マスク購入費用の医療費控除の適用は?

今村 京子
2020.12.03

コロナ禍の医療費控除
 国税庁が「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」を10月23日付けで更新した。そのうち、医療費控除関連をお送りする。
マスク購入費用の医療費控除の適用について
【質問】
私は、新型コロナウイルス感染症を予防するためにマスクを購入しましたが、この購入費用は確定申告において医療費控除の対象となりますか?
【回答】
医療費控除の対象となりません。
 医療費控除の対象となる医療費は、次の通りである。
1.
医師等による診療や治療のために支払った費用
2.
治療や療養に必要な医薬品の購入費用
 質問のマスクについては、病気の感染予防を目的に着用するものであり、その購入費用は上記のいずれの費用にも該当しないため、医療費控除の対象外となる。
PCR検査費用の医療費控除の適用について
【質問】
私は、先日新型コロナウイルス感染症のPCR検査を受けましたが、この検査費用は確定申告において医療費控除の対象となりますか?
【回答】
医師等の判断によりPCR検査を受けた場合は医療費控除の対象です。一方で、自己の判断によりPCR検査を受けた場合は医療費控除の対象外です。
 ただし、PCR検査の結果、「陽性」であることが判明し引き続き治療を行った場合には、その検査は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができるので、その場合の検査費用は医療費控除の対象となる。
オンライン診療に係る諸費用の医療費控除の適用について
【質問】
私が通院している医療機関では、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、オンライン診療を導入しています。このオンライン診療においては、自宅から医師の治療が受けられ、診療により処方された医薬品については、医療機関から私が希望した薬局に処方箋情報が送付され、その薬局から自宅への配送もできる仕組みとなっています。
この仕組みを利用するためには、オンライン診療料に係る費用のほかシステムの利用料の支払が必要となりますが、これらの支出は医療費控除の対象となりますか?
1.
オンライン診療料
2.
オンラインシステム利用料
3.
処方された医薬品の購入費用
4.
処方された医薬品の配送料
【回答】
次の通りとなります。
1.
オンライン診療料:オンライン診療料のうち、医師等による診療や治療のために支払った費用については、医療費控除の対象です。
2.
オンラインシステム利用料:医師等による診療や治療を受けるために支払ったオンラインシステム利用料については、オンライン診療に直接必要な費用に該当しますので、医療費控除の対象です。
3.
処方された医薬品の購入費用:処方された医薬品の購入費用が、治療や療養に必要な医薬品の購入費用に該当する場合は、医療費控除の対象です。
4.
処方された医薬品の配送料:医薬品の配送料については、医療費控除の対象外です。
 医療費控除の適用を受ける場合は、医療費の領収書から「医療費控除の明細書」を作成し、確定申告書に添付する。医療保険者から交付を受けた医療費通知がある場合は、医療費通知を添付することによって「医療費控除の明細書」の記載を簡略化することができる。

 ただし、医療費通知が手元に到着するのが遅いようなら、領収書から「医療費控除の明細書」に記載することになる。
今村 京子(いまむら・きょうこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士

三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。
平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。
年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で2女の母。趣味は歌舞伎鑑賞。

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