子ども・子育て支援金による「出生後休業支援給付」「育児時短就業給付」とは……

津路 伸江
2026.05.25

1.子ども・子育て支援金、何につかわれているの?
 令和8年度から健康保険などの公的医療保険料に上乗せする形で「子ども・子育て支援金」が月額数百円程度(公的医療保険の種類や収入により異なる)徴収されます。この「子ども・子育て支援金」は、少子化対策(加速化プラン)の財源として、各種の給付等に充てられます。

 主なものとして 1.児童手当の拡充、2.妊婦のための支援給付、3.出生後休業支援給付、4.育児時短就業給付、5.こども誰でも通園制度、6.育児期間中の国民年金保険料免除 があります。

 その中で、仕事と子育ての両立(共働き、共育て)を推進するために支給される「出生後休業支援給付」と「育児時短就業給付」は雇用保険制度から支給されます。
2.「出生後休業支援給付」とは、どんな制度?
 雇用保険制度では、従来から1歳に満たない子を養育するための育児休業給付が行われています。「出生後休業支援給付金」は、子の出生直後の一定期間に、14日以上の育児休業を取得した場合に支給され、育児休業給付金(出生時育児休業給付金を含む)と併せて支給されます。育児休業給付金の給付率は、休業開始時の賃金を100%として、原則67%(休業開始から180日目以降は50%)です。これに加えて、給付率13%の出生後休業支援給付金が支給され、合計で給付率80%の給付を最大28日間受けることができます。育児休業中は社会保険料が免除され、雇用保険からの給付金は非課税であること等を考慮すると、手取りで休業前の給与のほぼ10割相当の給付を受けることができます。
出所)
厚生労働省リーフレット「出生後休業支援給付金」を創設しました
 28日間は収入減を気にすることなく、子を養育するための休業を取得することができます。子育てと仕事の両立に不安を抱える共働き夫婦は、本制度を最大限活用することを検討しましょう。
3.「育児時短就業給付」とは、どんな制度?
 育児休業から復帰後、当面は時短勤務を希望するケースも多いと思います。「育児時短就業給付金」は、2歳に満たない子を養育するために短時間勤務をした場合に支給されます。仕事と育児の両立支援の観点から、育児中の柔軟な働き方として時短就業を選択しやすくすることが目的です。次の①・②の要件を両方満たす方が対象になります。
2歳未満の子を養育するために、育児時短就業する雇用保険の被保険者であること
育児休業給付の対象となる育児休業から引き続いて育児時短就業を開始したこと、または、育児時短就業開始日前2年間に、被保険者期間が12カ月あること
 支給額は、育児時短就業中に支払われた賃金額の10%相当額です。ただし、育児時短就業による賃金月額と育児時短就業給付金の合計額が、育児時短就業開始時の賃金水準を超えないように調整された額となります。

 雇用保険の被保険者であれば、性別に関係なく父、母とも対象です。
4.最後に…
 子どもは社会の宝であり、いずれ自分たちを支えてくれます。子どもを育てることは、支え合いの循環を維持する観点から、全ての人にとってメリットです。子育て世代を支える仕組みが整備されています。
参照:
津路 伸江(つじ・のぶえ)
津路社会保険労務士事務所 代表
特定社会保険労務士
1級ファイナンシャルプランニング技能士

平成9年、横須賀にて津路社会保険労務士事務所設立。
地元企業の顧問を務め、労働・社会保険手続き、その他各種相談業務を行う。
労働基準監督署、社会保険事務所(当時)で受付等に従事。
労働講座の講師を8年、消費者センター主催の年金講座を10年務める。
平成28年、埼玉県北本市に事務所を移転。
年金事務所および街角の年金相談センター等で約15年、年金相談業務に従事。
各種検定業務の検定委員等を務める。

公式サイト:https://www.ntsuji-sr.com/office.html

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