2025年5月8日の衆院本会議で、個人事業者等（以下、フリーランス）を労働災害防止対策の対象とする、改正労働安全衛生法が可決・成立しました。改正の概要は以下のとおりです。

 企業側の業務委託化の進行により、企業に直接雇用されない働き手が増加しています。総務省の統計では、本業がフリーランスの人は約209万人^※で、その中には建設業など、災害リスクの高い業務に従事する人も少なくありません。

 こうした働き方の変化に対応するため、発注者に対して、すべての従事者を対象にした災害防止対策の強化を義務づけることが、改正の重要な柱となりました。

 また、フリーランス自身にも、安全衛生教育の受講が課せられます。これは、自分の身を守る知識を身につけ、万が一のときに適切な対応を可能にするためのものです。

 今回の改正は、企業・発注者側にとっては新たな対応が求められる一方で、災害防止に向けた意識と対策を広げる契機となります。フリーランスにとっても、安全に働ける環境が整備されることは大きなメリットとなるはずです。働く人すべてが等しく守られる社会に向けた、重要な一歩といえるでしょう。