若年層の約7割が「共育て」に前向き

庄司 英尚
2026.09.14

希望する家事・育児分担割合は男女とも「5:5」が最多だが……
 厚生労働省「共育プロジェクト」は、7月31日に「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査(速報)」を公表した。
「共育(トモイク)プロジェクト」とは、共働き・共育ての推進のため、「職場」や「家庭」におけるいわゆる“ワンオペ”の実態を変え、男女ともに誰もが希望に応じて仕事と家事・育児を両立し、「共に育てる」に取り組める社会を目指す、厚生労働省の広報事業のこと。
 調査結果によると、配偶者・パートナーと協力し合って家事・育児に取り組む「共育て」について、若年層の約7割が「これからの時代に必要」「より子育てしやすい社会になる」など、ポジティブな考えを示した。また、若年層の約6割が「自分と配偶者・パートナーが同じくらい主体的に子育てを行いたい」と回答した。

 子育て世代が希望する家事・育児分担割合は、「5:5」の回答が約4割(38.4%)で最多。しかし実際には、「5:5」の分担を実現できているという回答は約2割(20.8%)にとどまり、女性の分担割合が重いという希望と現実には大きなギャップが存在していた。
就職先を選ぶ際、約7割は仕事とプライベートの両立を意識
 「あなたは、入社する企業を選ぶ際に、仕事(キャリア)とプライベートの両立を意識しますか(意識していましたか)」という質問に対しては、「とても意識している(とても意識していた)」という回答が34.1%、「やや意識している(やや意識していた)」が33.4%となっており、両者を合わせると約7割の若年層が仕事(キャリア)とプライベートの両立を企業選びの段階から強く意識しているようだ。

 勤務先において「働きやすい職場づくりや両立支援の促進などに関する取り組みがどの程度行われていると思いますか」という質問に対しては、社内で積極的に取り組まれていると思うこととして「積極的に取り組んでいる」+「ある程度取り組んでいる」の回答者割合は、「有給休暇取得の促進」が約5割(50.3%)、「残業時間の抑制」は約4割(41.5%)となった。次いで「短時間勤務制度の活用」(39.7%)、「女性管理職の増加」(38.9%)が多く、一方、「仕事と家庭の両立に関する経営層のメッセージや方針の明確化」(35.9%)や「男性の育休取得の促進」(34.6%)は他の項目と比べて従業員の評価は若干低い結果となった。
勤務先に求めるのは、業務量の適正化、上司等の理解が上位
 「希望の働き方や子育てとの両立を実現するために、あなたが企業や周囲に求めることはどのようなことか」と尋ねたところ、上位には「業務量の適正化」(37.5%)、「仕事と子育てとの両立についての上司・管理職の理解促進」(32.5%)、「長時間労働・残業の削減」(29.6%)、「仕事と子育てを両立するための制度を利用しやすい雰囲気づくり」(27.6%)、「配偶者・パートナーと家事・育児を分担しやすくするための支援」(24.8%)があがった。

 「就職・転職活動をするにあたって、企業のどのような情報について知りたいと思うか」という質問には、男性は「男性の育休取得率」や「男性の育休取得日数」、女性は「女性の育休取得率」や「出産・育休後の復職率」の回答割合が高かった。

 企業側も優秀な人材を採用するためには、共働き・共育てに関する若年層の意識や意向をこのような調査データから汲み取り、従業員に寄り添った職場環境づくりを進めていく必要があるのではないだろうか。
参照:
庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)
株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/

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