フラット35金利が3%突破、住宅購入への影響は?

高橋 浩史
2026.07.02

 全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」の金利が、2026年6月に初めて3%を超えました。この金利水準は、住宅購入を検討する世帯だけでなく、住宅市場などにも影響を及ぼす可能性があります。
現行の金利体系で初の3%台に
 住宅金融支援機構が発表した2026年6月のフラット35の金利水準は、最低金利が3.21%(借入期間21年以上35年以下の場合)でした。団体信用生命保険制度が改正され、現在の金利体系となった2017年10月以降、初めて3%を超えました。2026年1月に2%台に乗った後、わずか5か月で3%台に達しましたが、その主な要因は市場の国債利回りなど長期金利の上昇です。

 フラット35は、借入時の金利が返済終了まで変わらない「全期間固定金利型」の住宅ローンとして、金利上昇リスクを避けられる安心感がポイントです。しかし、新たに借り入れる人にとっては、以前より返済負担が大きくなります。

 例えば、4,000万円を35年返済で借りる場合、金利2%と3%では利息の総額で約900万円の差になります。建築コストの上昇などにより住宅価格そのものも上昇傾向にあり、住宅取得に必要なコストは以前より大きくなったといえます。
金利上昇がもたらす今後の影響
 今後、最も大きな影響を受けるのは住宅購入を検討している世帯です。現在の金利水準が続けば返済額は大きくなるため、購入する住宅価格の上限を見直す必要性や、住宅購入時期をずらすケースが出てくるかもしれません。

 また、変動型の住宅ローン金利に影響を与える政策金利(短期金利の指標)は、6月の日銀の金融政策決定会合の結果、0.75%から1%程度に引き上げられました。変動金利型の住宅ローンは固定金利型よりも低い金利水準ですが、今回の利上げによって秋頃にはローン金利への影響が見込まれています。今後も経済・物価情勢によっては追加利上げの可能性もあり、金利の上昇局面が続くかもしれません。

 さらに、住宅市場全体への影響も考えられます。住宅ローンの返済負担の増加は住宅需要を抑制する要因となる可能性があります。建築コストの上昇などによる住宅価格の高騰も続いており、購入意欲への影響は小さくないでしょう。

 こうした環境下では、「いくら借りられるか」ではなく「無理なく返済できるか」という視点がこれまで以上に重要になります。住宅購入を検討する際は、金利上昇後の返済額も試算しながら、家計に余裕を持った資金計画を立てることが大切です。

 「フラット35の最低金利3%突破」は単なる数字の変化ではありません。超低金利時代から金利のある時代へ移行しつつあることを示す、象徴的な出来事といえるでしょう。
参考:
高橋 浩史(たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFP®
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社などでグラフィックデザイナーとして20年活動。 その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。 住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。 その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/

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