M&Aでのトラブル回避のために押さえておきたいテール条項

山崎 美穂
2026.08.06

トラブル回避のためにも、テール条項の理解を深めよう
 M&A専門業者(以降、「専門業者」という)へ支援を依頼する場合、多くのケースでは「テール条項」と呼ばれる条項が契約書に盛り込まれている。

 テール条項を把握しておくと専門業者とのトラブル回避に役立つので、是非頭の片隅に入れて頂きたい。
テール条項とは
 これは、専門業者が人的・物的コストを費やして進めた取引の話を、依頼主が専門業者への手数料発生を防ぐため、あえて専門業者との契約を終了させ、その後に専門業者の介在なしにM&Aを実行しようとするようなケース等を念頭に置かれている条項で、一定の期間内に支援した取引については、専門業者への報酬が発生することを定めているものだ。

 下記にサンプルが掲載されているので、是非ご参照頂きたい。
参考:
注意が必要、その理由は…
 専門業者の利益を守る条項としての意味合いがあるが、行き過ぎた利益追求のために使われてしまうことがある。中小企業庁が策定した「中小M&Aガイドライン(第3版)※1」では、主に下記の点への注意喚起がなされている。
1.対象範囲に注意
 対象範囲が「専門業者が関与・接触し、紹介された者に限定」とされているかの確認が必要だ。

 過去にあった話として、初期段階で案件を選ぶ際に確認する「企業名等が伏せられた大まかな候補先一覧表(ロングリスト)」までもテール条項の対象範囲としていた専門業者がいたと聞いたことがある。

 中小M&Aガイドラインでは、少なくともネームクリア※2が行われ、紹介がなされた先に限定すべきである、としている。
※1:
中小企業・小規模事業者に向けて、M&Aの一般的な手続きの流れ・留意点・事例・サンプルなどを示しており、併せて専門業者向けの行動指針などを示しているガイドライン。
※2:
譲り受け側(買主)が企業概要書を確認して興味がある場合、譲り渡し側(売主)へ自身の名称を開示したうえで、次のステップへ進むために売主の同意を得て売主の名称を買主に開示してもらうこと。具体的には、売主の社名を、関心を示した特定の買い手候補に対して開示手続きをすること。
2.期間に注意
 テール期間の長さは、最長でも2年~3年以内が目安とされている。
契約前にM&A専門業者と確認を
 契約締結前に専門業者による説明が求められている「重要事項説明書」にテール条項は含まれているが、必ずしも事前説明が行われるわけではない。

 もし説明が行われなかった場合は、ご自身で専門業者に対して詳細確認されることをお勧めする。
山崎 美穂(やまざき・みほ)
マネーコンシェルジュ税理士法人

栃木県出身。一般企業で経理・総務を経験し、現法人へ。企業で役立つ支援策・補助金等の最新情報を収集、お役立ち情報としてSNSやホームページで発信中。
趣味は釣りと食べ歩き。
マネーコンシェルジュ税理士法人がお届けする無料オリジナルマガジン
『あんしん相続通信』
保険営業マンの皆さんへ
お客様への情報提供ツールとして、ご利用ください(コピー配布可)。
右下の申込書の最下段に、ご自身のお名前をご記入の上、お客様にお渡しください
もし、そのお客様から生命保険のご相談があった場合には、必ずご紹介させていただきます。
ご希望の方は、下記申込書にご記入の上、06-6450-6991までFAXください。
https://www.fps-net.com/topics/pdf/application_form.pdf

▲ PAGE TOP