新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置

沖田 眞紀
2021.02.04

 新型コロナウイルスの感染拡大は、働く妊婦の方にも強い不安やストレスを与えています。厚生労働省では、通勤や働き方でお悩みの妊婦の方を対象に特別相談窓口を設ける他、『新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置』『新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金』制度を設け、企業に対して、妊娠中の女性労働者が休みやすい環境づくり、職場での配慮を求めています。この措置および助成金の内容は以下のとおりです。
新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置
 男女雇用機会均等法に基づく母性健康管理措置として、妊娠中・出産後1年以内の女性労働者が保健指導・健康診査の際に、主治医や助産師から指導を受け、事業主に申し出た場合、必要な措置を講じることが事業主に義務付けられています。これに加え、新型コロナウイルス感染症に関する措置として、「妊娠中の女性労働者が、その作業等における新型コロナウイルスへの感染の恐れに関する心理的なストレスが母体又は胎児の健康保持に影響があるとして主治医や助産師から指導を受け、それを事業主に申し出た場合についても、事業主は必要な措置を講じなければならない」とされました。
新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金
 上記『新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置』により休業が必要とされた妊娠中の女性労働者のために、有給の休暇制度(年次有給休暇を除く)を設けて取得させた事業主対して助成金が支給されます。
対象事業主…
令和2年5月7日~令和3年3月31日までに、①~③のすべての条件を満たす事業主
新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置として、医師又は助産師の指導により休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が取得できる有給の休暇(年次有給休暇の6割以上支給)を整備
この有給休暇制度の内容を新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置の内容と合わせて労働者に周知
この有給休暇を対象の女性労働者(正規・非正規とも)に合計5日以上取得させる
助成内容…
1事業当たり20人まで
対象労働者1人当たり 
有給休暇5日以上20日未満:25万円
以降20日ごとに15万円加算(上限100万円)
申請期間…
令和3年5月31日まで(雇用保険被保険者、被保険者以外で別様式)
【参照】
沖田 眞紀(おきた・まき)
特定社会保険労務士
社労士事務所コンフィデンス

千葉県出身。大手電機メーカーをはじめ、介護施設、建設関連会社等様々な業種で、人事労務を担当。長年の実務経験を活かし、現在は人事労務相談・助成金手続・就業規則作成などを中心に社会保険業務および各種相談業務を行っている。

▲ PAGE TOP