がん治療を支える費用面でのサポート
2025.09.25
がん治療とお金というと「がん保険」をイメージされる方も多いと思いますが、「がん保険」に加入していれば、安心して治療が受けられるのでしょうか。
「がん保険」を検討いただく前に、がん治療を取り巻く治療現場の現状についてお話をさせていただきます。
「がん保険」を検討いただく前に、がん治療を取り巻く治療現場の現状についてお話をさせていただきます。
まずは、公的医療保険適用の治療の備えを
がんが発見された場合、日本では多くの患者さんが三大治療(「手術」「放射線治療」「(抗がん剤治療」)のうちのどれか、または2つ以上の治療を組み合わせた治療(集学的治療)を受けることになります。
これらの治療の多くは公的医療保険制度が適用になるため、年齢や収入に応じて1割~3割の自己負担で受けることができます。
また高額療養費制度があるため、加入者が70歳以上かどうかや加入者の所得によって違いはありますが、私たちが支払う毎月の治療費には上限が設けられています。
まずは多くの方が受ける、公的医療保険適用の治療を安心して受けるための備えが必要になります。
でも必要な準備はこれだけではありません。
これらの治療の多くは公的医療保険制度が適用になるため、年齢や収入に応じて1割~3割の自己負担で受けることができます。
また高額療養費制度があるため、加入者が70歳以上かどうかや加入者の所得によって違いはありますが、私たちが支払う毎月の治療費には上限が設けられています。
まずは多くの方が受ける、公的医療保険適用の治療を安心して受けるための備えが必要になります。
でも必要な準備はこれだけではありません。
万が一の場合に、自由診療に対する備えも必要
皆さんは、がんが今でも原因のわからない病気だということをご存じでしょうか。
日本だけでも1年間に約100万人※1の方が生まれて初めてがんの告知を受け、また38万人以上※2の方ががんを原因としてお亡くなりになっています。がんはそれほど患者さんの多い病気なのですが、実はがんは今でも原因がわかっていません。
日本だけでも1年間に約100万人※1の方が生まれて初めてがんの告知を受け、また38万人以上※2の方ががんを原因としてお亡くなりになっています。がんはそれほど患者さんの多い病気なのですが、実はがんは今でも原因がわかっていません。
※1
参考:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
※2
参考:公益財団法人「がん研究振興財団 がんの統計2025」
原因がわかっているがんは、ウイルスによって発症することがわかっている、胃がん・肝がん・子宮頸がんの一部だけです。それ以外のがんはすべて、原因がわかっていません。そのため日本だけでなく全世界で、毎年新しい治療方法が開発されています。
皆さんに質問です。新しく開発された治療方法は、すぐに公的医療保険適用となるでしょうか? 公的医療保険適用になるためには、新しく開発された治療方法の安全性と治療効果に関する十分なデータが必要になります。
さらに質問です。もし公的医療保険が適用になっていない治療を受けることになった場合、治療費はどうなるのでしょうか?
公的医療保険適用となっていないため、治療費は全額自己負担の自由診療となってしまいます。また高額療養費制度も適用にならないため、大きな自己負担が必要となります。
たとえば、海外では承認されていますが日本ではまだ公的医療保険制度適用外の未承認薬を治療に使用した場合、使用する薬(分子標的薬)によっては数百万円もの自己負担が発生することもあります。
がん治療の場合には公的医療保険制度適用の治療だけでなく、こうした自由診療となってしまう治療に対する備えも必要となります。
また完治を目指す治療方法にも変化があります。医療技術の進歩等もあり、長期入院により完治を目指す治療方法から、今では完治の前に退院し、その後の通院治療により完治を目指す治療方法に変わってきているため通院への備えも重要になっています。
こうした治療現場の現状を踏まえ、事業主の方にはがん治療と仕事の両立支援を行うために必要な資金的な準備についても、可能な範囲でご検討いただきたいと思います。
もちろん資金的な準備につきましては、すべてを会社が行う必要はありません。
会社がベースとなる資金の準備を行い、不足する部分については従業員さんに準備をしていただくような制度設計が必要だと考えています。
資金的な準備を「がん保険」で行う場合、以下の点をご考慮いただき、採用する「がん保険」をご検討いただければと思います。
皆さんに質問です。新しく開発された治療方法は、すぐに公的医療保険適用となるでしょうか? 公的医療保険適用になるためには、新しく開発された治療方法の安全性と治療効果に関する十分なデータが必要になります。
さらに質問です。もし公的医療保険が適用になっていない治療を受けることになった場合、治療費はどうなるのでしょうか?
公的医療保険適用となっていないため、治療費は全額自己負担の自由診療となってしまいます。また高額療養費制度も適用にならないため、大きな自己負担が必要となります。
たとえば、海外では承認されていますが日本ではまだ公的医療保険制度適用外の未承認薬を治療に使用した場合、使用する薬(分子標的薬)によっては数百万円もの自己負担が発生することもあります。
がん治療の場合には公的医療保険制度適用の治療だけでなく、こうした自由診療となってしまう治療に対する備えも必要となります。
また完治を目指す治療方法にも変化があります。医療技術の進歩等もあり、長期入院により完治を目指す治療方法から、今では完治の前に退院し、その後の通院治療により完治を目指す治療方法に変わってきているため通院への備えも重要になっています。
こうした治療現場の現状を踏まえ、事業主の方にはがん治療と仕事の両立支援を行うために必要な資金的な準備についても、可能な範囲でご検討いただきたいと思います。
もちろん資金的な準備につきましては、すべてを会社が行う必要はありません。
会社がベースとなる資金の準備を行い、不足する部分については従業員さんに準備をしていただくような制度設計が必要だと考えています。
資金的な準備を「がん保険」で行う場合、以下の点をご考慮いただき、採用する「がん保険」をご検討いただければと思います。
①
公的医療保険制度が適用になる、現在行われているがん治療に対応できるかどうか。
②
公的医療保険制度がまだ適用になっていない、自由診療の治療(新しい治療)に対応できるかどうか。
③
入院治療だけでなく、今後も増加が想定される通院治療にも対応できるかどうか。
がんは早期発見することにより、既に克服できる病気にもなってきています。一方で、がんに対する知識不足やそれに伴う偏見等が散見されることも事実です。
勉強会や研修を通して、がんを会社全体で正しく理解してください。
そして、がんに罹患したとしても自分らしく生きることができる社会を実現するために、「がん治療と仕事の両立支援」に取り組んでください。
「がんと診断されても、すぐに仕事を辞めないでください!」とすべての従業員さんにお伝えいただきたいと思います。
今行うがん対策が、大切な従業員と会社を守ります!
今回は「がん治療を支える費用面でのサポート」について、お話をさせていただきました。
勉強会や研修を通して、がんを会社全体で正しく理解してください。
そして、がんに罹患したとしても自分らしく生きることができる社会を実現するために、「がん治療と仕事の両立支援」に取り組んでください。
「がんと診断されても、すぐに仕事を辞めないでください!」とすべての従業員さんにお伝えいただきたいと思います。
今行うがん対策が、大切な従業員と会社を守ります!
今回は「がん治療を支える費用面でのサポート」について、お話をさせていただきました。

高橋 義人(たかはし・よしひと)
株式会社M&Fパートナーズ 代表取締役
一般社団法人 健康事業支援機構 医療コーディネーター
ユニバーサルライフ株式会社 執行役員 東京第2支社長
1988年明治大学卒業後、外資系大手生命保険会社に23年間勤務。静岡・埼玉・大阪にて支社長を務め、2011年に独立。
その後、「がん治療とお金」のコンサルティング会社を設立し、現在に至る。
医療コーディネーターとしてがん患者と向き合い、患者目線に立った治療に関する情報提供・病院紹介・治療紹介・病院へのアテンド等の患者支援活動の傍ら、セミナー講師としてがん患者の目線に立ったがんに関する様々な講演を、日本全国で毎年150回以上行っている。
ホームページ https://mfpartners.co.jp
一般社団法人 健康事業支援機構 医療コーディネーター
ユニバーサルライフ株式会社 執行役員 東京第2支社長
1988年明治大学卒業後、外資系大手生命保険会社に23年間勤務。静岡・埼玉・大阪にて支社長を務め、2011年に独立。
その後、「がん治療とお金」のコンサルティング会社を設立し、現在に至る。
医療コーディネーターとしてがん患者と向き合い、患者目線に立った治療に関する情報提供・病院紹介・治療紹介・病院へのアテンド等の患者支援活動の傍ら、セミナー講師としてがん患者の目線に立ったがんに関する様々な講演を、日本全国で毎年150回以上行っている。
ホームページ https://mfpartners.co.jp