有期労働契約の締結や更新、雇止めなどの基準とは
2026.10.26
契約社員やパートタイムなど、期間の定めがある「有期労働契約」。身近な雇用形態ですが、契約の更新や終了をめぐるトラブルを防ぐためのルールがあることをご存じでしょうか。厚生労働省は労働基準法第14条第2項に基づき、「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準」(以下、雇止めに関する基準)を策定しており、今回はそのポイントを確認していきます。
契約締結や更新、雇止めに関するルールとは?
有期労働契約の締結や更新、雇止めなどの際に発生するトラブルの防止や解決を図り、双方にとって良好な雇用形態として活用されることを目的として定められた基準です。行政官庁は、この基準に基づいて使用者に対し必要な助言や指導を行っています。「雇止めに関する基準」では、主に以下のルールが定められています。
①更新上限の設定・引き下げ時の理由説明
契約更新の通算契約期間※1や回数に上限を新しく設けたり引き下げたりする場合、使用者はあらかじめ労働者にその理由を説明しなければなりません。
②30日前の雇止め予告と理由の証明
契約を3回以上更新している、雇入れから1年を超えて継続勤務している、または1年を超える労働契約を締結している場合、契約を更新しない(雇止めする)のであれば、少なくとも契約期間満了日の30日前までに予告する必要があります(あらかじめ更新しない旨が明示されている場合を除く)。また、労働者から請求があった場合、使用者は遅滞なくその理由を記載した証明書を交付しなければなりません。なお、この理由は単に「契約期間満了のため」とは別の理由を明示する必要があります。
③契約期間についての配慮
1回以上更新し1年を超えて継続勤務している労働者の契約を更新する場合、実態や労働者の希望に応じて、できる限り契約期間を長くするよう努める必要があります。
④無期転換後の労働条件の説明
無期転換※2申込みに関する事項や転換後の労働条件を明示する際、就業の実態に応じた均衡を考慮した事項について、説明するよう努める必要があります。
なお、労働基準法の解雇予告や退職時の証明違反には罰則がありますが、「雇止めに関する基準」に違反しても罰則はありません。ただし、違反した場合は労働基準監督署などによる助言や指導の対象となります。
労働者と雇用者が基準を正しく理解しておくことが重要
有期労働契約で働く側も雇う側も、こうした基準を正しく理解しておくことで、双方が納得できる雇用につながります。トラブルを未然に防ぐためにも、日頃から契約内容や説明体制をしっかり確認しておきましょう。
※1
同一の使用者との間で締結された、2以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間
※2
通算契約期間が5年を超えているなど、条件を満たす労働者の申し込みにより、期間の定めがない労働契約(無期労働契約)へと転換できるルール。なお、使用者は無期転換を拒否することはできない。






