実施されています。
「人材開発支援助成金」とは、
 事業主が労働者に対して訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度です。

 以下に見直された主な内容についてご紹介します。
訓練コース 対象訓練 各コースの
見直し
コース共通の
見直し
人への
投資促進コース
高度デジタル人材の育成のための訓練や労働者が自発的に受講した訓練など
長期教育訓練休暇制度の拡充
自発的職業能力開発訓練の拡充
高度デジタル人材訓練の拡充
添付書類の簡素化など
人材育成支援
コース
10時間以上のOFF-JTによる訓練や OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練
添付書類の簡素化
事業展開等
リスキリング支援
コース
事業展開やDX等に伴い新たな分野で必要となる知識などを習得させるための訓練
人材育成支援コースの申請書類が簡素化
 今回は、「人材育成支援コース」について、お知らせします。
 「人材育成支援コース」では、以下の見直しがなされ、利用しやすくなっています。
人材育成支援コースの計画届提出時に必要であった「対象労働者(有期契約労働者等)に関する確認書(様式第17号)」を廃止し、「職業訓練実施計画届(様式第1-1号)」の様式内の記載事項に統合しました。
定期的なキャリアコンサルティングの実施について事業内職業能力開発計画等で定めていることを確認するための書類の提出が不要になりました(個別に労働局長から規定のある文書の提出を求める場合があります。また、実地調査時は原本を確認します。)。
 また、人材教育(OFF-JT)を実施するにあたり、一定の条件を満たすと、助成金を活用することができます。

 例えば、中小企業がOFF-JTで10時間以上の事業内訓練を行う場合は、下記になります。
(正規雇用者の場合)
助成の内容 限度額(1人当たり)
経費助成 45%
(雇用保険被保険者の場合)
15万円
(10時間以上100時間未満の場合)
賃金助成 1人1時間あたり
760円
※対象となる経費:
部外講師への謝金・手当、部外講師の旅費、会議室使用料等
【計算例】
社員10名が1回6時間の研修を3回実施して、経費が100万円かかった場合
・経費助成=100万円×45%=45万円
・賃金助成=760円/1時間×18時間×10名=13万6800円
(合計)58万6800円の助成
【申請手順】①訓練計画の提出②訓練の実施③支給申請書の提出
 詳細の要件等は、厚生労働省ホームページをご確認ください。もしくは、最寄の社会保険労務士にご相談ください。
参照:
佐々木 篤史(ささき・あつし)
セブンスターズコンサルティング株式会社 代表取締役
株式会社メディカルプランインターナショナル 代表取締役
NPOランチェスター協会 理事 認定インストラクター
(一社)日本内部監査協会 金融内部監査士 IIA会員
全米NLP協会 マスタープラクティショナー
1966年生まれ。京都市出身。国内・外資の保険会社での勤務後、2017年にセブンスターズコンサルティング株式会社を設立。金融業界(保険・証券等)や士業業界、介護業界を中心に経営・人事コンサルタントとして活動。著書に「売れ続ける仕組みづくり」、制作DVDに「代理店ブランド構築への挑戦-循環型セールスの実践」「法人開拓保険管理コンサルティング手法」がある。最近では、内部監査事業や次世代代理店経営塾運営に加え、採用支援、個性診断を活用した組織強化支援、人事評価制度、研修・教育等、人・組織活性支援事業に注力をしている。
会社ホームページ:https://sevenstars-consulting.com

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