収入か自由な時間か

森田 和子
2026.08.17

 今の生活についての意識や、今後はどのようにしていきたいかなどについて内閣府が調査し、結果が公表されています。収入の安定は求めているけれど、それだけではない複雑な心境が見えてきます。
悩みの第1位は「老後の生活設計」
 調査によると、日頃の生活の中で悩みや不安を「感じている」、「どちらかといえば感じている」と回答した人は、78.1%にのぼっています。悩みや不安の内容で最も多いのが「老後の生活設計について」です。
【日常生活における悩みや不安の内容】
老後の生活設計について 63.9%
自分の健康について 62.7%
今後の収入や資産の見通しについて 60.5%
家族の健康について 51.2%
現在の収入や資産について 47.9%
進学、就職、結婚、子育てなど、家族の生活上の問題について 24.5%
(複数回答、上位抜粋)
 私は日頃FPとして相談をお受けしているので、この結果は理解できます。リタイアを控えた50代・60代の方だけでなく、20代や30代といった若い世代の方からも「将来年金がもらえるのか」「いくら貯めれば安心なのか」という老後への不安をよくお聞きします。
理想的な仕事とは?
 「収入と自由時間のどちらをもっと増やしたいと思いますか」という質問に対しても、「収入をもっと増やしたい」、「どちらかといえば収入をもっと増やしたい」と回答した人が53.8%と半数を超えています。

 また、「働く目的は何か」という質問に対しても、最も多い回答は「お金を得るために働く(63.5%)」ですが、「どのような仕事が理想的か」の質問への回答を見ると、収入以外の回答も少なくありません。
【理想とする仕事の特徴】
収入が安定している仕事 61.8%
私生活とバランスがとれる仕事 54.9%
自分にとって楽しい仕事 52.0%
自分の専門知識や能力がいかせる仕事 35.6%
健康を損なう心配がない仕事 35.3%
失業の心配がない仕事 25.3%
世の中のためになる仕事 22.7%
高い収入が得られる仕事 21.6%
(複数回答、上位抜粋)
 やはり「収入が安定している仕事」が最も多くなりますが、「私生活とバランスがとれる仕事」や「自分にとって楽しい仕事」のどちらも50%を超える高い割合を示しています。経済的な不安を減らすことができれば、仕事への考え方やキャリアプランが変わる可能性があるのではないでしょうか。

 もちろん老後への備えは大切で、収入増を考えなければならない場合もあります。しかし、実際にご相談の中でシミュレーションをしてみると、老後資金に不足がない人、過度の心配をする必要がない人もいます。そもそも、自分が今保有している資産額や、勤務先の退職金制度を把握していない人も少なくありません。自分の状況を把握することで不安を減らせる場合があるので、まずは、そこから始めてみることをおすすめします。
出典:
森田 和子(もりた・かずこ)
FPオフィス・モリタ 代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

ライフプランシミュレーションとマイホーム・老後の資金計算
FPオフィス・モリタ https://fpofficemorita.com/
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