介護ベッド使用時の負傷事故に注意!

栗原 賢二
2024.08.19

 加齢に伴う運動能力の低下で、起き上がりや立ち上がりが困難となるケースは少なくありません。在宅介護のため介護ベッドを使用する際に、思わぬ事故の発生も報告されています。注意点とともに確認しましょう。
サイドレール等の隙間に頭や手足が挟まれて負傷
 介護ベッドは高さ調節や背上げ・膝上げといった機能を備え、利用者の起き上がりなどを助けると同時に、介護者(介護を行う人)の負担を軽減するものです。側面にはサイドレールや、ベッド用グリップを取り付けることができます。
 柵状のサイドレールは転落防止、手すり状のベッド用グリップは起き上がり・乗り降り時に体を支えることを目的に取り付ける製品です。いずれも介護を行う上でメリットの多いものですが、使用状況と身体状況によっては死亡など重大事故につながるおそれもあります。

 主な事故の状況としてサイドレール・ベッド用グリップの隙間に頭や手足が挟まる形での負傷が挙げられます。介護ベッド利用者は運動能力の低下から自力での脱出が難しく、体勢を変えられないケースが見られることも事故の大きな要因です。
事故予防のポイント
 介護ベッドの事故につながりやすい要素として「隙間」「転倒・転落」「ベッド操作時」の3つがあり、具体的には以下のような点に注意が必要です。
[隙間]取り付け部品の組み合わせが適合しているか
[隙間]サイドレールやベッド用グリップなどとベッドの間に隙間がないか
[転倒・転落]ベッド周辺は整理整頓されているか
[転倒・転落]取り付け部品に破損や変形はないか(または確実に固定されているか)
[ベッド操作時]介護者がベッドの背上げなどを行う際、利用者の手足が挟まれないよう確認しているか
 特に平成21年3月のJIS規格改正以前の製品では、隙間が生じやすくなっているケースも多いため注意が必要です。事故の事例や予防方法については、経済産業省がチェック表の形でわかりやすく整理しています。介護ベッド使用を検討の際は参考にすると良いでしょう。
参照:
(セールス手帖社 栗原賢二)

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