えっ!サイバー攻撃?ウチはどうすればいいの!?
2025.12.15
近年、サイバー攻撃の件数は急増しており、ますます高度化、巧妙化しています。最近は、大手飲料メーカーや大手通販企業などもサイバー攻撃による被害を受けました。規模や業種を問わず、すべての企業にとって最も深刻な経営リスクの一つがサイバー攻撃です。DX(デジタルトランスフォーメーション)が進むにつれて、ビジネスの基盤がよりIT機器に依存するようになりました。サイバーリスクへの対策はもはや必須といえます。
サイバー攻撃の例
サイバー攻撃により、単なる情報漏洩だけでなく、企業経営を脅かす深刻な事態が発生しています。例えば、以下のような攻撃です。
●ランサムウェア攻撃
従来のランサムウェアはデータを暗号化して業務の継続を困難にさせた後、データの復元と引き換えに身代金を要求するものでした。現在は、データを暗号化するだけでなく、盗み出した機密情報を公開すると脅迫する手法もあります。この結果、企業はシステム復旧費用だけでなく、情報漏洩による賠償責任や信用失墜といった被害を受けることになりかねません。
従来のランサムウェアはデータを暗号化して業務の継続を困難にさせた後、データの復元と引き換えに身代金を要求するものでした。現在は、データを暗号化するだけでなく、盗み出した機密情報を公開すると脅迫する手法もあります。この結果、企業はシステム復旧費用だけでなく、情報漏洩による賠償責任や信用失墜といった被害を受けることになりかねません。
●サプライチェーン攻撃
セキュリティ対策が強固な標的企業を直接狙うのではなく、セキュリティ対策が比較的手薄な取引先を踏み台にして、標的企業のシステムへ侵入する攻撃です。標的企業が対策を講じていても、取引先が攻撃された場合、その影響が標的企業にも波及し、システム停止や情報漏洩を引き起こしかねません。
セキュリティ対策が強固な標的企業を直接狙うのではなく、セキュリティ対策が比較的手薄な取引先を踏み台にして、標的企業のシステムへ侵入する攻撃です。標的企業が対策を講じていても、取引先が攻撃された場合、その影響が標的企業にも波及し、システム停止や情報漏洩を引き起こしかねません。
●ビジネスメール詐欺
AIなどの進化により、取引先や役員になりすましたメールなどの精度が向上しています。これにより、誤った送金や機密情報の開示を誘導され、損害が発生します。
AIなどの進化により、取引先や役員になりすましたメールなどの精度が向上しています。これにより、誤った送金や機密情報の開示を誘導され、損害が発生します。
サイバー保険とは?
多くの企業がセキュリティ対策を実施しています。対策によりリスクは減少しますが、ゼロにすることは不可能です。そして、サイバー攻撃を受けた際に企業が負う損害は、システムの復旧費用だけにとどまりません。
そこで必要となるのが保険です。「サイバー保険」はサイバー攻撃による損害に対応するために設計された保険商品で、主な補償内容は以下のとおりです(補償内容は保険会社によって異なります)。
そこで必要となるのが保険です。「サイバー保険」はサイバー攻撃による損害に対応するために設計された保険商品で、主な補償内容は以下のとおりです(補償内容は保険会社によって異なります)。
●損害賠償費用
サイバー攻撃の結果、顧客や取引先の情報(個人情報、機密情報など)が漏洩し、企業が法律上の損害賠償責任を負った場合に補償されます。
具体的な補償内容の例(損害賠償金、訴訟対応費用(弁護士費用など)等)
サイバー攻撃の結果、顧客や取引先の情報(個人情報、機密情報など)が漏洩し、企業が法律上の損害賠償責任を負った場合に補償されます。
具体的な補償内容の例(損害賠償金、訴訟対応費用(弁護士費用など)等)
●事故対応費用
サイバー攻撃発生時に緊急で必要となる対応費用などが補償されます。
具体的な補償内容の例(調査費用、システム復旧費用、コールセンター設置・運営費用、見舞金や謝罪費用、再発防止策の策定等)
サイバー攻撃発生時に緊急で必要となる対応費用などが補償されます。
具体的な補償内容の例(調査費用、システム復旧費用、コールセンター設置・運営費用、見舞金や謝罪費用、再発防止策の策定等)
●利益損害・営業継続費用
IT機器などの機能停止に伴う利益損害・営業継続費用が補償されます。
IT機器などの機能停止に伴う利益損害・営業継続費用が補償されます。
また、多くのサイバー保険には、緊急時に専門事業者を紹介・手配するサービスが付帯しています。これは、動揺しがちな初動対応において、企業経営の命運を分ける重要なサポートとなります。
サイバー保険は、火災保険や自動車保険と同様に、企業経営の安定に不可欠なリスクヘッジです。サイバー保険はぜひ検討しておきたい保険です。
サイバー保険は、火災保険や自動車保険と同様に、企業経営の安定に不可欠なリスクヘッジです。サイバー保険はぜひ検討しておきたい保険です。
【参考情報】
生命保険の募集人の方は、上記のような損害保険の話から生命保険の話につなげることも可能です(詳しくは以下の書籍が参考になります)。サイバー攻撃の話題からのアプローチトークも収録されています(第2章 アプローチの実践<法人・特定マーケット編> 第3話 えっ、サイバー攻撃?被害者なのに加害者にもなるの!?)。


水谷 力(みずたに・ちから)
株式会社セールス手帖社保険FPS研究所
社会保険労務士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
組織開発コンサルタント
大手保険会社在職中にFP資格やコーチング資格等を取得。現在は各種執筆活動などをおこなっている。著書には、「違いを生み出すファーストアプローチ」「違いを生み出す生損保リスクチェック」(いずれもセールス手帖社保険FPS研究所)がある。
社会保険労務士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
組織開発コンサルタント
大手保険会社在職中にFP資格やコーチング資格等を取得。現在は各種執筆活動などをおこなっている。著書には、「違いを生み出すファーストアプローチ」「違いを生み出す生損保リスクチェック」(いずれもセールス手帖社保険FPS研究所)がある。






