法人が災害義援金等を支出した場合の取扱い

今村 京子
2025.12.25

 青森県東方沖地震をはじめ災害により被害を受けられた皆様方に、心からお見舞い申し上げます。

 今回は、災害により被害を受けられた方を支援される法人の取扱いについて取り上げる。
被災地の災害対策本部等に対して義援金を支払った場合
 法人が、被災地の地方公共団体に設置された災害対策本部等に対して支払った義援金は、「国等に対する寄附金」に該当し、その全額が損金の額に算入される。
日本赤十字社、共同募金会等に対して義援金を支払った場合
 法人が、日本赤十字社や社会福祉法人中央共同募金会等に対して支払った義援金は、その義援金が最終的に義援金配分委員会等に対して拠出されることが募金趣意書等において明らかにされているものであるときは、「国等に対する寄附金」に該当し、その全額が損金の額に算入される。

 なお、日本赤十字社や社会福祉法人中央共同募金会等に対して支払った義援金であっても、例えば支払先の団体の事業資金として使用されるなど、最終的に地方公共団体に拠出されるものでないものについては、上記と異なる取扱いになる場合があるので、義援金の支払先にご確認願いたい。
被災地で救援活動等を行うNPO法人に対して義援金を支払った場合
 法人が、「認定NPO法人等に対する寄附金」として支払った義援金は、「特定公益増進法人に対する寄附金」に含めて損金算入限度額(特別損金算入限度額)を計算し、その範囲内で損金の額に算入される。
募金団体を通じて義援金を支払った場合
 募金を取りまとめる団体(以下「募金団体」)が法人から義援金を預かる場合でも、その義援金が、最終的に地方公共団体に拠出されるものであれば、募金団体に対して義援金を支払った法人にあっては「国等に対する寄附金」として取り扱われ、税制上の優遇措置の適用を受けることができる。
被災された取引先に対して寄附をした場合
 法人が、被災した取引先に対し、被災前の取引関係の維持・回復を目的として、災害を受けた取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間において支出する災害見舞金は、交際費等に該当せず損金の額に算入される。
法人が自社製品を被災者に提供した場合
 法人が、不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、寄附金又は交際費等には該当せず、広告宣伝費に準ずるものとして損金の額に算入される。
今村 京子(いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士

三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。
平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。
年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で娘2人。趣味は英語学習とガーデニング。

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